2012年9月30日日曜日

9月のこれ一本

なかなかに残暑の抜けない9月でしたが…とか当たり障りない出だしでアレですが今月の個人的なナニは「鍵泥棒のメソッド」です
はい、ええ…はい、特に他に報告やら書くネタとかないんですが、たまには要点だけ記して終わってもいいんじゃないんスかね

そういや通販で和洋問わず甘い物を取り寄せてよく食べるんですが、なんというかマジで「TV番組で紹介された」的な煽り文句をウリにしてる商品の地雷率の高さは異常
ヘタなもんなら普通にシャトレーゼで買ったもんの方がうまい現実
あとコンビニスイーツ、これって田舎のコンビニだと品揃え悪いのなんとかしてくれんのかな
ネットとかで「あ、ここのこれ食いたい」とそのコンビニいっても当たり前のように売ってないことが多い
格差か、地域格差か
ああ、おいしい甘い物が食べたいわあ

というわけで「鍵泥棒のメソッド」、今月はこれで

2012年9月29日土曜日

セルビアン・フィルム (2010/セルビア)

監督:スルジャン・スパソイェヴィッチ
出演:スルジャン・トドロヴィッチ / セルゲイ・トリフノヴィッチ / イェレナ・ガヴリロヴィッチ

引退して家族と暮らすポルノ男優のもとにかつての共演者から仕事の話がくる
あまりに契約金が巨額であることから怪しむが、金に困っている現状もあって依頼の映画に出演することになり…

なにやらヤバイ感じの映画がある、というわけで本作を鑑賞
思ったようなヤバさを前面にだした作品じゃなく、「ただのエログロじゃねえし。これが俺の映画だぜ」みたいな作り手オナニーっぽい感じかな
良く言えば作品テーマはおいといて、あくまで作りたいものをマジメに撮ってる…みたいなね

金のために舞い込んできたポルノ映画で男優として復帰する主人公ミロシュ
芸術的なポルノ映画を撮るためと、なにやら怪しげなシチュエーションでばかり撮影をするヴィクミル
ミロシュは自身の家族を大事にしたいこともあり、そんな仕事に徐々に嫌気がさしてくる
そんな流れで前半はちょっと怪しいちょいエロな作風ですね
重圧的な音楽や暗い画で怪しさ演出はいきてますが、しょうじき何かすごいことが起こることもなく前半は終わります
で、ミロシュとヴィクミルと犠牲者うんぬんの話をはじめて一本のフィルムを観る場面、ここからいよいよ本編の始まり、といった感じ

そうはいってもけっきょくのところ、そんなにすごいゴア描写があるわけでなく、陰鬱で胸くそ悪いシーンのみ印象に残る
狂気に堕ちた時の表情の豹変っぷりも、今ではそう珍しい描写じゃない
なにより「うわ、本物か?こいつ」みたいな鬼気迫る狂気演技を感じられないかなあ

伏線の回収、劇中での台詞に含むもの、ホントにマジメに丁寧に作ってる姿勢は伝わってきます
だからといって、出来上がったものが個人的におもしろいとは限らない、そんな一本でした

個人的評価:60点
オススメ度:みんな犠牲者だった




セルビアン・フィルム 予告


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2012年9月28日金曜日

ボーン・アルティメイタム (2007/米)

監督:ポール・グリーングラス
出演:マット・デイモン / ジュリア・スタイルズ / デヴィッド・ストラザーン / スコット・グレン / パディ・コンシダイン / アルバート・フィニー / ジョーン・アレン / ジョーイ・アンサー / エドガー・ラミレス / コリン・スティントン / ダニエル・ブリュール / コーリー・ジョンソン / トム・ギャロップ / スコット・アドキンス


CIA内通者によりある新聞記者に「トレッドストーン」関連の情報が漏れる
一方、自身の記憶を取り戻そうと奔走するボーンはその記者とコンタクトをとり「ブラックブライアー」作戦という謎の計画名を知る

レガシー前にボーン旧三部作を観ておこうってわけで、いよいよラストです
今作はかなり前作と密接な関係な作りになってましたね
前作のラストとそうつながるのか、ちょっとおもしろかった
ボーン自身もシリーズを重ねるごとに無敵っぷりが加速する、というありがちな描写ではなく、ちゃんと敵に出し抜かれる部分を描いてくれたのはよかった
アクション部分も申し分ないし、持続する緊張感も楽しめたんですが、なんというかいまいちパッとしない印象を受けるのは気のせい・・・かな

自身の記憶を取り戻そうと動き回るボーン
CIA内部からトレッドストーン関連の情報が新聞記者にもれ、この記者にボーンが接触
このことを機に掃除屋と呼ばれる者たちを使い、本格的にボーン抹殺の命がくだされる、というお話
敵をかわし、利用し、殺しながらも情報を得ていき、自分の記憶を取り戻していくボーンの謎とアクションを楽しむ・・・そんな作品ですが、しょうじきストーリーは弱い
掃除屋との戦いやCIA各員とのだましあい、というか先手のとりあいはかなり面白い
むしろそんな部分だけを楽しむ作品とみても十分に楽しめますね

