2011年12月31日土曜日

12月のこれ一本&2011年総括

もう2011年も終わりッスね
と、季節がらなとりあえず挨拶をしつつ、まずは12月のオススメの一本を
まあ、今月は「ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル」でしょう
「ニューイヤーズ・イブ」もかなりいいけど、これはやっぱり大晦日に観ることが前提のおもしろさなので
このミッション・インポッシブルは続編だけど回を重ねたことによってダメな部分をすべてはき出して、良い意味でキチンとした続編になってましたね
2、3であれれってなった人も観て損はないと思います

で、続いて2011年のまとめ的な意味で今年の一本を
今年も色々と観たわけですが、その中でも印象に残ったのは「ブラック・スワン」でしょう
前評判が高くて観る前からハードルが上がってたのに、そんな個人的ハードルを楽々こえる作品でした
しかし、それ以上に印象に残ったのが「瞳の奥の秘密」
これはホントにおもしろかった
映像的なインパクト、ドラマ性、ラスト、すべてにおいて強く心に残ります
というわけで今年の一本は「瞳の奥の秘密」で

そして今年のワーストですね
うん、これは「モンスターズ」でいいでしょう
今、思い起こしても男女ふたりで危機的な緊張感のないふうでぶらぶら歩いてただけ、というイメージしかない
この作品が好きな人には申し訳ないけど、個人的にまったく合わない作品でした

そんな感じでまとまったかどうかはアレとして、今年もここまで
来年も素敵な映画に出会えるといいな、と
では、よいお年を

ニューイヤーズ・イブ (2011/米)

監督:ゲイリー・マーシャル
出演:ハル・ベリー / ジェシカ・ビール / ジョン・ボン・ジョヴィ / アビゲイル・ブレスリン / クリス・“リュダクリス”・ブリッジス / ロバート・デ・ニーロ / ジョシュ・デュアメル / ザック・エフロン / ヘクター・エリゾンド / キャサリン・ハイグル / アシュトン・カッチャー / セス・マイヤーズ / リア・ミシェル / サラ・ジェシカ・パーカー / ミシェル・ファイファー / ティル・シュヴァイガー / ヒラリー・スワンク / ソフィア・べルガラ / ケイリー・エルウィズ / アリッサ・ミラノ / コモン / サラ・ポールソン / カーラ・グギーノ / ラッセル・ピーターズ / ジェームズ・ベルーシ / ジェイク・T・オースティン / ジョーイ・マッキンタイア / ショーン・オブライアン / ラリー・ミラー / ジャック・マクギー / イヤードリー・スミス / ドレナ・デ・ニーロ / ペニー・マーシャル / クリスティーン・レイキン / アール・ローズ / チェリー・ジョーンズ / キャスリーン・マーシャル / デヴィッド・ヴァルシン / パトリック・コリンズ


ニューヨークの大晦日にわき上がる人々
そんな中、ある8人の男女がそれぞれの特別な時間を過ごそうとしていた

いやあ、なめてたわ
どうせオサレスイーツなロマンス映画かと思ってたら予想以上に…というかなめてた自分を恥じるくらいすべての要素がパーフェクトにそろっている
大晦日に観たという時期的なものもありましたが、ホントにネガティブな心が洗われる作品でした

ボール・ドロップの責任者、元カレと一年ぶりに再開する女、大晦日の騒ぎが嫌いな男、懸賞金目当ての妊婦と夫、命の灯火が消えかかっている男…さまざまな人たちがそれぞれの大晦日をむかえるストーリーですね
あまりに登場人物が多すぎて混乱するか、と思ったけどそんなことはまったくなく、入り組んで展開する各エピソードを追ってるうちに自然とキャラとストーリーが頭に入ってきます
そして各キャラがみんな良い味をだしていて、つまらない捨てエピソードがないのがすごい

大晦日のカウントダウンに向けてそれぞれのエピソードが収束し、時に絡まっていくさまも無理矢理に関連づけるでもなくまとまっているのがいい
コミカルで小粋な楽しい雰囲気の中でしめるところはきちんとしめてくる丁寧な作りもいい
単純な愛だけの話だけじゃなく、生と死、友情、愛情、思いやり、切なさ、いろんな要素がぎっしり作品の中につまってます
いやあ、しょうじきこの作品で泣かされるとは思わなかった
死を間近にした男の話は直球でくるものがありましたが、個人的にはナースの話のラストがよかった
マジでうるうるとくるものがあるわあ

