監督:三上康雄
出演:平岳大 / 若林豪 / 目黒祐樹 / 中原丈雄 / さとう珠緒 / 栗塚旭 / 脇崎智史 / 細川純一 / 芝本正 / 楠年明 / 増田久美子
因幡藩につかわされた剣術指南役の松宮に藩の内情を探っている疑いがあった
一方、他藩へ剣術修行の願いをでる若き藩士の香川は松宮の許しをえたいものの心象が悪く・・・
時代劇エンターテインメントでもなく、時代劇風でもないホントに古き良き頃の時代劇といった感じでした
というほど時代劇に精通してるわけじゃないけど、ここまで今時の娯楽性事情に媚びない作りは個人的に好み
中途半端な横やりを排除し、自分がおもしろいと思うものを貫いて撮った力強さみたいのを感じずにいられません
藩が節制によって地道に隠し通してため込んだ資産、それを公儀からつかわされた剣術指南役にかぎつけられてしまう
城代の荒木と家老の舟瀬は藩としてこの問題に頭を抱える
一方、剣の実力もある若き藩士の香川は師範の原田に修行の願いをだすが、これには若宮の許しがいる
しかし、若宮の香川に対する印象はよくなかった
という中、藩の抱える問題と香川たち若き藩士たちのドラマが平行して描かれていく、と
で、それぞれの運命みたいのが収束していって・・・みたいなストーリー
登場人物それぞれの想いと皮肉な展開になっていく状況、それを地味すぎず過剰すぎずの良い安定感で描いてますね
BGMもほぼ環境音だけで、場面や人物で描きたい部分は画面から読みとるような作りになってて楽しめた
悲しい音楽がかかれば「そういう心情(シーン)なんだな」と自動的に感じるような作品ではなく、あくまで察することを楽しむものになってますね
ちゃんとクライマックスは盛り上げてくるし、全体的に泥臭さはあるけど斬りあいの場面も魅入るものがあります
それでもちょっと気になるのがじゃっかん一部の、特に若い役者さんの演技が不安定なところがある感じ
というかベテラン勢の超絶安定感の反動もあるだろうから難しいかもしれないけど、そこら辺について名優に負けない若手がそろってれば完璧だったかもしれません
と、不満なところもあることはありますが、現代では久々に純度の高い時代劇を観られて楽しませてもらいました
個人的評価:80点
オススメ度:原田さんのかっこよさの株の上がりっぷりは異常
蠢動 予告
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