全体的に「みなまで言わないけど分かるでしょ?」みたいな感じで描かれていて、おそらく膨大にあるだろう裏設定を妄想しながら観れる人ならかなり良作という評価になるかもしれません
逆に言えば画面に映るものだけをすべてと観る人にとっては「よく分からんわー」となるかも
あとはこれだけのシリーズとして作ってきたにしては、じゃっかんボーンの過去についての真相が弱くないかなあ
単作でこのオチなら納得もできるけど劇場三作品分を受けてのオチって感じじゃない気がする

それでもアクション部分がかなり力入ってるので、観てる間は細かいストーリーのあれこれは気にならないかも
前作もそうだったけど、このスタッフのカーアクションに対する情熱は異常だろ
というわけで、ボーン三部作鑑賞終了
たぶんレガシーからまた三部作にするんだろうから、そっちも期待ですね

個人的評価:80点
オススメ度:さすがにボーンさん頑丈すぎだろ






ボーン・アルティメイタム 予告



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2012年9月26日水曜日

ボーン・スプレマシー (2004/米・独)

監督:ポール・グリーングラス
出演:マット・デイモン / フランカ・ポテンテ / ブライアン・コックス / ジュリア・スタイルズ / カール・アーバン / ガブリエル・マン / ジョーン・アレン / マートン・ソーカス / トム・ギャロップ / ジョン・ベッドフォード・ロイド / イーサン・サンドラー / ミシェル・モナハン / カレル・ローデン / トマス・アラーナ / オクサナ・アキンシナ


CIAの特殊工作員でありながら記憶を失い、組織を抜けて逃亡生活の中でマリーとの一時の幸せな暮らしを送るジェイソン・ボーン
過去の任務のフラッシュバックに悩まされるある日、インドで暮らしていたふたりのもとにボーンのことをかぎまわる謎の男が現れ…

レガシー前にシリーズを観ておこう…と、かなりまえにアイデンティティを観たものの、結局この2作目にいたるのに間が開いてしまいました
気づけばレガシーも公開直前、「こりゃやべえぜ」っていきおいで鑑賞
とりあえず感じるのはアクションとドラマのバランスの良さ
2作目にしてなにこの安定感ってくらいにどっしりとした印象がしますね
なによりジェイソン・ボーンというキャラがホントによく描けてる作品だと思いました

CIAはドイツで巨額の予算を投じた極秘任務を展開してたけど、それは乱入したひとりの男により妨害され失敗してしまう
その男の足取りを追ううちに「トレッドストーン」にたどり着き、やがてその男とはジェイソン・ボーンだということが判明する
しかし、一方でボーン本人はインドで愛妻と暮らしており、そこへ命を狙う刺客が現れる
という序盤の展開から、なにやら複雑なストーリーそうで把握するのがめんどくさそうだな、と思ったのも杞憂にすぎない
観ているとすぐにけっこう単純な話だということが分かります

単純な話なんだけどアクションシーンと話を前に進める展開のドラマ部分のバランスがかなり絶妙に調節されていて、ホントに観てるこっちの興味をひくシーンの連続
静と動のメリハリがきちんとしてるってだけで、多少ストーリーがシンプルでもしっかりとした作品として完成されます
アクションシーンもスタイリッシュすぎないことで、変な嫌みがなくていい

ラストバトルが終わったあとのエピローグ的なシーン展開も小粋です
アクション映画なんだからアクションだけしときゃいい、ということだけじゃなく、ちゃんと作品としてボーンを描こうとする姿勢はいいですよね
ただ全体的にそつなくまとめられてる印象は良い方向へとらえられるんですが、それゆえにほんのちょっとだけつくりがマジメすぎてつまらない点も否めない
ボーンのお茶目な部分とか、作品として思いっきり息抜きをさせてくれる「あえて無駄な」部分があれば個人的には完璧だったかもしれません

個人的評価:85点
オススメ度:トラブルがボーンを放っておかない




ボーン・スプレマシー 予告


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2012年9月25日火曜日

バイオハザードV リトリビューション (2012/米・カナダ・独)

監督:ポール・W・S・アンダーソン
出演:ミラ・ジョヴォヴィッチ / シェンナ・ギロリー / リー・ビンビン / ミシェル・ロドリゲス / アリアーナ・エンジニア / ケビン・デュランド / ヨハン・アーブ / ショーン・ロバーツ / 中島美嘉

アンブレラの部隊に襲われ囚われの身となったアリス
アンブレラの施設で監禁拷問の日々を送る中、突然のシステムトラブルでセキュリティが解除され、アリスはこれを機に脱出をはかるのだった