そんなわけで今さらではありますが、大晦日の今日だからこそ観るべき映画、今年の今日だからこそ気持ちが優しくなれるそんな作品でした

個人的評価:100点(2011年の大晦日に観た前提で)
オススメ度:バレンタインデー誕生の瞬間である




ニューイヤーズ・イブ 予告

2011年12月30日金曜日

ピラニア3D (2010/米)

監督:アレクサンドル・アジャ
出演:エリザベス・シュー / アダム・スコット / ジェリー・オコネル / ヴィング・レームズ / ジェシカ・ゾー / スティーヴン・R・マックイーン / ケリー・ブルック / ライリー・スティール / ポール・シェア / クリストファー・ロイド / リチャード・ドレイファス / ディナ・メイヤー / リカルド・アントニオ・チャヴィラ / イーライ・ロス / ブルックリン・プルー / セイジ・ライアン / コディ・ロンゴ / ブライアン・クーバッハ / グレゴリー・ニコテロ





春休みのヴィクトリア湖、ジェイクはあるポルノ動画の助手としてアルバイトをすることに
一方、湖では男の変死体が発見され…

まさにB級バカエログロジェットコースタームービー
一昔前のB級生き物系パニックホラーを愛してやまない作りがひしひしと感じ取れて観てて気持ちいいですね
B級B級いってますが、普通にジェットコースタームービーとして観てもおもしろい
というか「ジェットコースタームービーってなんだよ?」という問いの答えのひとつといっても過言じゃない感じのザ・ジェットコースタームービーになってます

突如あらわれた人食いピラニア、春休みに浮かれるバカ者たち、おっぱいにつられる主人公、変態ポルノ監督、そして3Dゲロ、3Dチンコ…もう素敵すぎて言葉もありません
バカ、エロ、グロ、そんな要素に真摯に向き合って作ってる制作陣に「おまえら最高にアホだな」と賛辞を呈さざるえない
とにもかくにも作品全体のテンポがすばらしい
ベタなネタを展開しつつも「どうせこうくるんだろ」とつっこむより早く突き抜けていく

なによりクライマックスの大惨事の描写がホントにバカでグロくて素敵
主人公の恋のライバルキャラの鬼畜行動展開とか個人的な素敵ゲージが振り切れるわ
他にも漂うシリコンとか変態監督の一言とか細かいバカネタも豊富にあって、B級好きにはたまらないですね
けっこう観る前はガッカリ感あふれるしょうもないクソB級ホラーかと思ってたのに、あわよくばシリアスパニックホラー路線もいける設定をあえてB級ベクトルにかたむけて作った気概に感心しちゃうことになるとあ思わなんだ

すでに続編も決まってるそうで、今から楽しみにせざえるえない一本でした

個人的評価:90点
オススメ度:バカな内容だけど意外と設定はしっかりしてるにくいヤツだぜ




ピラニア3D 予告


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ポニーキャニオン (2011-12-21)
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2011年12月27日火曜日

ちゃんと伝える (2009/日)

監督:園子温
出演:AKIRA / 伊藤歩 / 高橋惠子 / 高岡蒼甫 / 奥田瑛二 / 吹越満 / 綾田俊樹 / 諏訪太朗 / 佐藤二朗 / でんでん








ガンで入院してる父を母といっしょに支える史郎
治る見込みのない父、恋人との結婚話を前に史郎の胸中は複雑な思いで占められていた

日本人の大好きな、安易にしみじみできるインスタント感動要素である「ガン」もの
それこそホントに安易な携帯小説みたいなノリの作品から、意外に深くて考えさせられるものまでありますが、これはちょっと変化球ぎみな感じ
じゃっかん奇をてらいすぎて最後にやりすぎ感がただようのが残念だったかな

父親が治る見込みのない状態の中、支え合って明るく強く生きている母と息子
日常生活と過去を描くことによってだんだんと父、母、息子の関係が見えてくる序盤
さらにある事実が見えてきてそれまで観ていた側の印象ががらりと変わる中盤
本当によくできているなあ、とシンプルなガン患者ものでありつつ複雑な心境に揺れる主人公を観ているだけでじゅうぶんすぎるほどおもしろい

