出演:エミリオ・エチェバリア / ガエル・ガルシア・ベルナル / ヴァネッサ・ボーシェ / ゴヤ・トレド / アルバロ・ゲレロ / ホルヘ・サリナス / マルコ・ペレス / ロドリゴ・ムライ / ホセ・セファミ / ルルデス・エチェバリア / グスターボ・サンチェス・パラ
重傷の犬を車に乗せ、何者かに追われながら街中を暴走する若者ふたり
交差点で事故を起こすのだが、そこに居合わせた3人にはそれぞれのドラマがあり…
愛と犬をテーマにした3つのオムニバスストーリーですね
ちょっと思ってたのと違って「ん?」って感じにはなりしたが、けっこうガツンとくるインパクトは大きな作品になってます
どこまでも先が暗くて、明るい展開になっていても観ててなんともいえない暗い不安感をおぼえる内容
そんな重さを楽しむ作品、なのかな
とりあえず第1の話の主人公であるオクタビオの存在が鑑賞早々に強烈に印象に残ります
あどけない見た目に強く意志の力を持ち、チャーミングだけどねじまがってる…いやあ、ホントにいいキャラだわ
粗暴で本能のままに生きてるようなオクタビオの兄との対比、そしてそんな兄嫁に想いをよせる弟くん
どうしようもない兄に優等生の弟くんが自分なりのやり方で立ち向かい、兄嫁を暴力夫から助け出したい…というのが表面上の話の展開
でもまあ最後まで観れば分かりますが、そんな単純なものじゃない「ねじまがってる感」がおもしろい
第2の話は不倫モデルさん
こういうオムニバス系では構成的に不遇なのが2番目のエピソードなわけで
信号機の黄色みたいになくてはならないんだけど、どうにも軽視されちゃうって感じの薄味でちょっと毛色が異なる印象
不倫関係ながら幸せそうなカップルなんだけど、思いも寄らない方向からふたりのバランスが崩れていくのがみどころ
なんともいえない床下の不気味さがいいアクセントになってはいるんだけど、観た後に「うん、別に特に思うところはないね」と感じずにいられません
そして第3の話は老殺し屋のお話
しょうじきこのエピソードは第1の話を受けての、って感じの展開を楽しむ内容ですね
オクタビオたちのその後的な結末を含めているんですが、それだけに第2の話のいらない子っぷりが気になってしかたない
個人的には犬つながりの展開が「ああ、そうくるのね」って感じでおもしろかったですね
でもこの映画、3つの異なる話が1つにつながった時、そこに隠されたものがみえる…というトリッキーな作品じゃなかったのが個人的にちょっと「ん?」と感じたポイント
それぞれの話の中で別エピソードの登場人物たちの物語も進んでいて、なんか最後にすごい結びつきでもあるのか、と期待してると肩すかしくらいますね
あくまで3つのオムニバスストーリー
なんかつながりそうでそうでもない独立した3つの話でしかなかったのがちょい残念
個人的評価:75点
オススメ度:どれもこれも最後には絶望感しかない
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