2016年2月28日日曜日

女が眠る時 (2016/日)

監督:ウェイン・ワン
出演:ビートたけし / 西島秀俊 / 忽那汐里 / 小山田サユリ / リリー・フランキー / 新井浩文 / 渡辺真起子

リゾートホテルへ休暇にきた清水夫妻
そこでふたりは気になる年の離れた男女を目にし・・・

なんか訳ありそうな年の離れた男と女、官能的な内容なのか、ふたりの秘密を紐解くサスペンス的な内容なのか、それとも・・・という感じ内容を手に取ることができない
そんなもどかしい時間が最初は楽しいんだけど、いい加減に作品の断片ばかりみせられて、結果的にそろったピースでぼやけたいくつかの画を想像させられる、というすっきりしなさだけが残った
これは個人的な能力が足りないゆえなんだろうけど、しょうじきこの映画を理解できたとは言い難い
のぞきのぞかれ、だましだまされ、なんか裏に男女の関係の絡んだ秘密があり、という雰囲気映画という印象までしか思い至れなかった

個人的評価:50点
オススメ度:ちゃんと理解できれば納得できる話、なのかな



女が眠る時 予告

珍遊記 (2016/日)

監督:山口雄大
出演:松山ケンイチ / 倉科カナ / 溝端淳平 / 田山涼成 / 笹野高史 / 温水洋一 / ピエール瀧 / 板尾創路 / 矢部太郎 / 今野浩喜 / おおかわら / アイアム野田 / 松尾諭

高僧、玄奘はジジイとババアの息子の暴力行為の相談を受ける
すさまじい妖力を宿す息子、山田太郎に対し玄奘は法力で対抗するのだが・・・

あの松山ケンイチが山田太郎役、という出オチ感たっぷりの印章が強い作品ですが、まあ、その通りでしたね
「地獄甲子園」「ババアゾーン」が好きな自分としては問題なく楽しめましたが、有名キャストにつられて「それなりなコメディ」と思って鑑賞するとギャフンとなるかも
基本は微妙に長い上にどうでもいいくだりの連続で、内容なんてものはない
それでいて大爆笑オンパレードなわけでもなく、チープで寒いギャグも盛りだくさん
ホントにクソB級映画といった感じで、そんなのを覚悟&楽しみに鑑賞した個人的には大満足ですが、ちょっとした好奇心ていどで観ると時間泥棒にあうでしょう
久々に大スクリーンでまぎれもないクソ映画をそれと分かって堪能できた、あくまで個人的に有意義なひとときでした

個人的評価:60点
オススメ度:画太郎キャラ再現度が高いようなそうでもないような微妙さだけが残念



珍遊記 予告

2016年2月22日月曜日

X-ミッション (2015/米)

監督:エリクソン・コア
出演:エドガー・ラミレス / ルーク・ブレイシー / レイ・ウィンストン / テリーサ・パーマー / デルロイ・リンドー

元XスポーツのアスリートであるジョニーはFBIに入る
アクロバティックな行動で強盗をはたらく犯人たちの事件の裏側に、彼はある目的を見いだし・・・

生身のスタントを駆使した迫力あるアクションを楽しむアトラクション的な映画、というだけな感じの作品でした
空に山にバイクやスノーボード、己の体だけで挑む姿に「これ、生身でやってるんだよな」ということが脳裏によぎるたびに凄さが伝わってくる
特に個人的にはバイクを使ったシーンが強く心に残り、映画だとわかってはいても「おう」と唸らざるえない
ストーリーはおまけていどで、自然に対する返礼を描いたり描かなかったり、主人公とライバル(相棒?)の関係とかあまり深みは感じられなかった
修練と称して自然に挑むアクションは十分すぎるほど堪能させてもらったけど、もっとスキルを駆使した犯罪描写でドンパチ要素があった方が盛り上がったかも
「生身のスタントだから」という脳内刷り込みの前提ありきで迫力を感じられる一本でした

