監督:山口雄大
出演:水沢奈子 / 野口五郎 / 斎藤工 / 板尾創路 / 堀部圭亮 / 亜沙美 / 生田悦子 / 浅野温子
施設から肉親が見つかったため南条家にやってきた少女、葉子
しかし、その南条家の洋館には葉子に襲いかかる姿を見せない何者かが潜んでいた
楳図かずおさん原作の映画化
とはいえ原作は未読といういつものパターンで鑑賞
いちおホラーだけど、どっちかというと悲哀ものっぽい感じでしたね
タイトルから想像してたアレな感じは薄いまっとうな作品でじゃっかんガッカリせざるえない
ほら、だって、あの「地獄甲子園」の監督だもの…なんか原作クラッシャーとしてもっとはっちゃけたのを期待しちゃうじゃない
葉子が南条の家にやってきた嵐の晩に、なにかに襲われるんですが目が覚めるとソファの上で、「まあ、夢だったんじゃね?」的にその場は収まります
そして新しい家族は優しく人当たりのいい父親と、葉子のことが眼中になく抱いたぬいぐるみだけが我が子と言ってきかない母親、あからさまに葉子を邪魔者扱いする家政婦
葉子はなんとか馴染もうとするけど、やっぱりこの館には「なにかいる」という確信を抱いていく、と
しょうじき館の謎みたいのはわりとどうでもよくて、その「なにか」と南条家、そして葉子をめぐる悲哀的なものを楽しむ作品かもしれません
怖いより気味が悪く、そんな風に思ってしまった自分が作り手の思うつぼみたいな
ややグロだけど、そうショッキングなシーンとか斬新なゴアシーンはないんで、家族で観ても安心できる…かどうかは分かりませんが
B級といえばB級ですが、そんなにふざけすぎてない…というか、わりと真剣に作ってあるんでそっち方面のクソっぽさを期待してると肩すかしかもしれません
まさにそっち方面を期待してたうちの一人がここにいますがね
まあ、普通に観るぶんにはなんの問題にもなりませんけど
途中で葉子の味方になる人が出てくるんですが、なんというか微妙に役立たずでちょっとおもしろかったですね
「安心しな、ベイビー」みたいな有能なバトル担当かと思ったらそうでもない感じがいい
そしてラストに向かってじゃっかんトンデモ展開になりますが、そんな中でも葉子と彼女を襲う存在との関係がなんかイマイチしっくりこない
葉子的には分かり合いたいんかもしれないですが、どうせなら徹底的に分かり合いたい姿勢か化け物として扱う姿勢かを貫いてほしかった
葉子役の人の演技のせいかもしれないですが、あんまり葉子側の悲哀が伝わってこないかなあ、と
そんなわけで原点に返って、というかいつもの自分を取り戻すためにタイトルで選んで観たものの、言うほどクソ映画じゃなかった現実
うん、楽しいことはいいんだけどね
私が期待してたのはもっと、こう、観終わったあとにグッタリくる疲労感と「アホか」とつっこめる作品だったので
新しさはないけど、古い感じの日本の怪奇話をきちんと描いてる感じがする作品でした
個人的評価:70点
オススメ度:月をバックにしたアレはちょっとカッコイイと思った
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