監督:森田芳光
出演: 松山ケンイチ / 瑛太 / 貫地谷しほり / ピエール瀧 / 村川絵梨 / 星野知子 / 伊東ゆかり / 菅原大吉 / 三上市朗 / 松平千里 / ジュン / デイビット矢野 / 笹野高史 / 伊武雅刀 / 西岡徳馬 / 松坂慶子
大手商社で働く鉄道の風景+音楽のミックスが好きな小町、しがない鉄工所で働く鉄道の金属部品が好きな小玉
方向性は違えど鉄道好きなふたりは出会い、奇妙な友情で結ばれていく
鉄道をからめたライトでカジュアルな今どき青春&ラブストーリーコメディ…という覚悟で観てみたら「釣りバカ日誌」だった
ゆるいキャラたち、古くさいギャグセンス、挿入される珍妙なSE、気持ちいい人情話、なんともナチュラルな昭和コメディドラマな作りになってますね
「見ろ!な!?懐かしいだろ!?昭和だろ!?」みたいなおしつけがましさなく、それでいてなんか懐かしい気分にひたれます
感覚的には昭和っていうより平成初期テイストくらいの懐かしさ、かな
で、なんとも「釣りバカ~」っぽいなあ、と感じてネットで調べてみたら、やっぱりそっちの路線を意識してたみたいですね
序盤は主人公ふたりの友情がなんとなくゆるく結ばれていくさまと、それぞれのプライベートと身の回りの設定をゆるく描写していきます
で、後半は分かりやすいくらいの釣りバカっぽい展開に
登場人物のリアクションにSEがついたり、無意味に勢いまかせなギャグがあったり、こういうコントっぽいノリは個人的に嫌いじゃないですね
まあ、それがふだんはちゃんとした現実的な日常を描きつつ、急にそんなギャグ要素が出てくるので最初はとまどいましたが
序盤はホントに「どんな作品なんだ」となかなか雰囲気をつかませてくれないんですが、それでいて嫌な感じがしない妙な魅力があります
そんななんともいえない味のある作品なんですが、やっぱりそれゆえにダメな人はダメだろうなあ、と
特に松山ケンイチの演技に引っかかる人は多いでしょうね
個人的にもそうなんですが、しょうじき最初はそのひどすぎる演技に「わざとやってる…んだよね、これ」と思わざるえなかった
それが最後には作品の雰囲気にマッチしてきてクセがあるけど悪くない、と思えてくる不思議
まあ、そんな演技うんぬんについてはいいんですが、なにより問題なのは「この映画、どの層を狙ってるんだ?」ということ
若い世代が観て喜ぶようなカジュアルな作品でもないし、かといって年配の方が好むほどどっしり構えてもいない
主人公ふたりをくたびれた中年鉄オタにすれば、それこそ「釣りバカ~」を楽しめる世代向けになるんでしょうが…
年配の領域に片足つっこみつつ、じゃっかんカジュアルな作りにも対応でき、それでいて独特の雰囲気に拒絶反応をしめさない人向け…というかなり狭いとこを狙ってるとしか思えない
そんな感じで個人的にはすごい楽しめたけど、これだけは手放しで他の人にはすすめられないな、と思える一本でした
とりあえず気になった人は過度な期待をせず観てみましょう
ホントに言葉でこの作品の雰囲気を語るのは難しいッス
個人的評価:90点
オススメ度:バァイオハザァ~ドォ
僕達急行 A列車で行こう 予告
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