2012年8月17日金曜日

魂を握り潰した男 (2011/日)

監督:前田万吉
出演:幸将司 / 三元雅芸 / 桂ゆめ / 野上智加 / 村野武範









世界チャンプを目指すボクサーの中川は妻とこれから生まれてくる子供のためにトレーニングに励んでいた
ある日、タイトルマッチが決まったという吉報をもらった夜、警備員のバイト中に中川は自殺者を助けようとしたものの道連れで共に死んでしまい…

元が舞台劇だということと、DVDに収録されているメイキングをみるかぎりホントに資金やらもろもろ0から作り出された作品
しょうじきかなり荒削りで「映画」としての画的なものは力不足で、しかも舞台くささが残った作りになってるんですが、どう説明していいかよく分からない不思議な魅力がありましたね
観終わったあと、なんともためらいがちながらも「おもしろい」と感じるストーリー
「映画を作る」という情熱というか信念というか、ぎこちないけどまっすぐな気持ちがぎっしりつまってます

死後、三途の灯台にて天国いきを言い渡される主人公だけど、困ったことに現世での記憶を失ってしまっている状態に
そのまま天国へ送ることもできないってんで灯台にとどまって記憶が戻るまで死者の魂を運ぶ仕事を手伝うことになる
そこへ自殺して主人公を道連れにしてしまった田上が現れ…みたいな流れ
天国いきだけど記憶のない中川と地獄いきが決定している田上のふたりのストーリーが同時に描かれていく…んですが、どうにも途中から田上の方の話のウエイトが大きくなりすぎてる感は否めない

中川が中心にいるはずなのに田上の存在が作品的に大きくなりすぎていて、ちょっとストーリー的にまとまりがたりないかな、と思えるのは残念ですね
思ったより暗く重たい話じゃなかったのと、主人公のボクサー時代、死後の世界、ブチ切れ状態での演技分けはきっちりできてて大きな見どころ
特にクライマックスのブチ切れ状態はかなり大味な描写ながら観ていておもしろい
それだけにもっと主人公の存在を大きく扱って欲しかったかな

いろいろとツッコミどころは多い作品だけど、ホントに不思議な魅力にあふれた「意欲作」という言葉が似合う一本でした

個人的評価:65点
オススメ度:意外とテレビドラマ化とかすればおもしろいんじゃなかろうか




魂を握り潰した男 予告


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