個人的評価:60点
オススメ度:本編よりメイキングの方がおもしろそう



X-ミッション 予告

2016年2月21日日曜日

クーパー家の晩餐会 (2015/米)

監督:ジェシー・ネルソン
出演:ダイアン・キートン / ジョン・グッドマン / アマンダ・セイフライド / オリビア・ワイルド / アラン・アーキン / エド・ヘルムズ / マリサ・トメイ / ジューン・スキッブ / ジェイク・レイシー / アンソニー・マッキー

クリスマスイブ、シャーロットは夫との離婚を前に家族で過ごす最後のパーティの準備をしていた
そんな家族の面々は様々な問題と嘘を抱えていて・・・

開始早々、その雰囲気とBGMの使い方から「おや?」と思ったけど、これ、おもいっきりクリスマス映画でしたね
クセのありすぎる家族による嘘にまみれた大騒動、みたいなホームドラマというより、クリスマスのふわっとした奇跡が生ぬるい幸せを呼び寄せる雰囲気ドラマ
シーズンに観ていれば、このノリに身を委ねていっしょにハッピーな気分にもなれるかもしれんけど、さすがに時期を外すと高揚感もイマイチ
クリスマスというイベントに頼りすぎている作りで、その要素を除外してみれば薄っぺらさだけが目立つ気がしないでもない
みんながみんな秘密や問題、嘘を抱えたままパーティに顔をそろえた時は、ここからどんな化学反応がおこるのか楽しみになるものの、けっこうな肩すかしでふんわりと都合のいいラブ&ハッピーパワーによって丸め込まれてしまう
ナイスラブ、そしてナイスハッピーではあるけど、いまひとつノリきれなかった

個人的評価:65点
オススメ度:クリスマスの時期にサクッと観ればいい気持ちになれるかも



クーパー家の晩餐会 予告

シャーロック 忌まわしき花嫁 (2015/英)

監督:ダグラス・マッキノン
出演:ベネディクト・カンバーバッチ / マーティン・フリーマン / アマンダ・アビントン / ルイーズ・ブリーリー / ユーナ・スタッブス / ルパート・グレイブス

1895年、ロンドンで数々の事件を解決するシャーロック・ホームズ
彼の相棒として活躍を物語として出版するワトソンは、ある事件について語りだす

ヴィクトリア時代、現代版からいわゆる誰もが知るホームズの世界観での話なんだけど、良い意味で変化しすぎてなくて楽しめた
時代背景とかほとんどひとつの味付けとしての要素でしかなく、途中からいつものシャーロックの延長線として観ていました
現代版の登場人物の変容とか遊びの要素もふんだんにあってTVシリーズを観ている人にとってはいいんだけど、舞台が過去になったからってこの作品を単品で鑑賞してもついていけないでしょうね
ちょっと観てみてこれを機に現代版をチェックしようとか思ってる人は注意かもしれません
そんな意味では外伝やおまけという位置になってないこの作品、今後の展開もふくめて次のシーズンに向けてのお楽しみような造りの一本でした

個人的評価:80点
オススメ度:精神の宮殿という便利設定にたよりすぎな気がしないでもない



シャーロック 忌まわしき花嫁 予告

2016年2月15日月曜日

ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります (2014/米)

監督:リチャード・ロンクレイン
出演:モーガン・フリーマン / ダイアン・キートン / シンシア・ニクソン / クレア・バン・ダー・ブーム / コーリー・ジャクソン