本当にどうしたんだ、ってくらいにバランスが悪すぎる
確かに「バイオハザード」という映画に期待するのはゾンビやクリーチャーを相手に、なんかSFチックな舞台&武器でスタイリッシュにバトルするってものだけどさあ・・・
さすがに最初から最後までずっとバトルしてるだけって内容は思い切りよすぎだろう
「アリスさん捕まりました、よし脱出しよう」話としてはもうストーリーと呼べるかどうかわからない、ただそれだけだし、ね

ゲームのファン待望のエイダとレオンが満を持して登場、のはずがホントにただ「出てきた」ってだけじゃないか?これ
特に日本ではそれなりな人気だろうレオンさんの脇役っぷりが空気レベル
というかむしろバリーさんの方が目立ってるわ
そんな新キャラたちより今作では旧キャラの方に重きをおいてるみたいですね
なんとなく最終決戦前に歴代映画版バイオハザードほぼオールスター大集結バトル・・・みたいなお祭り作品を目指してたのかなあ

とりあえず最初はおもしろいんですよ
ああ、バカなB級バトルやってるわあ、って感じで楽しめる
でもすぐに飽きる
画面上は派手なアクションが展開してるんだけど、なんというか面白味がないんですよね
どっかで観たことあるゲームのムービーシーンを延々見せられてる印象
まあ、とにかく今作は完全に次作へのつなぎでしかないのは確かでしょう

最後に完結編となるVIは来年の春公開だよ!的なVが前編だったみたいなノリでくる、と思ってた時期もあったけどそれもなし
次作はまた何年か後で、しかもまだまだ引き延ばす気まんまんなのかなあ・・・と脱力した一本でした

個人的評価:55点
オススメ度:前作で操ってる胸の装置は意外に簡単に取れるって気づいてたでしょうが



バイオハザードV リトリビューション 予告

2012年9月23日日曜日

鍵泥棒のメソッド (2012/日)

監督:内田けんじ
出演:堺雅人 / 香川照之 / 広末涼子 / 荒川良々 / 森口瑤子 / 小野武彦 / 小山田サユリ / 木野花 / 内田慈 / 大谷亮介 / 三上市朗 / 林和義 / ウダタカキ

2012年9月20日木曜日

ALWAYS 三丁目の夕日’64 (2012/日)

監督:山崎貴
出演:吉岡秀隆 / 堤真一 / 小雪 / 堀北真希 / もたいまさこ / 三浦友和 / 薬師丸ひろ子 / 須賀健太 / 飯田基祐 / ピエール瀧 / 染谷将太 / 正司照枝 / 蛭子能収 / 神戸浩 / 温水洋一 / マギー / 小清水一揮 / 森山未來 / 大森南朋 / 高畑淳子 / 米倉斉加年






東京オリンピックを目前にひかえた夕日町
鈴木オートでは六子の密かな恋が芽生え、そして茶川家では思わぬライバル作家の登場に苦悩していた

一作目を観て、どうにも肌に合わないと二作目はスルーしたんですが、たまたまDVDを職場の同僚から借りたので鑑賞しました
うん、なんだ、特に二作目を観てないからって置いてけぼり感はないかな
一作目からの時間の経過を脳内で補完してやれば、増えたキャラも成長したキャラもうすんなり受け入れられますね
内容もかなり安定した作りになっていて、万人受けする平均的なおもしろさなデキになってる感じ

六子を田舎の親御さんから預かり実の娘のように雇い育ててきた鈴木オートの旦那
幼い子供を無理矢理おしつけられながらも、なんだかんだ養い続けてきた茶川
そんな二組の疑似家族の日常とトラブルをおもしろ可笑しく、しんみりと描いていく…作風としては一作目となんら変わってないんですが、CGの自然さは向上してるしドラマとしてもかなり安定したおもしろさになってます
奇をてらわず、それでいてちょっとしたひねりもあり、物語のテンポも遅すぎず早すぎず、サブエピソードまで丁寧に作ってある印象

まあ、それでも「デキの良い連ドラ」という感じは否めない
寅さんみたいに毎年の顔として連続映画シリーズするならともかく、こう間隔をあけてシリーズ化するならもっと映画映画してるものが観たいと思わざるえない
今作のシリアスに陥りすぎないコミカルなノリは個人的に好みなんで、この要領で毎年新作を公開するか、普通にTVドラマ(スペシャル枠でもいいけど)で作ってくれないものかなあ
CGとかそこら辺はしょぼくてもいいから

そんなわけで一作目の微妙感が頭の片隅に嫌な印象として残ってたんですが、良い意味で普通におもしろかった一本でした
けっこう個人的に笑えるシーンもあったし、飽きずに最後まで観られました
まあ、3Dである必要性は、うーん?と疑問を持たざるえないですが

個人的評価:75点
オススメ度:映画界のらくらくホンや




ALWAYS 三丁目の夕日’64 予告


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2012年9月18日火曜日

夢売るふたり (2012/日)

