監督:降旗康男
出演:高倉健 / 田中裕子 / 佐藤浩市 / 草なぎ剛 / 余貴美子 / 綾瀬はるか / 三浦貴大 / 大滝秀治 / 長塚京三 / 原田美枝子 / 浅野忠信 / ビートたけし
富山刑務所に勤務する倉島英二は愛する妻を亡くし、子供もおらず独り身の日々を送っていた
ある日、彼はNPO団体から妻の遺言と称した手紙を受け取り、その内容に従って亡き妻の故郷へと長い旅路にでる
妻に先立たれた老夫が慣れない旅路につき、その道中で様々な人と交流しながらうんぬん・・・映画として狙いどころがハッキリしすぎていて、観る前から「だいたいこんな作品でしょ」というイメージはできてしまう
ネタとしてはホントによくある「色々と見つめ直す」系な内容なんですが、見せ方がうまい
くどくどと説教臭くもなく、押し付けがましい感動もない、ただそこに描かれた画がすべてっていう制作側の自信に満ちてる感じがします
旅するうちにいろんな人と出会い、また亡き妻との思い出がよみがえる
いつからか止まっていた自分の時間を痛感しつつ、旅路の先にあるものをつかんでいく感じの作品
うーん、ホントに内容を説明すると「ありきたり」感がハンパないですね
でもとにかく観てておもしろいんだ、これが
二通目の手紙開封するシーンとか何気なさすぎるのに、個人的にものすごい心にくるものがある
まあ、とりあえず健さんが芝居するだけで見応え十分ってのもあるけど、夫婦としての思い出の描写が良い雰囲気すぎる
ちょっとした訳ありな晩婚だった倉島夫妻の、その時々のお互いの距離間が微妙に表現された演技がすばらしい
出会った当初、結婚直前、結婚後しばらく経って、妻が亡くなる直前の生活、入院中のふたり・・・そのシーンに合わせた演技が微笑ましい
しょうじき大人のファンタジーな結婚生活なんだろうけど、夢ある映画、銀幕のスターが出演する大人の娯楽映画という点ではかなりよくできてる気がします
とりあえず名作の感触はある、といっても過言じゃないかもしれません
それでも、というかそれゆえに某ジャニーズと某吉本の存在が浮きすぎて作品をちょっと壊してるかなあ、と
現代の映像作品においてこの二大勢力は押さえておかなくてはいけないポイントなのかもしれませんが、どうもキャラ的に違和感がすさまじいわあ
と、あんまり言ってると敵を作りそうなんでアレですが、あくまでこれは”個人的な”感想ということで、大人的にずるく逃げておきます
そんな感じで秋のさわやか涼しくなりつつ今、こういう映画をまったり楽しむのが一番の贅沢かも、と思える一本でした
個人的評価:90点
おすすめ度:雀と鳩、もしくは保険金詐欺の物語
あなたへ 予告
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