40年住んだアパートの部屋を売ることにした老夫婦
その内覧会を開くことになるが、愛犬の手術や、ニューヨークはテロリスト騒ぎもおこり・・・

よくある思い出がよみがえる系な作品ではあるけど、いきなりテロリスト騒動やらなんやら畳みかけるようにアクシデントが襲いかかってきて、あまりしみじみとした感じはしない
部屋を見に来た珍客、入札合戦、愛犬、老夫婦の新居などかなり軽快なテンポでリズムよくみせてくれる
肝心の夫婦間の思い出や絆の部分も、まさにお互いに支えあっているというか、夫として妻としてなんて分けるものでもない夫婦というひとつの円熟したアナログな関係がおもしろい
ふたり揃っての部分以外でも個々としても個性的な登場人物への対処とか、人生の大先輩らしく時に優しく、時に厳しく応じる人物的な魅力にあふれている
夫婦も含めてみんなそろいもそろってクセがある奴ばかり、そんな人たちがドタバタとコミカルに立ち振る舞う様がつまらないわけがない
難を言えばちょっと軟着陸しすぎなラストが物足りないかもしれん

個人的評価:80点
オススメ度:個人的にモーガン爺さんがノーマルな人間を演じてるのが新鮮だった



ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります 予告

キャロル (2015/米)

監督:トッド・ヘインズ
出演:ケイト・ブランシェット / ルーニー・マーラ / サラ・ポールソン / ジェイク・レイシー / カイル・チャンドラー / ジョン・マガロ / コリー・マイケル・スミス / ケビン・クローリー

デパート販売員のテレーズは客として訪れたキャロルが忘れていった手袋を送り届ける
そのことからふたりは頻繁に合うようになり、その関係も深まっていくのだった

いったい何が起こるのか、キャロルって何者なんだ、という部分を注視して観ていても、いつまでたっても特別なことはおこらない
そんなところがたまらなく繰り返し睡魔の誘惑に襲われるけど、なんとか堪えて鑑賞していると、どんどん愛らしく魅力的に輝きはじめるテレーズに目を奪われる
そしてふたりの関係やキャロルの行動について引っかかりを感じつつもすっきりしない感情を抱くが、終盤になればテレーズの立場に自身を重ねることで足りないピースがはまる
それでもなんかパンチの足りなさは否めないし、分からんでもないけど単に文字通り女性たちの内面からにじみ出る美しさを楽しむだけの映画かな、と
そう思わせておいてのラストで一気に心象がひっくり返る
全体的な押さえ気味なムードに退屈感をおぼえるのは否めないけど、本当に主役ふたりの演技に引き込まれます

個人的評価:70点
オススメ度:やはり女性が観た方がもっと深い何かを感じ取れるのかな



キャロル 予告

2016年2月14日日曜日

恋人たち (2015/日)

監督:橋口亮輔
出演:篠原篤 / 成嶋瞳子 / 池田良 / 光石研 / 安藤玉恵 / 木野花 / 黒田大輔 / 山中聡 / 内田慈 / 山中崇 / リリー・フランキー / 岡安泰樹 / 水野小論 / 大津尋葵 / 川瀬絵梨/ 高橋信二朗 / 和田瑠子 / 伶音 / 三月達也 / 岩野未知 / 遠藤隆太 / 吉田征央 / 中山求一郎 / 駒井温子 / 梨田凛 / 藤原留香 / 田川恵美子 / 小出浩祐 / 八木橋努 / 竹村知美

どこかすり減った日常を冷めた感じで過ごす人々
そんな人たちの抱える痛みがじょじょに明らかになってきて・・・

なんてことはない日常描写ながら、どこか引っかかる登場人物たちに開始早々、心をぐっとつかまれる
そしてつかまれた心は強く握られ、しめつけられ、じわじわと苦しく痛くなってくる・・・そんな感じの作品でした
だんだんと登場人物のことが見えてきて、なんとなくその人について把握しかけたところで、さらに印象を変えられる新たな情報が上書きされていく
静かに淡々と進むだけの中でも、そこに描かれた人たちを見つめているだけで感情を上下左右にゆさぶられる
ただ痛いだけじゃなく、時には優しい気持ちになれたり、勇気がわいてきたり、ぐるんぐるんとかき回される感覚が良い意味でたまらない
見え方や見られ方、感じ方や感じられ方、都合のいい正論で武装して自分本位に日々を生きてしまっている自身を恥じて反省せざるえない気持ちになる作品でした