だけどそれも終盤で一気におかしくなりますね
個人的には大好きな俳優さんの佐藤二朗さんが出てきたあたりから「ん?」と違和感をおぼえてきます
まずは独特の存在感が魅力な佐藤二朗さんのそのキャラが作品のそれまでの流れとマッチしてない
さらにそこからさすがにありえない展開の連続でちょっと観ててぽかーんとせざるえない
それを乗り切ってまた雰囲気が前にもどってきたかなと思ったら、気にしすぎかもしれないけど主人公の演技があまりにアレなのが目立つような…
特に良いシーンであるはずの演技ほどひどい
淡々と自然体である通常状態の演技はいいんですが、いざ力を入れてセリフを強調する場面になると途端に演技がくさくなる
そんな終盤のせいでいっきにこの作品が楽しめなくなりましたね

序盤から中盤まではホントにおもしろい味のある内容だったのに、なんか着地で大コケしちゃってる印象の強いもったいなさすぎる一本だと思いました

個人的評価:60点
オススメ度:親不孝な親孝行のジレンマを最後までしみじみ観たかった




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2011年12月25日日曜日

ズーランダー (2001/独・米・豪)

監督:ベン・スティラー
出演:ベン・スティラー / オーウェン・ウィルソン / クリスティーン・テイラー / ウィル・フェレル / ミラ・ジョヴォヴィッチ / ジェリー・スティラー / ジョン・ヴォイト / デヴィッド・ドゥカヴニー / ジュダ・フリードランダー / ネイサン・リー・グレアム / アレクサンダー・マニング / アシオ・ハイスミス / アレクサンダー・スカルスゴール / デヴィッド・ボウイ / クリスチャン・スレーター / キューバ・グッディングJr. / ナタリー・ポートマン / レニー・クラヴィッツ / リル・キム / ハイジ・クラム / ギャリー・シャンドリング / ルーカス・ハース / ジェニファー・クーリッジ / ノーラ・ダン



スーパーモデルのデレク・ズーランダーはナンバー1モデルを決める賞をライバルに奪われる
失意の中、彼に謎の悪の組織が接触してきて…

なんとも師走で疲弊しきった心をセルフ癒すシリーズ
というわけで個人的にかなりお気に入りのコメディ作品で心の平穏を保とうぜ、と
いつも思うけど、こういうコメディ作品ってどうにも日本じゃ埋もれがちになっちゃうからもったいない
ホラー系のと同様にどうにもアレなデキのも多い現実もありますが、大作、ロマンス、アクション、子供向け以外にもコメディとホラーはもっと劇場でかけてほしいですね

ストーリー的にはお馬鹿なスーパーモデルの主人公が悪の組織利用されてなんたら、とかいう感じ
まあ、しょうじきストーリーとかどうでもいいんですけどね
とにかくお馬鹿なキャラがお馬鹿な展開でお馬鹿なことをしていくお馬鹿映画
もうね、冒頭から葬儀のシーンまでの一連の流れを観ただけで「こいつは最高にお馬鹿な映画だぜ」と素敵ボルテージが上がらざるえない

主人公デレクのライバルであるハンセルもじょじょに良い味だしてきて、存在じたいがアレな敵のムガトゥもどんどん前へ前へ出てきて画面をにぎわして、さらにけっこう大物ゲストも出演してて画面は常ににぎやか
しょうもないコメディにありがちなクライマックスからラストまでの流れだけシリアス路線になる、なんてこともないので安心して最後までお馬鹿映画として楽しめます
いや、ホントにこういうコメディは心癒されるわあ

個人的評価:90点
オススメ度:続編が待ち遠しいわあ




ズーランダー 予告


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2011年12月23日金曜日

ミスター・ノーバディ (2009/仏・独・ベルギー・カナダ)

監督:ジャコ・バン・ドルマル
出演:ジャレッド・レト / サラ・ポーリー / ダイアン・クルーガー / リン・ダン・ファン / リス・エバンス / ナターシャ・リトル / トビー・レグボ / ジュノー・テンプル / クレア・ストーン / トマ・バーン / オードリー・ジャコミニ / ローラ・ブリュマーニュ / アラン・コーデュナー / ダニエル・メイズ / マイケル・ライリー / パスカル・デュケンヌ / ノア・デ・コスタンツォ / キアラ・カセッリ





