2011年7月11日月曜日

しあわせの雨傘 (2010/仏)

監督:フランソワ・オゾン
出演:カトリーヌ・ドヌーヴ / ジェラール・ドパルデュー / ファブリス・ルキーニ / カリン・ヴィアール / ジュディット・ゴドレーシュ / ジェレミー・レニエ / エヴリーヌ・ダンドリー / エロディ・フレージェ / セルジ・ロペス / ブリュノ・ロシェ







1977年フランスの雨傘工場の社長夫人スザンヌは、一見、なに不自由なく暮らしていた
その生活は端からはただそこにいるだけのお飾り、「飾り壺」と揶揄されていたが、工場のストにより夫が監禁される事態に陥ったことでスザンヌの手腕が発揮されはじめ…

いわゆる男社会がうんぬんで女性にも権利をなんたら系の話っていえばそれまでですが、見せ方がそう押しつけがましくないからいいですね
とにかくスザンヌさんがチャーミングすぎて素敵、と第一印象を抱いた時点でまんまとこの作品の術中にはまってるといったところでしょうか
しょうじき女性が観るための女性向け映画ではあるんですが、別に男が観てもそう抵抗はないですね

ストーリー的には成功者である夫の「女」だからということで、「ただそこにいるだけ」であることを強いられて生活するスザンヌが、ひょんなことから夫の代役を務めることで頭角をあらわしていくサクセスストーリー
家族関係や男女関係、女性の権利やらなんやらを同時に展開するちょっとした昼メロ要素の強い作品ですね
でもこの作品の良いところは「女性にも権利があるとか声を大にして言うことじゃないでしょ。そんなの当たり前のことだし」というスタンスがありありとしていて、とにかくスザンヌさんは己の道を突き進みます
女ったらしだけどやり手の男主人公ならオーケイだけど、逆に女主人公だったら抵抗があるってのは違うだろ?って感じのスザンヌさんの存在が素敵です

最初は日本のドラマ的な女性成り上がり物語かと思ってたんですが、そんな安っぽいものじゃないパワフルさが感じられましたね
ドラマも情にうったえてくるというより、ありのままのスザンヌさんを見て元気になればいいじゃないって感じ、かな
今までさんざん男主人公でやってきたようなことをさらっと女主人公にすげ替えて作ってるので、これを観てスザンヌさんを否定したら負けですね

家族愛とかそっち系の母性ドラマじゃなく、挑戦と成功の父性ドラマっぽい、ちょっと皮肉な感じが楽しかった一本でした

個人的評価:80点
オススメ度:カドヌーのジャージ姿に乾杯




しあわせの雨傘 予告



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