個人的評価:90点
オススメ度:大げさでなく、最初から最後までスクリーンに目が釘付けになった



恋人たち 予告

ライチ☆光クラブ (2016/日)

監督:内藤瑛亮
出演:野村周平 / 古川雄輝 / 間宮祥太朗 / 中条あやみ / 池田純矢 / 松田凌 / 戸塚純貴 / 柾木玲弥 / 藤原季節 / 岡山天音 / 杉田智和

退廃的な世界で美に陶酔するゼラと8人の同志による光クラブ
彼らは世界に君臨するためにあるものを制作していた

この独特の雰囲気、というか開演からの描写に引き込まれればあとは最後まで楽しめる
逆に言えばダメな人は本当にダメだろう、という人を選ぶ感がひじょうに強い
どこか演劇的なのは持ち味として、けっこうグロい描写と倒錯したキャラ、なんともクソB級におちるギリギリのラインを漂う作風が個人的に心地いい
偏り振り切った感情を持つキャラばかりの繰り広げるどろどろした愛憎劇が、どことなく中二くさくておもしろい
この作品、もっと若い頃に観ていたらそうとう映画趣味に影響をおよぼすくらいハマってたかもしれん
というか若い時分に「鉄男」を観て狂喜してた頃を思い出した一本でした

個人的評価:80点
オススメ度:イケメンパラダイスなそっち系をイメージしてる女子は、安易に鑑賞すると痛い目をみる



ライチ☆光クラブ 予告

2016年2月13日土曜日

猫なんかよんでもこない。 (2015/日)

監督:山本透
出演:風間俊介 / つるの剛士 / 松岡茉優 / 内田淳子 / 矢柴俊博 / 市川実和子

うだつのあがらないボクサーのミツオ
ある日、兄が拾ってきた子猫の世話を押しつけられるが、ミツオは犬派の猫嫌いで・・・

猫という生き物を飼い、ともに暮らすこと、という部分について甘さ苦みの両面が描かれていて楽しめた
ただハートフルってわけでもなく、露骨に泣きを狙ってるでもないのがいい
最初こそ猫嫌いの主人公がコミカルに子猫たちと一喜一憂するありがちなドタバタコメディだけど、そんなイージーさは序盤のつかみだけでどんどんドラマに引き込まれていく
猫のことを知ることができるのはもちろん、もうちょい大きな視点で生き物を飼うことについても考えさせられる
じゃっかん主人公の無為に日々を過ごすパートが間延びしてる感じはするけど、動物、人間、両面のドラマをいっしょに楽しめる地味だけどナイスな丼に満足
単純に子猫かわいい、主人公のドタバタがおかしい、という引き込みがあるのでライトな観客にも受け入れられやすい
そして、ドラマの核をシリアスに展開しておいて、最後にちゃんと息抜きを用意してる周到さはうまいですね

個人的評価:80点
オススメ度:一万円で二週目に突入する主人公に惚れる



猫なんかよんでもこない。 予告

2016年2月8日月曜日

新劇場版「頭文字D」Legend3 夢現 (2016/日)

監督:日高政光
出演:宮野真守 / 小野大輔 / 中村悠一 / 内田真礼 / 白石稔 / 諏訪部順一 / 平田広明 / 阪口周平 / 土田大池 / 志村知幸 / 勝杏里 / 原由実 / 奥野香耶

高橋涼介との勝負が迫る中、藤原拓海は樹やなつきたちとの日常生活を送っていた
そんな拓海は勝負に高揚し、車に強い執着をもつようになった一方、なにやら思い悩む様子をみせる