2092年、人類最後の死ぬ人間、ニモ・ノーバディの死期が近づく
大々的にメディアのネタとして注目を集める中、その今までの人生を振り返らされることになり…

難解で複雑なビジュアル重視の世界観もの映画、のようで最後まで観るとけっこう分かりやすい作りになってます
しょうじきパラレルワールドなif世界がカオスに交錯しつつ描写されるさまをながめてるだけでも楽しい
それでいて最後には「なるほどね」と思わせてくれるからたまりませんね

主人公のニモが死ぬ間際に過去のできごとを語る形式で話は進みます
産まれ、育ち、恋をして、暮らし、死ぬ
楽しいこと悲しいことは数え切れないほどあるけど、どうにもニモの話には矛盾だらけ
まるで異なる世界に同時に存在していたかのようなパラレルワールドみたいな話ばかり
そんな次々にめまぐるしく移り変わるif世界を楽しめれば問題ないですが、けっこう人を選ぶ作りな気もするのでダメな人にとっては「はぁ?イミフだしぃ」みたいな印象をうけるかも

わりと序盤で印象的なセリフである「選択しなければ全ての可能性は残る」というのが観てるさいちゅうすっと頭に残るんですが、後々になってから「そういうことか」と思わせてくれることから、いっけん難解そうなストーリーでも重要なポイントはけっこう強調して描いてるので分かりやすい
そして最後まで観終わった時の「なるほど」感はうまく作品の展開に誘導されたゆえであっても、独力でそこに思い至ったみたいな充足を与えてくれて心地良い

なんとなくお手軽にアカデミックな俺かっけえ的なノリになりたい時には最適な一本かもしれません

個人的評価:95点
オススメ度:この現実は現実じゃない、と子供の頃に妄想してた痛い時期を思い出すわ




ミスター・ノーバディ 予告


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2011年12月18日日曜日

ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル (2011/米)

監督:ブラッド・バード
出演:トム・クルーズ / ジェレミー・レナー / サイモン・ペッグ / ポーラ・パットン / ミカエル・ニクヴィスト / ウラジミール・マシコフ / ジョシュ・ホロウェイ / アニル・カプール / レア・セドゥー







新たなチームを率いてクレムリン侵入ミッションにつくイーサン
しかし、そこで目的のものを第三者に奪われた上、爆破に巻き込まれてしまい…

すでにシリーズも4作目、どんどん伝説的なスパイとして描かれつつあった主人公イーサンですが、そんな堅苦しさの印象をうまく回避した内容でした
イーサンじたいが茶目っ気あるキャラになった他、ちょっとステレオタイプな感じだけど新チームの面々のキャラもたっててうまくミッションに作用してます
これまで同様に過去作のことはあるていどばっさり切り捨てて、その作品ごとの独立した話になってました
今作でも最初は「ああ、やっぱり前作までの設定はリセットするのね」と思ってたら、けっこう良い感じで3の設定をうまく引き継いでて感心せざるえない

クレムリン爆破の濡れ衣を着せられてしまったイーサン、その責任でIMF解体にまで事態は発展してしまい、組織のバックアップなし&新造のチーム、きちんとメンテされてない機材で汚名返上ミッションに挑む、という内容
チームプレイをメインにしながらも主人公イーサンの見せ場はきちんと作り、さらにドラマ部分とアクション部分のバランスも絶妙
かなりベタな気がしないでもないけど、今作のオープニングの入り方はホントによかった
前作で結婚した設定のイーサンの顛末も消化した上で今作にもからめつつ描いてるのもいい

なによりイーサンの完璧超人っぷりをおもいきって廃し、チームメンバーにもチャラ男系がいることからいっきに画面がほどよく軽くなって活劇の要素が復活してます
赤は死のシーンが個人的には大受けでしたね
3の重苦しい感じもいいですが、今作みたいなほどよい息抜き演出があった方が観てて疲れませんね
さらに舞台も次々に切り替わり飽きることなく話も展開していくし、「え?どうすんのこれから」という要素もあって観ててホントにおもしろい