監督:西川美和
出演:松たか子 / 阿部サダヲ / 田中麗奈 / 鈴木砂羽 / 安藤玉恵 / 江原由夏 / 木村多江 / やべきょうすけ / 倉科カナ / 大堀こういち / 伊勢谷友介 / 古舘寛治 / 小林勝也 / 香川照之 / 笑福亭鶴瓶







小料理屋を営んでいたが火災で店を失った貫也と里子の夫婦
なんとか再起のためにお金を稼ぐふたりだったが、夫の貫也は出来心で浮気してしまい・・・

うーん、なんだろ
はっきり言ってこの映画の内容を理解できてないモヤモヤ感がすごいのだけは確か
役者さんたちの演技に引き込まれるし、まったく退屈せずに観れるんだけど、ホントに内容がよ分からない
というか里子のことがまったく分からない
たぶんそんな里子のことを分かる人が観ればそうとうおもしろい作品だと思えるんじゃないでしょうか

夫の浮気でなんかスイッチ入っちゃった里子が筋書きを書き、夫の貫也が女性に甘い夢をみさせて結婚詐欺を働き金を拝借するっていう話
夢に飢えた女性とおっかなびっくり詐欺を働く貫也、そのバックに怪しく立つ里子・・・コメディって感じでもないし、かといってどろっどろのサスペンスでもない
やってることはこの上なく非道なんだけど、だんだん小手先じゃなく真剣に「夢を売る」貫也の姿がなんか単純に悪い奴に見えなくなってくる

たぶん貫也と里子の対比みたいのと、「夢を売る」という「売る」行為の果てみたいのを描きたかったんかもしれんけど、なんかそんなシンプルな話でもない気がしないでもない
ホントに個人的にまったくといっていいほど里子というキャラをとらえきれず、結果として理解できずにラストを迎えちゃったのがアレかもしれません
里子が絡んでくる「このシーンにはなんか意味があるんだろうな」という感じがするところがいくつかあるんですが、そのことごとくを理解できなかった私の人生経験値が少なすぎるのが原因なんでしょう

単純に結婚詐欺のお話って点ではじゅうぶんに楽しめたんで、つまらないという印象はないんですがもろ手をあげて(あくまで個人的に)面白かったともいえない一本でした
人生経験豊富なおばさまやおじさま方ならこの作品のよさを分かる・・・のかな
なんか微妙に悔しいから「このシーンの意味はこうだ」とかいう情報はネットでは調べないですけどね

個人的評価:70点
オススメ度:リアルク○ガキやめろ




夢売るふたり 予告

2012年9月15日土曜日

誘拐ラプソディー (2009/日)

監督:榊英雄
出演:高橋克典 / 林遼威 / 船越英一郎 / YOU / 哀川翔 / 菅田俊 / 榊英雄 / 木下ほうか / 笹野高史 / 品川徹 / 角替和枝 / 寺島進 / ベンガル / 美保純 / 山本浩司 / 日向丈 / 渡来敏之







職無し、家無し、お金無し、あるのは借金ばかりでいよいよ人生に見切りをつけようと思い悩む男
そんな彼がひょんなことから金持ち家出少年を誘拐することになり…

でた、ザ・普通
良くも悪くもない、毒にも薬にもならない空気っぷり
肯定的に表現するなら手堅くそつなくマジメにまとめあげた極ライトコメディといった感じ
しょうじきTVドラマレベルのライトさで、映画としては重厚感不足は否めない
とりあえずもうひと味、あとちょっと足りないという印象が強いですね

人生に見切りをつけて自殺しようとしてた主人公が出会った少年
少年は金持ちのぼんぼんで、自称家出中
こりゃあチャンスと家出を手伝う建前で誘拐を計画する主人公
だけど誘拐した相手は暴力団の会長の愛する一人息子だった…
ね、もうこのあらすじだけでじゃっかん「あ、分かった分かった。もういいや」という気になるでしょう
果たして特にこれといった変わった展開もなく、普通に軟着陸して終了するからどうにも、ね

とりあえず、個人的に主人公が高橋克典だってパッと見では気づきませんでした
演技が妙にナチュラルになったというか、丸くなったというか、俳優オーラがなくなったというか…
まあ、それはいいとして、この主人公の設定がどうにもなじまない
運がとことん悪くて不可抗力の中で誘拐犯に仕立て上げられちゃった巻き込まれ型でもなく、根っからの悪人で冷徹な性格だけど子供の扱いにてんやわんや型でもなく、中途半端に悪人なんですよね
普通に迷うことなく誘拐を実行するくせに妙に人情的なとこもあって、そうかと思えば当たり前のように他人の車を盗むし…こういうシンプルな話の作品なら、もっと主人公もシンプルなキャラクタにしてもいいんじゃないですかね

斉藤工務店の社長とのトラブルももっと掘り下げるかと思いきや、なんか放置だし
暴力団、警察を巻き込んで大騒ぎのクライマックスか?と思いきや、スルっと終わっちゃうし
この作品としてのウリみたいな「他の作品とはここが違う」って点がないのはどうかと思うわけで
つまらないわけじゃないけど、別段すんごいおもしろくもない、そんな普通の一本でした