さあ、いよいよラストだ、という感じで涼介とのバトルに向けて日常と走りで静かに盛り上げ・・・なんか知らんけどいつのまにか決着がついていた
勝負前に観てる側の気持ちを高めるだけ高めておいて、わりと本編のバトルがあっさりしすぎててなんか物足りない
基本はあまり感情的にならない者同士の戦いだからしかたないのかもしれんし、伝説の勝負は車の挙動で語るんで感じてくれって言うのも分かるけど、それでももっとドライバー視点で過剰演出してほしかった
特に涼介がキャラ的に持ち上げすぎなゴッドポジションに配置しすぎて、人間的な生っぽい気迫による熱が感じられない
車で魅せる、という点では成功してるけど、そこに先輩を殴った拓海の凶暴性の片鱗とか、キャラで魅せる要素が加わればかなり個人的に盛り上がるんじゃなかろうか
せっかく新劇場版なんだからラストバトルはやりたい放題やっちゃえばよかったのに

個人的評価:60点
オススメ度:なんだろう、全体的に無駄に美少年度が上がってないですかね



新劇場版「頭文字D」Legend3 夢現 予告

2016年2月7日日曜日

コードギアス 亡国のアキト 最終章「愛シキモノタチヘ」 (2016/日)

監督:赤根和樹
出演:入野自由 / 坂本真綾 / 日野聡 / 松岡禎丞 / 日笠陽子 / 藤原啓治 / 茅野愛衣 / 甲斐田裕子 / 川田紳司 / 森久保祥太郎 / 石塚運昇 / 寺島拓篤 / 伊瀬茉莉也 / 松風雅也 / 工藤晴香 / 櫻井孝宏 / 福山潤

籠城するレイラとアキトたちに、数を減らしながらもシャニング卿率いるユーロブリタニアの軍が迫る
アキトは新型機と新たな仲間としてアシュレイをむかえ、これに立ち向かうのだった

けっきょくTVシリーズの1期と2期の間にあったエピソード、という部分が枷になったのかふわっとした感じで終わってしまって残念でした
物語の動きの大きさや設定を明るみにするにも、あまり無茶はできないというのは分かるけど、色々と手をつけて風呂敷を広げっぱなし感は否めない
あとは各人でどっかから裏設定のピースをあつめて、考察して楽しんでください、とか言われてるみたいでめんどくさい
そういう視点で観ちゃうと、どうにも謎キャラが裏で大きなことをやりつつ、主要キャラが世界を巻き込んで愛憎劇を展開、よくある流れで落ち着くところに落ち着きました、というちょっと安っぽい内容と思えなくもない
サブキャラから派生するエピソードの描写も本編内だけでは説明しきれてないし、なんだかんだでメインストーリーがブレちゃっただけ
というか、しょうじきにぎやかすだけにぎやかして、みんな何がしたかったのかよく分からん作品でした

個人的評価:50点
オススメ度:KF無双的な戦闘だけは盛り上がる



コードギアス 亡国のアキト 最終章「愛シキモノタチヘ」 予告

オデッセイ (2015/米)

監督:リドリー・スコット
出演:マット・デイモン / ジェシカ・チャステイン / クリステン・ウィグ / ジェフ・ダニエルズ / マイケル・ペーニャ / ショーン・ビーン / ケイト・マーラ / セバスチャン・スタン/ アクセル・ヘニー / キウェテル・イジョフォー / ドナルド・グローバー / マッケンジー・デイビス

火星での探査調査をしている面々に想定外の嵐が襲いくる
その嵐に巻き込まれマークは死亡認定され、ほかのメンバーは火星を脱出するが彼は実は生存していて・・・

宇宙での極限サバイバルにまさかのディスコミュージックがマッチしすぎておもしろい
可能な限り悲壮感を廃し、前向きでたくましく軽口をたたきながら知恵をしぼって生き抜く主人公の姿にはげまされる
ちょっとアメリカ万歳な臭さはあるけど、気にならないレベル
常にポジティブで明るい雰囲気ながら、絶望的な状況や無茶な行動をせざるえないドキドキ感があり、娯楽性の強いアドベンチャー映画として観ても楽しめる
ひとつひとつのハプニングや深刻な選択肢を前にしても、いつまでも一個の問題にうじうじしてなくて重苦しくないのもいい
ハードで重厚なSFがダメな日本人にも、こういうどこかマンガチックなノリなら受け入れられるかも
火星、地球、宇宙の描写がしっかりしているからこそ、軽すぎない作りになっている感じでした