じゃっかんクライマックスのイーサンのバトルが「すごいことやってるけど地味」な感じはするけど、シリーズの中では間違いなく一番安定しておもしろい一本ですね

個人的評価:90点
オススメ度:無理からルーサーさん出さなくても




ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル 予告

2011年12月16日金曜日

ミッション:インポッシブル3 (2006/米)

監督:J・J・エイブラムス
出演:トム・クルーズ / フィリップ・シーモア・ホフマン / ヴィング・レームズ / ビリー・クラダップ / ミシェル・モナハン / ジョナサン・リース・マイヤーズ / ケリー・ラッセル / マギー・Q / サイモン・ペグ / エディ・マーサン / ローレンス・フィッシュバーン / バハー・スーメク / ジェフ・チェイス / マイケル・ベリーJr. / カーラ・ギャロ / ポール・キーリー / ベラミー・ヤング / トレイシー・ミッデンドーフ / ショーン・オブライアン




組織の第一線から退き諜報員の育成をつとめていたイーサン
婚約も決まり彼女と幸せな生活が始まるという直前、組織からある諜報員を救出するミッションを告げられる

ミッション・インポッシブルの名を冠したからこその予算だからこその作品だろうけど、この内容で別タイトルとして作られていればさらに高評価になってたかもしれない映画
それぞれの監督が作るミッション・インポッシブル、しょうじき1以外は「スパイ大作戦」と言われて連想できるイメージからはかけ離れていってますね
この3は3ですっごいおもしろい、けど「スパイ大作戦」ではないというジレンマ

実際のスパイ活動から退いている主人公が人並みな幸せをつかんで婚約までする
そんな彼のもとへ緊急のミッションがおくられてくる、という感じ
しょうじき吊り橋効果のような激しく刹那的な恋愛は似合うけど、人並みで普通の結婚を前提とした恋愛とか主人公のイーサンには似合わないよね
まあ、それはそれとして仕事に生きる男として、未来の家庭を守る男としてのプレッシャーが伝わってきます
軽快で活劇ともいえるこれまでのアクションと違い、家庭という重荷があるせいか終始なんとなく重苦しい雰囲気が続きます
アクションシーンも内容は別として臨場感重視な演出のために作品全体的にリアル路線を意識して作ってある感じ
悪く言えば息苦しい

まあ、でも個人的にはこういう雰囲気はけっこう好きですね
不必要な部分は極力そぎ落とし、ちょっと遊びと息抜きの要素が足りないけど濃縮された話の展開は最後まであっという間な感じで楽しめます
あとは物語の中でたびたび登場する「ラビット・フット」の扱いもよかった
「別にそれがなんであってもいいんだよ。そういう話じゃねえから、これ」という描き方も中途半端感はなくて、この作品の雰囲気からすればこの描き方で納得できますね

とりあえずこれまでのシリーズの中では一番たのしめた一本でした

個人的評価:85点
オススメ度:脳爆弾の死に顔が微グロだろ…





ミッション・インポッシブル3 予告


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2011年12月13日火曜日

ミッション・インポッシブル2 (2000/米)

監督:ジョン・ウー
出演:トム・クルーズ / ダグレイ・スコット / タンディ・ニュートン / ヴィング・レームズ / リチャード・ロクスバーグ / ジョン・ポルソン / ブレンダン・グリーソン / レイド・セルベッジア / ウィリアム・マポーザー / ドミニク・パーセル / マシュー・ウィルキンソン / アンソニー・ホプキンス






奪われた「キメラ」を奪還する任務をおびた諜報員イーサン
民間人ながら盗みのプロである女性とコンタクトをとって協力を要請することになり・・・

ゴースト・プロトコルまでに復習みたいなのしようじゃねえのシリーズ
いやあ、まあ、とりあえず誰もが思うだろうけど「これスパイものじゃないよね」ということ
ホントふつうのアクション映画になってますね
ストーリーとかどうでもいいくらい薄っぺらいし、どうみても「アクションシーンを楽しんでください」という作品としか思えません

ヒロインと車をぐるぐるして恋に落ち、ヒロインの元カレが今回の標的なんで彼女を標的に接近させてブツを取り戻す手助けをしてもらおうか
でも彼女も危険にさらされるし、元カレと男と女的なアレを見てるのも辛いよね
みたいなどうでもいい男女の描写とおまけのウイルス兵器について話が進む前半
しょうじき眠いくらいつまらない
1のスピーディにロケーションを移していく展開はいっさいなく、薄い内容をさらに引き延ばし引き延ばしでもっさりと展開していく話にあくびが止まらない