個人的評価:65点
オススメ度:それはそれとして、これだけコケにされた暴力団が大人しく黙っているとは思えない




誘拐ラプソディー 予告


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2012年9月13日木曜日

バイオハザードIV アフターライフ (2010/米・英・独)

監督:ポール・W・S・アンダーソン
出演:ミラ・ジョヴォヴィッチ / キム・コーツ / アリ・ラーター / セルジオ・パリ・メンチェータ / ショーン・ロバーツ / スペンサー・ロック / ボリス・コジョー / ウェントワース・ミラー / ケイシー・バーンフィールド / ノーマン・ヤン / レイ・オルボウォール / フルヴィオ・チェチェーレ / シェンナ・ギロリー / 中島美嘉






クローンたちと東京のアンブレラ地下施設へ乗り込むアリス
この戦いを終え、感染者のいないアラスカのアルカディアへ行くために

前作で強力な超能力まで習得した主人公とか、ただでさえ身体能力高いのにさらにパワーアップしてどうするよ?というポイントを早々に「なかったこと」に
うん、まあ、いっきに普通の人間になるとか設定的にはいいんだろうけど…とりあえず「おまえ、どうやって飛行機から無事に脱出したんだよ」という引っかかりが気になって仕方ない
流れ的に「実はもともと主人公はなるべくして特別な肉体になったんだよ」という点を解説してくれる、エピソード0みたいなストーリーをやるかと思ってたんですが、普通に続編のお話でしたね

とりあえず前作の仲間が向かったアラスカに行ってみたものの、そこは噂通りの場所じゃなくって、けっきょくクレアとだけ合流できたアリスさんが飛行機でアメリカ大陸を渡っていると、という感じの内容
難しいことをぬきにして、とにかく魅せるアクションだけに特化した見事に中身スカスカな作品
だけど中途半端にストーリーに力を入れてダメになるよりは、頭からっぽで楽しめるこういう内容の方がマシかもしれません

良くも悪くも3D作品で、随所に3Dゆえの演出を取り入れている
きちんとした環境で3Dとして観ればいいのかもしれませんが、たいがいの人は通常2D鑑賞だとおもうわけで
2D鑑賞だとどうしても3Dを強く意識してる演出のシーンにけっこうな違和感をおぼえるわけで
さらに3D部分に制作意識がいきすぎていて、中盤以降かなり「魅せる」だけの軽すぎる作風になっちゃってるかなあ
脚本的に盛り上がることなく淡々と話が進む印象

これに続くVは3Dと映画としての基幹のバランスがとれた良作になってることを祈るばかりです

個人的評価:70点
オススメ度:アンブレラの実験って、もうどうにもできなくてヤケになってないか?




バイオハザードIV アフターライフ 予告


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2012年9月11日火曜日

デンジャラス・ラン (2012/米)

監督:ダニエル・エスピノーサ
出演:デンゼル・ワシントン / ライアン・レイノルズ / ヴェラ・ファーミガ / ブレンダン・グリーソン / サム・シェパード / ルベン・ブラデス / ノラ・アルヌゼデル / ロバート・パトリック / リーアム・カニンガム







CIAの隠れ家を管理するマット
そんな彼のところに尋問を受けるために元CIAの大物裏切り者であるトビンが連行されてきて、同時に謎の武装集団の襲撃を受ける

CIAに属しながら、その仕事は隠れ家であるセーフハウスの管理っつー設定の主人公その1
元CIAでありながら情報を各所に売っている裏切り者の主人公その2
事務職と現場職、というとちょっと違うけど、ようするに経験の浅い若造と経験豊富な凄腕のでこぼこコンビものですね
コンビっていうのもまたちょっと違う感じはするけど、まあ、だいたいそんな感じのよくあるサスペンスアクションですわ

何かすごい情報を持ち、尋常じゃない重武装な相手に命をねらわれるトビンさん
そんなデンジャラスな客人を実戦経験のないっぽいマットがただ一人で敵から護衛する羽目になる、というお話
場所を変え、シチュエーションを変え、とにかく追われて撃たれて殴られて蹴られて、撃ち返して殴り返して蹴り返して味方の増援がくるまで奮闘するわけで
そうこうしているうちに状況はどんどん悪化していき、同時にトビンさんの関わっていることが明らかになっていき、マットは巻き込まれまくり

とりあえずどのシーンも「なんかどっかで観たよな」という映画のワンシーンの連続で、あまり新鮮味がない
んでもって、この作品ゆえのって感じの「ここがすげえ」という点もない
トビンさんがなんか人の心を掌握するエキスパートらしいんだけど、まったく生かされてない
アクションシーンもカメラを揺らして臨場感を演出すりゃいいってバカのひとつ覚えがみえみえで、かえってなにやってるかよく分からんだけの決め手のないものに