個人的評価:85点
オススメ度:なんかなつかしいアメリカンジョークに満ちてて自然と笑顔がこぼれる



オデッセイ 予告

2016年2月1日月曜日

残穢 住んではいけない部屋 (2016/日)

監督:中村義洋
出演:竹内結子 / 橋本愛 / 佐々木蔵之介 / 坂口健太郎 / 滝藤賢一 / 山下容莉枝 / 成田凌 / 吉澤健 / 不破万作 / 上田耕一

読者投稿による不思議な体験談をもとに短編小説を書く作家が一通の手紙に目を止める
それは久保さん(仮名)の越した部屋から奇妙な音が聞こえてくるというものだった

冒頭から淡々とした主人公の語り口、そして奇妙な体験談と取材シーンが静かに展開してき、どことなくふわっとした感じに戸惑う
いつまでたっても取材から分かる過去の話ばかりが描かれ、時折ちょっと思い出したかのようにビックリ要素や恐怖を誘う顔芸があるけどホラー感は薄い
主人公たちに対して直接的なナニかがあるわけではなく(皆無というわけでもないけど)、かといって精神的に迫られる間接的なナニかがあるわけでもない
あくまで紐解かれつながっていく不思議体験エピソードが淡々と描かれるだけで物足りない
いわゆる「リング」系統の話のようでそうでもないし、穢れに触れた触れない、祟りから逃れた逃れられないの境界線もよく分からない
なんというか、そういうキッチリしたなにかがない、というのが「恐ろしい」とかそういう内容なのかな、と
ちょっと個人的に把握しきれなかった一本です

個人的評価:50点
オススメ度:こんだけ人類の歴史があれば、そりゃ穢れも大連鎖するわな



残穢 住んではいけない部屋 予告

さらば あぶない刑事 (2016/日)

監督:村川透
出演:舘ひろし / 柴田恭兵 / 浅野温子 / 仲村トオル / 吉川晃司 / 菜々緒 / 木の実ナナ / 小林稔侍 / ベンガル / 山西道広 / 伊藤洋三郎 / 長谷部香苗 / 夕輝壽太 / 吉沢亮 / 入江甚儀 / 片桐竜次 / 海一生 / 衣笠拳次

4日後に退職をひかえた横浜港署の刑事、鷹山と大下
ふたりは暴力団幹部を追ってブラックマーケットを襲撃するのだった

完結、だからといって変に力まずいつものあぶない刑事が観られて感涙
ここで、というシーンでけっして外さないお約束ともいっていい展開の数々に自然と気持ちもたかぶります
これでもかというくらいのファンサービスに満ち満ちていて、本当に良いものを観させてもらったのはもちろん、懐かし要素以外の部分も見応えがあって完成度は高い
年を重ねたゆえの演技もいいし、なによりアクションが想像をこえて力が入っていて楽しめた
やはりライバルキャラとしてのガルシアの配役は絶妙すぎる
タカ&ユージ、そしてガルシアたち、おじさんが体をはったはっちゃけアクションをみせられたらこっちも燃えざるえない
さすがに新規の観客は置いてけぼりかもしれないけど、あぶない刑事のファンなら絶対に満足できる作品、といっても過言じゃないでしょう

個人的評価:90点(思い入れ補正)
オススメ度:心の底からカッコイイと思える理想のおっさんたちに惚れる


さらば あぶない刑事 予告