2013年5月17日金曜日

パプリカ (2006/日)

監督:今敏
出演:林原めぐみ / 古谷徹 / 江守徹 / 堀勝之祐 / 大塚明夫 / 山寺宏一 / 田中秀幸 / こおろぎさとみ / 阪口大助 / 岩田光央 / 愛河里花子 / 筒井康隆

夢を共有できる機械DCミニは精神療法に利用されていた
しかし、その機械が盗まれたことにより、それが持つ危険性があらわになり…

「夢」をテーマにするというと、多分に作り手の世界観が強烈にあらわれて、しょうじき観てる側からすると理解が困難な監督のオナニー作品になっちゃうんですよね
でもこの作品は独特な世界観を持ちながらも分かりやすくできてておもしろかった
画面としての表面上は夢の世界のカオスを描きながら、内容的には「なるほど」と理解できる
単純に「夢の世界」というファンタジックなものを描きたかったってだけじゃない魅力がありました

DCミニという機械を使い夢を共有することで、その対象人物のもつ精神的な問題点を探って診断する技術が完成されつつあった
しかし、ある日、その機械が盗まれる事態が発生し、そして夢を強引に共有し浸食するテロまがいの事件がおこる
それに主人公たち開発者チームが対抗する、という流れ
まさに夢の機械でありながら大きな問題点を抱えたDCミニ
じょじょに夢が現実の人間を支配していく
そのキャラたちのおかげなのか、事態はかなり深刻なんですぐが全体的にそこまでシリアスな感じがしなくていいですね

テーマは「夢」というわけで非現実的な映像表現がみどころではあるんですが、内容じたいもしっかりしているんで決して表面だけの作品じゃない
そのまんま睡眠状態で見る「夢」は言わずもがな、将来の夢みたいな意味合いとしての人間の願望としての「夢」もテーマとして含んでるんですよね
いろんな意味での「夢を見ること」というものを描いていて、そのことに観てる側が自然に気づかせてくれるさりげない誘導がよくできてておもしろい

難点があるとすれば、アニメ作品ゆえに夢の世界を描くこととすごい馴染むというか、非現実的な幻想表現があまり新鮮に感じないのがアレかもしれません
その組み合わせはぜったいハズレないよね、という感じで今まで観たことないような世界を期待できないみたいな
まあ、とりあえずはそう力まずに観られる娯楽作品としてはじゅうぶん楽しいから些細な問題かもしれませんが

「よーし、観るぞー!」と意気込むのではなく、思った以上に気軽に観る感じの一本ですね

個人的評価:80点
オススメ度:パプリカってスパイスじゃなく、どっちかというと彩りな気がしないでもないんだが




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