それでもトビンさん、マットともに安易に仲良しごっこせず、それぞれがそれぞれの信念みたいのを貫く描き方はよかった
よかった・・・のに、最後はみょうにヌルくなっちゃったのは残念だなあ
とりあえずデンゼルさんの演技はさすがって感じで、そこだけは観る価値はありますね
特にトビンさんの最後の表情には「ぞわわ」っとくるものがあります
うん、人生ではじめて使ったな「ぞわわ」

そんな感じですっげえつまらないってわけでもないけど、面白くない
ただ言えるのは派手なアクションしてるのに妙に退屈な作品ってことですね

個人的評価:65点
オススメ度:悪者が悪顔すぎて分かりやすすぎるだろ




デンジャラス・ラン 予告

2012年9月9日日曜日

莫逆家族 (2012/日)

監督:熊切和嘉
出演:徳井義実 / 林遣都 / 阿部サダヲ / 玉山鉄二 / 中村達也 / 新井浩文 / 小林正寛 / 野中隆光 / 伊藤明賢 / 勝矢 / 石田法嗣 / 山下リオ / ちすん / 河井青葉 / 大悟 / 井浦新/ 大森南朋 / 北村一輝 / 村上淳 / 倍賞美津子







元暴走族総会長の火野鉄は、今や妻と一人息子の家族を持ち建設作業員としてくすぶる日々を過ごしている
ある日、かつての仲間の娘が暴行される事件をきっかけに鉄は今の自分のふがいなさ、みじめさを痛感するのだった

かつて大騒ぎしてた不良どもが、現実のあれこれにのまれておっさんになった今、そのことに違和感は感じつつもくすぶって生きている
んな愛すべきバカどもが昔の自分を取り戻しバイオレンスに暴れ回る中年不良もの…っていう単純な噺家と思ってたんですが、実際にはもうちょい複雑な話でした
どうしようもできないものはどうにもならない、そういうものが根底にあるためいくら昔を取り戻してみても、それでもなお小さな引っかかりみたいな違和感は消えない感じはおもしろい
まあ、しょうじきもうちょいシンプルな不良ものとして描いてもよかったかもしれんけど

くすぶっていた生活から抜け出した主人公が仲間を守るべき家族として戦い、時にみんなをおさえてまとめあげていくお話
そんな中で過去の因縁ある人物が現れ、まとまりかけた家族たちも徐々に亀裂が見え隠れし始める、みたいな「家族」という要素をメインに描いた作品ですね
暖かく強い絆で結ばれた「家族」…だけどこの世で一番やっかいな存在が「身内」であることも事実
そう単純じゃない「家族」の重みに主人公はなんともいえない別格のもやもやを募らせていって…みたいな
中盤、甘ったるいことを言い始めた主人公は「うーん?」という感じでおもしろみがなかったけど、クライマックスにかけての爆発で気にならなくなりましたね

でもこの物語の重要な要素になる主人公たちの過去のストーリーが、ちょっと軽く描かれ過ぎてる気がしないでもない
もっと過去話に時間を割いてもよかったんじゃないのかな、と
「この人は重要人物ですよー」「この出来事も重要ですからねー」と必要最低限のダイジェストっぽく過去が描かれていて、後の話的に意図するところはわからんでもないけど「重み」がちょい足りないかな…と思う点もちらほら
過去の因縁、過去の絆をからめてもっとバランス良く描くこともできたと思うんですよ
「このふたりにはすごい絆(因縁)がある」と頭では分かるけど感情に訴えてこない

全体的に雑でごちゃごちゃしてる作りだけど、意欲的なものは強く感じ取れるんで不思議な魅力はあります
中途半端にキレイにまとめようとしてるラストはアレですが、なんだかんだ飽きることなく最後まで観られた一本でした

個人的評価:75点
オススメ度:ラスボスのキレっぷりはたまらない




莫逆家族 予告

2012年9月8日土曜日

バイオハザードIII (2007/米・英・独・豪・仏)

監督:ラッセル・マルケイ
出演:ミラ・ジョヴォヴィッチ / オデッド・フェール / アリ・ラーター / イアン・グレン / アシャンティ / クリストファー・イーガン / スペンサー・ロック / ジェイソン・オマラ / マイク・エップス / マシュー・マーズデン / リンデン・アシュビー / ジョー・ハースリー / ジョン・エリック・ベントリー / ジェームズ・タミニア / カーク・B・R・ウォラー / リック・クレイマー / マデリン・キャロル / ピーター・オメーアラ / ジェフ・ミード / ラモン・フランコ / シェーン・ウッドソン / ラスティ・ジョイナー




感染拡大阻止もむなしく地球全土に広がるT-ウィルスにより、土地は枯れ地上はゾンビであふれる
生存者は各地を常に旅して暮らし、アリスもアンブレラの目を逃れつつ旅を続けていた

