2012年8月14日火曜日

明日、君がいない (2006/豪)

監督:ムラーリ・K・タルリ
出演:テレサ・パーマー / ジョエル・マッケンジー / クレメンティーヌ・メラー / チャールズ・ベアード / サム・ハリス / フランク・スウィート








午後2時37分、ある高校の鍵のかかったトイレ、扉から血が漏れ出る中で用務員によって鍵が開けられる
時は戻りその日の朝、誰にも言えない苦しい悩みを抱えた生徒たちが登校してくる

むかし観た作品をもう一度シリーズと見せかけて前回の「桐島~」への完全なる当てつけ鑑賞
今まで観た映画の中でベスト5と言えばなに?と聞かれるとちょっと悩むところはありますが、この作品は迷うことなくベスト5には入っていると断言できます
最初に観たときのやられた感はすさまじいものがありましたね
色々と登場人物の混み合った悩みの描写はありつつも、画的には非常にシンプルで、しかもいい感じに作品の内容を気づかせてくれる作りになっているのがたまらない
作品に対する劇中の説明が不足すぎもしないし、過剰すぎもしない良バランスなんですよね

ごく平凡そうな学校、鍵のかかった扉、そのすき間から流れ出る血、そして扉が開かれ…というシーンから始まり、そこから話はその日の朝にさかのぼっていきます
他人には理解できないと悩みを抱え、抑えながらいつもと変わらない学校生活へと向かう生徒たち
それぞれのキャラのもつ問題を各人にカメラを移し、時には別の視点、時にはちょっと時を戻して描いていきます
ホントに各キャラの悩みは半端なものではなく、一見軽そうな問題のようで本人にしてみればすさまじく重大なことっていうものもある
はい、ようするに冒頭のシーン、その扉の向こうにいるのは誰なのかってのが一番のみどころになるでしょう

けっきょくみんな自分を抑えて抑えて抑えつけて波風たたない微妙な距離を維持する学校生活と、けっして誰にも言えない本当の自分の心に苦しみ悩みまくります
そのどれもが痛々しくて苦しそうなんだけど、周りの人間が気づくのは無理ってもんで、そんな他人からしてみればその人の抱えるものなんて何にも見えない
で、ラストですよ
このラストに「なるほど」と思えるか「は?意味わかんねえし」と思うかで大きく評価が分かれるかもしれません

映画に打ちのめされる、そういう表現をたまに聞きますが、まさか自分がホントにそんな体験をするとは思わなかったってほどに良いパンチをもらいましたね
けして後味がいい作品ではないですが、個人的に本当に好きな一本です

個人的評価:100点
オススメ度:誰もが気づいてあげられないひとりなんだよ





明日、君がいない 予告


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