監督:熊切和嘉
出演:徳井義実 / 林遣都 / 阿部サダヲ / 玉山鉄二 / 中村達也 / 新井浩文 / 小林正寛 / 野中隆光 / 伊藤明賢 / 勝矢 / 石田法嗣 / 山下リオ / ちすん / 河井青葉 / 大悟 / 井浦新/ 大森南朋 / 北村一輝 / 村上淳 / 倍賞美津子
元暴走族総会長の火野鉄は、今や妻と一人息子の家族を持ち建設作業員としてくすぶる日々を過ごしている
ある日、かつての仲間の娘が暴行される事件をきっかけに鉄は今の自分のふがいなさ、みじめさを痛感するのだった
かつて大騒ぎしてた不良どもが、現実のあれこれにのまれておっさんになった今、そのことに違和感は感じつつもくすぶって生きている
んな愛すべきバカどもが昔の自分を取り戻しバイオレンスに暴れ回る中年不良もの…っていう単純な噺家と思ってたんですが、実際にはもうちょい複雑な話でした
どうしようもできないものはどうにもならない、そういうものが根底にあるためいくら昔を取り戻してみても、それでもなお小さな引っかかりみたいな違和感は消えない感じはおもしろい
まあ、しょうじきもうちょいシンプルな不良ものとして描いてもよかったかもしれんけど
くすぶっていた生活から抜け出した主人公が仲間を守るべき家族として戦い、時にみんなをおさえてまとめあげていくお話
そんな中で過去の因縁ある人物が現れ、まとまりかけた家族たちも徐々に亀裂が見え隠れし始める、みたいな「家族」という要素をメインに描いた作品ですね
暖かく強い絆で結ばれた「家族」…だけどこの世で一番やっかいな存在が「身内」であることも事実
そう単純じゃない「家族」の重みに主人公はなんともいえない別格のもやもやを募らせていって…みたいな
中盤、甘ったるいことを言い始めた主人公は「うーん?」という感じでおもしろみがなかったけど、クライマックスにかけての爆発で気にならなくなりましたね
でもこの物語の重要な要素になる主人公たちの過去のストーリーが、ちょっと軽く描かれ過ぎてる気がしないでもない
もっと過去話に時間を割いてもよかったんじゃないのかな、と
「この人は重要人物ですよー」「この出来事も重要ですからねー」と必要最低限のダイジェストっぽく過去が描かれていて、後の話的に意図するところはわからんでもないけど「重み」がちょい足りないかな…と思う点もちらほら
過去の因縁、過去の絆をからめてもっとバランス良く描くこともできたと思うんですよ
「このふたりにはすごい絆(因縁)がある」と頭では分かるけど感情に訴えてこない
全体的に雑でごちゃごちゃしてる作りだけど、意欲的なものは強く感じ取れるんで不思議な魅力はあります
中途半端にキレイにまとめようとしてるラストはアレですが、なんだかんだ飽きることなく最後まで観られた一本でした
個人的評価:75点
オススメ度:ラスボスのキレっぷりはたまらない
莫逆家族 予告
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