2010年2月5日金曜日

インビクタス 負けざる者たち(2009/米)

監督:クリント・イーストウッド
出演:モーガン・フリーマン / マット・デイモン / トニー・キゴロギ / パトリック・モフォケン / マット・スターン / ジュリアン・ルイス・ジョーンズ / アッジョア・アンドー / マルグリット・ウィートリー / レレティ・クマロ / パトリック・リスター / ペニー・ダウニー


南アフリカの大統領となったネルソン・マンデラ
人種や肌の色で差別されない新しい国を目指す中、アパルトヘイトの象徴でありながら今や国の恥とまで言われるほど弱体化したラグビーに目を付ける

あれ?あれれ?イーストウッドのダンナ、どうしちゃったんでゲスか?
と言いたくなるほどうすっぺらい内容でした
白人と黒人のデリケートなテーマを、それこそ腫れ物を扱うようにおっかなビックリ取り上げて、しかも当たり障りない味付けをしてみました・・・というのがしょうじきな印象
さすがに軽くひくほど暗部をおさえたファンタジーで、ドラマ性もちぐはぐときたもんだ

長い白人支配は終わったけど、俺たち黒人も個人的な復讐心で同じことを繰り返すことはない
とりあえず過去は過去として赦すことで、未来につなげようぜ
さすがマンデラ、いやデラっちは聖人のようなお人やで
あんまりのヒーロー扱いに軽くあくびがでちゃうよ
まあ、それでも白人を赦すのも国益にとっての打算だったり、言葉の細かいニュアンスや態度から人種差別について「個人的な立場において」完全に中立という考えでないのかなって感じは見て取れるのはいいですね

そんな中でラグビーを使って国を盛り上げようと、チームの主将とコンタクトをとって話してるうちに、大統領と主将の間でなんか芽生えて盛り上がってくる、と
うん、そういう流れで徐々に真の友情に発展していく系は嫌いじゃない・・・んですが、その描写もじゃっかん薄目なのは否めない
もっとがっつり友情パワーを高めていくような展開があってもいいんじゃないでしょうか
そして、それ以上に主将のやる気がどんどん上がっていくのはわかったけど、それがチームメイトに伝わっていく過程がほとんど描かれてない気がするんですよね
そのクセにチームは「なんとなく」どんどん強くなっていって、ラグビーワールドカップを勝ち進んでいく、と

さらに「なんとなく」南アフリカの白人と黒人の溝がうまってきて、しまいには「なんとなく」みんながひとつになるみたいな
デラっちの家族問題にしろ、ドラマの部分がうすっぺらすぎて、みんながひとつになっていく様を見ててもあまり気持ちが盛り上がってこない
後半の無駄に長くて力の入ってるラグビーシーンより、もっとドラマに力入れようぜ
これラグビー映画なのか?ってくらいに後半はラグビーメインで困る
しかもラグビーに限らず、南アフリカの問題とか「予備知識があって当たり前」なスタンスで描かれてるんで、ほとんど説明がありません
さすがにもうちょっとラグビーのルールや国のバックボーンを説明してくれてもいいもんじゃなかろうか

それでも「がんばれボカ」とか細かいにんまりできる演出もあるし、とりあえずラストはけっこう盛り上がります
ラグビー経験者とかファンの人が見れば、いやってほど展開される試合に夢中になるかもしれませんね
個人的にはまったくラグビーに興味とかないんで、なんとなく迫力は伝わってくるけどそれ止まりな感じで
ダメな所が目立つけど、内容じたいはクソってほどクソじゃない、いわゆる「普通」な映画でした

個人的評価:50点
オススメ度:まったく緊張感がございません




インビクタス 負けざる者たち 予告

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