新章突入、シリーズの物語としてもいよいよ核となる部分が動き出す、もっとシンプルに言うと今後の展開のための助走みたいな「つなぎの作品」といった感じ
起承転結の「転」の部分だけを抜き出して一本作ったみたいな
もしくは荒廃した世界観を描きたかっただけ
ようするにひとつの映画作品としてはえらい中途半端

世界は荒廃し、文明は原始レベルまで後退した
アリスはこの世界にとって非常に重要な存在です
アンブレラの黒幕が顔を出してきました
以上、それだけ
2よりさらにストーリー性を薄め、アクションも控えめにしたエコ仕様
アクションシーンは盛り上がるんだけど、その他のシーンが壊滅的に退屈すぎる
特に序盤のつかみがガッカリなため、どうにもイヤーなテンションそのままにラストをむかえてしまう

対ゾンビ犬、ゾンビカラスのシーンはホントに盛り上がるだけに、なんでもっとこう色物ゾンビ系で攻めてこなかったのかなあ
さすがにもう普通の人型ゾンビとのバトルはまんねり化してると思う
あと全世界的に荒廃したというスケールの大きい設定に、それを描くだけの力量がともなってない感もありますね
というか、2と3の間の話である小説版があるみたいだけど、なぜそれをこの作品に盛り込まなかったのかと
うーん、ちょっとシリーズに対する期待値が下がっちゃった一本でした

個人的評価:55点
オススメ度:バイオにも能力者バトルの波が…




バイオハザードIII 予告


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2012年9月6日木曜日

バイオハザードII アポカリプス (2004/独・仏・英)

監督:アレクサンダー・ウィット
出演:ミラ・ジョヴォヴィッチ / シェンナ・ギロリー / オデッド・フェール / ソフィー・ヴァヴァサー / ジャレッド・ハリス / トーマス・クレッチマン / ラズ・アドティ / マイク・エップス / サンドリーヌ・ホルト / マシュー・G・テイラー / ザック・ウォード / イアン・グレン






バイオハザードのおきたアンブレラ社の地下秘密研究所から生還したアリス
しかしアンブレラにとらわれの身となり、目覚めて外に出てみると街はウイルスに汚染されてゾンビであふれていた

これこれ、このシリーズを観る前に想像してた「バイオハザード」という映画の内容がまさにこれですわ
無駄にスタイリッシュにとにかく派手にゾンビをぶちのめしたり、ぶちのめされたり
そして見事に描かれるB級テイスト…ストーリー?つじつま?んなもんはどーでもいいんだよ、とにかく銃ぶっぱなして殴って蹴ってバトれればそれでいいんだよ、というスタンスは嫌いじゃない
制作側もB級映画ってものをきちんと分かっていて、内容的にはホントに予算が潤沢な中で作られたB級ゾンビ映画でしかない
素材にこだわり抜いて作られたインスタントラーメン、そんな感じ

なんかあっさり地上の街中に漏れてしまったウイルスにより、人々は次々にゾンビ化してしまう
街は完全に壁により隔離され、逃げ場を失った生存者たち
そんな状況下、アンブレラは次なる実験のために変異体であるネメシスを投入してくる
まあ、ストーリーはそんな感じだけど、ようするに街にあふれたゾンビ&クリーチャーに一般人は殺されまくって、主人公たちは犠牲をだしながらぶちのめし続けるってだけのアクション映画
前作で世界観やら設定やらは説明終えたってふうに、今作ではとことんバトルがメイン

主人公たち即席チームの面々とか、ピンチに都合良く派手に現れる主人公とか、脇役の見せ場は死亡フラグとか、おもしろ黒人とか、ホントに根っこの部分はB級ゾンビ映画だわな
ストーリーの謎的なものも、続編作る気まんまんな中、後の人のために後々どうとでもできる濁し方だしね
そういう意味ではちゃんとした大作サバイバルホラーを期待してるとアレかもしれんね
結局は最後の敵は人間だったりとか、ネメシスさんとガチバトルとか、ジルの存在感の薄さとか、B級としてのみどころは満載な一本でした

個人的評価:75点
オススメ度:2作目にしてやっと主人公の名前が判明




バイオハザードII アポカリプス 予告


バイオハザードII アポカリプス スペシャル・エディション(2枚組) [DVD]
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント (2007-10-03)
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2012年9月4日火曜日

あなたへ (2012/日)

監督:降旗康男
出演:高倉健 / 田中裕子 / 佐藤浩市 / 草なぎ剛 / 余貴美子 / 綾瀬はるか / 三浦貴大 / 大滝秀治 / 長塚京三 / 原田美枝子 / 浅野忠信 / ビートたけし








富山刑務所に勤務する倉島英二は愛する妻を亡くし、子供もおらず独り身の日々を送っていた
ある日、彼はNPO団体から妻の遺言と称した手紙を受け取り、その内容に従って亡き妻の故郷へと長い旅路にでる

