2013年4月21日日曜日

桜、ふたたびの加奈子 (2013/日)

監督:栗村実
出演:広末涼子 / 稲垣吾郎 / 福田麻由子 / 高田翔 / 江波杏子 / 吉岡麻由子 / 田中里衣 / 永井秀樹 / 岸健太朗 / 戸田みのり / 横溝菜帆 / 吉満蒼 / 安藤聖 / 山城秀之 / 富永凌平 / 増本庄一郎 / 岡野謙三 / 米谷澪 / 西岡航 / 太田しずく

桐原夫妻の幼い娘である加奈子の葬儀がすまされる
なかなか娘の死を受け入れられない妻の容子は、やがて加奈子はここにいると夫に本気で言いだし・・・

生まれ変わりとしか思えない子供との関わりの中、娘の死を乗り越えて夫とか周囲の愛によって妻が立ち直っていく・・・そんな姿を感動的に描く
という、おばさま方をターゲットにしたまあよくある邦画のお涙ちょうだいモノだろ、と思ってたら違ってた「思ってたのと違うじゃねえか」シリーズ
独特のカメラワークと醸し出される雰囲気は「これサスペンスホラーなのか?」と感じずにいられない
内容的にはおばさま方向けっぽいんだけど、作りはかなり若い人向けっぽく思えました

娘の死後も食卓に子供の分のごはんを用意し、空っぽの椅子に腕をのばし、手をつないでいる様を見せる妻の容子
夫は加奈子は死んだこと、そこには誰もいないことを説くが彼女は聞く耳をもたない
やがて飼い犬の突然の逃走事件をきっかけに、容子は若い妊婦である野口と出会うことで、加奈子の生まれ変わりうんぬんという言動まで飛び出してくる
そんな展開を寄せのカメラを中心に、短く切り替わるアングル、俯瞰、一人称視点、三人称視点という独特のカメラワークで描かれてます

さらに「なんかありそう」という謎めいた怪しさが作品全体にただよっており、最後まで良い意味で気を抜けずに緊張感をたもったままスクリーンに釘付けにされましたね
ちりばめられた伏線の回収のテンポもよくって、ホントにほとんど無駄な登場人物・描写がない
ラストも「うん、まあ悪くはないけど、こんな終わり方なのか」とじゃっかん物足りなく感じてたんですが・・・
観客に対し「こう感じてるでしょ?じゃあ、次はこんなシーンはどうだ」というような作り手の心意気がにくたらおもしろい

若い人向けの作風ゆえに、じゃっかんあざとさもあるカメラワークとか、落ち着いた感じで泣きたいお年をめした方にはちょっと辛い演出があるかもしれません
ただそんな点は些細な難で、私も含めちょっとひねたものが好きな人にとってはかなり楽しめる一本ですね

個人的評価:95点
オススメ度:感情の感じられない死んだ魚の目が似合う女優ナンバー1、広末



桜、ふたたびの加奈子 予告

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