たぶん静と動みたいなのをあらわしたかったのかもしれませんが、後半の畳みかけるアクションの連続になってはじめておもしろくなります
というかむしろ後半のアクション展開こそこの作品のすべてでしょうね
無駄にスタイリッシュに銃撃戦がはじまり、そこに舞う鳩、飛ぶ鳩、鳴く鳩、うん、ギャグでやってるのかと本気で問いただしたくなるけど、そんな演出がバカカッコイイと思えたら勝ちです
個人的には「アリ」でしたね
ほんとうに無駄にスタイリッシュなバイク戦とか、武器を放棄してのプロレスバトルとか、クライマックスのアホすぎるアクションの連続が楽しすぎる

ストーリーとかがんばって描こうとせず、もっと前半をコンパクトにまとめてくれたらよかったのにと思え、またB級アクション化してしまってるのが気にならざるえない
続編としては総じてパワーダウンしてるけど、B級アクションとしてみれば見所もけっこうあっておもしろかった一本でした

個人的評価:65点
オススメ度:どんだけ鳩なんだよ




ミッション・インポッシブル2 予告



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2011年12月12日月曜日

ミッション:インポッシブル (1996/米)

監督:ブライアン・デ・パルマ
出演:トム・クルーズ / エマニュエル・ベアール / ジャン・レノ / ジョン・ヴォイト / エミリオ・エステベス / ヴィング・レームズ / ヘンリー・ツァーニー








ある裏切り者を監視し決定的な現場を押さえる任務につく諜報員イーサンと彼のチーム
順調かと思われたミッションだったが次々にアクシデントが重なり…

ゴースト・プロトコル前に復習しておこうシリーズ
というかこのシリーズって、この1しか観てないんだけどね。にわか的に考えて
しかもほぼどんな内容だったか忘れてるから新鮮な気持ちで観ることができました
とりあえず言えることは、こんなにエンターテインメントに特化した良作だったのか、ということ
しょうじきもっとガッカリ感が漂うトム出したいだけちゃうんか映画かと思ってたけど、これはこれは意外と普通に楽しめました

自分以外のチームのメンバーをミッションで失ってしまった主人公、たったひとり生き残ったがために逆に裏切り者の嫌疑をかけられる
かつて属していた組織に追われながら、敵組織の仕事を受けることで本当の裏切り者を探り当てようとする、という内容
えん罪によって組織を追われ、己の無実を実証するためにうんぬんという流れはスパイもののエピソードには欠かせないものですね
そういった意味でありふれてるといえばありふれているストーリー
展開的にも「たぶんこいつが悪者なんだろうな」と容易に想像つくからそれほど観ててドキドキ感はない

オーソドックスなものを丁寧に、次々にロケーションを変えてスピーディに、そんな感じで描くだけで退屈感を吹き飛ばしてボーッと観るには十分すぎるほど楽しめる作品になってます
丁寧な作りの中でも真相を知りながらも真の裏切り者の話に合わせる主人公、しかしそのイメージの中ではしっかりと目の前の裏切りものの行動がビジョンとして浮かんでいる、そんな細かい演出が個人的には好きですね
あとは走る列車の上では常識的にぴょんぴょん動き回れっこねえだろ、みたいな描き方も好き
一方でトンネル内のヘリの挙動とか「ラストにこうしたい」というためにありえない動きを描く、そんな描き分けの仕方もいい感じ

陰謀ものとしてはオーソドックスなところがじゃっかん残念だけど、総じて楽しいエンターテインメントスパイアクション映画でした

個人的評価:80点
オススメ度:組織も裏切りものをいぶりだすためにエージェントをあっさり殺すようなところじゃない





ミッション:インポッシブル 予告


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2011年12月11日日曜日

リアル・スティール (2011/米)

監督:ショーン・レヴィ
出演:ヒュー・ジャックマン / ダコタ・ゴヨ / エヴァンジェリン・リリー / アンソニー・マッキー / ケヴィン・デュランド / カール・ユーン / オルガ・フォンダ / ホープ・デイヴィス