妻に先立たれた老夫が慣れない旅路につき、その道中で様々な人と交流しながらうんぬん・・・映画として狙いどころがハッキリしすぎていて、観る前から「だいたいこんな作品でしょ」というイメージはできてしまう
ネタとしてはホントによくある「色々と見つめ直す」系な内容なんですが、見せ方がうまい
くどくどと説教臭くもなく、押し付けがましい感動もない、ただそこに描かれた画がすべてっていう制作側の自信に満ちてる感じがします

旅するうちにいろんな人と出会い、また亡き妻との思い出がよみがえる
いつからか止まっていた自分の時間を痛感しつつ、旅路の先にあるものをつかんでいく感じの作品
うーん、ホントに内容を説明すると「ありきたり」感がハンパないですね
でもとにかく観てておもしろいんだ、これが
二通目の手紙開封するシーンとか何気なさすぎるのに、個人的にものすごい心にくるものがある
まあ、とりあえず健さんが芝居するだけで見応え十分ってのもあるけど、夫婦としての思い出の描写が良い雰囲気すぎる

ちょっとした訳ありな晩婚だった倉島夫妻の、その時々のお互いの距離間が微妙に表現された演技がすばらしい
出会った当初、結婚直前、結婚後しばらく経って、妻が亡くなる直前の生活、入院中のふたり・・・そのシーンに合わせた演技が微笑ましい
しょうじき大人のファンタジーな結婚生活なんだろうけど、夢ある映画、銀幕のスターが出演する大人の娯楽映画という点ではかなりよくできてる気がします
とりあえず名作の感触はある、といっても過言じゃないかもしれません

それでも、というかそれゆえに某ジャニーズと某吉本の存在が浮きすぎて作品をちょっと壊してるかなあ、と
現代の映像作品においてこの二大勢力は押さえておかなくてはいけないポイントなのかもしれませんが、どうもキャラ的に違和感がすさまじいわあ
と、あんまり言ってると敵を作りそうなんでアレですが、あくまでこれは”個人的な”感想ということで、大人的にずるく逃げておきます

そんな感じで秋のさわやか涼しくなりつつ今、こういう映画をまったり楽しむのが一番の贅沢かも、と思える一本でした

個人的評価:90点
おすすめ度:雀と鳩、もしくは保険金詐欺の物語




あなたへ 予告

2012年9月2日日曜日

闇金ウシジマくん (2012/日)

監督:山口雅俊
出演:山田孝之 / 大島優子 / 林遣都 / 崎本大海 / やべきょうすけ / 片瀬那奈 / 岡田義徳 / ムロツヨシ / 鈴之助 / 金田明夫 / 希崎ジェシカ / 内田春菊 / 市原隼人 / 黒沢あすか / 新井浩文







イベントサークルの代表をやる純は金と人脈を集めてのし上がることを夢見ていた
アクシデントも重なり次のイベントのための資金繰りに万策尽きた純は、闇金業者である丑嶋のもとを訪れ・・・

いやあ、もっとなんというかヌルイ展開の作品かと思ってたら、けっこうダークで楽しめましたね
結局はウシジマくんとかダークヒーロー的ポジションで、借金背負ってる連中も色々と危険な展開はあっても、最終的には高い授業料程度の痛い目にあってちゃんちゃん・・・みたいなノリだろってイメージだったんですが
個人的に原作もドラマ版も知らないで観たけど、これは声を大きくして「面白い!」というと人として変な目で見られるかもしれないけど、最後まで退屈することなく楽しめましたわ

がむしゃらに金を集める純、丑嶋をも一杯食わせてやったと思いきや、金が集まるところには悪い虫も集まる
その金額が大きくなればなるほど極悪な虫たちに目を付けられるのは必定で・・・というお話
一方で同じく母親の借金に苦しむ少女ミコのエピソードも進行させることで純との対比がよく描けてますね
完全に自分を見失って暴走状態の純、ギリギリのラインで皮一枚のところで自分を貫くミコ、ふたりのエピソードのコントラストがいい感じ
しょうじきラストのあたりまでミコの話とかいらないんじゃねえの?と感じてたんですが、最後まで観終わってみるとバランスよくできていて必要な話だったとわかりました

ただちょっとラストバトルの決着の付き方は、なんともあっけなさすぎかなあ
純の周りに極悪人どもが集結してきて「おお!これからでっかい花火が打ち上がるかあ!?」とテンション上がってたのに、「へ?これで決着?」みたいな
丑嶋は常に冷徹であって、そういうキャラだって分かっちゃいるけど、そこはクライマックスの空気をよんでもうちょいはっちゃけ演出があってもよかったかなあ、と

闇金業者、警察、闇金から金を借りるクズ、弱者から搾取するクズ、それぞれがそれぞれを一貫していてブレない描き方は良い
ユルくない、ヌルくない、だけど後味の悪さと嫌悪感しか残らないわけじゃない、なかなかに手堅くバランスよく作られてる感じがした一本でした

個人的評価:90点
おすすめ度:劇場に小さい子供連れで観にきてた人いたけど、大丈夫か?いろんな意味で




闇金ウシジマくん 予告