西暦2020年、格闘技はより刺激を求めてロボット同士が戦うものになっていた
ロボット・ボクシングを生業とする元ボクサーのチャーリーは敗戦による借金がかさむ中、実の息子であるマックスの親権問題のために裁判所に呼ばれる

奇跡、泣ける、感動、みたいなことが前面に出てるけど、言うほど感動しねえだろ
と思ってたら普通にジーンときた
泣ける、とは違う心の底からわき上がってくるもの系の感情の揺さぶられ方ですね
親子の絆でなんたら…みたいなお涙ちょうだい系の感動ものとはちょっと違う
男同士の親子のちょっと不器用でちょっと打算的な絆、そしてロボットバトルという要素が”男の子心”にビンビンきざるえない

自堕落で他人に迷惑ばかりかけて口先三寸の刹那的な生活をするチャーリーが、金で親権をゆずって一夏だけ実子のマックスと過ごす…という流れ
ホントにどうしようもない父親のチャーリーと、けっこう頑固で強きな父親ゆずりの性格のマックス
似た者どうしぶつかりあい、意地を張り合いながら共通の要素であるロボット・ボクシングでつながっていく
と書くとかなり王道なストーリーですが、実際、かなり分かりやすい王道ものでしたね
でもそう単純なものでもなく、どうせ途中で気持ち悪いくらいベタベタする親子の絆っぽい展開になるんだろ…とか思ってたら、とにかく打算的なぎくしゃくした親子の絆が続く
そんなぎくしゃく感がかえっておもしろく、ずっと会ってなかった父と息子という関係がうまくあらわれてていい感じでしたね

だいぶ日本リスペクトな演出が多く、ロボットのデザインはさすがにアレですが、良い意味で日本のボクシングマンガを読んでるようにスッと映画の世界にはいっていけます
そういう意味でだいぶ少年マンガみたいなノリですので、ホントに泣かせ系の軟弱ヒューマンドラマを期待してると「ん?」って感じかもしれないですね
分かりやすいかどうか知らんけど、「いっけー!」って叫ぶと加速するミニ四駆に燃えられる「男の子の心」を理解できる人にとってはかなり楽しめるかもしれません
また、考えるよりも感じる系の作品なので、単純にロボットバトルのアクションものとして観るものアリかと

じゃっかんライバルの描写が弱くて、主人公との因縁みたいなものも特にないのが残念だった気がしないでもないけど、まあ、そこは些細な問題ということで

個人的評価:95点
オススメ度:大観衆の前で盗品であることを語っちゃう男の子って…




リアル・スティール 予告

2011年12月9日金曜日

鉄路の彼方 (2005/日)

監督:御影たゆた
出演:清川元夢 / 岡部政明







鉄路の彼方
過去と未来をうんぬんしてる鉄道
その駅で死んだはずの父親の姿を見たといって待ち続ける少年の話
しょうじき過去と未来を行き来する鉄道、というと今どき真新しさも面白味もない
それでも謎の映画屋(?)さんの存在が大きくて、この人がいることでこの作品はもっているといっても過言じゃない…と思う
最後の言葉は演出というより、なんかうまく誤魔化すためにああしたように邪推せざるえない


スクリーンの幻
この短編集の中で一番おもしろかった
難しすぎず、複雑すぎず、小粋でちょっとオシャレな感じ
ここでも謎の映画屋(?)さんが登場するんですが、この作品では主人公のキャラがしっかり立っていて魅力も備えてます
今さら無理かもしらんけど、この主人公みたいに小粋に生きたいと思わせてくれる


りんごのきのしま
絵本の世界をCGにおこしてみました的なミニミニ作品
完全に雰囲気を楽しむだけの内容ですが、これもしょうじきどこかで見たような内容と感じる
もっとこの作品から「実はこういうことを言いたかったんだよ」みたいなメッセージが強く感じ取れれば個人的に楽しめたかな、と


KLOKA
うん、なんか分かるようでよく分からない
自分の中で練りに練って産み出したような作品で、この話をよく分かってるのは作り手だけなんじゃなかろうか
観る人のことより「俺はこれを作りたい」みたいな”俺が俺が”感がちょっとしました
私があんまり頭を使うのがうまくないってことだろうけど、いまいち楽しめなかった




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2011年12月7日水曜日

あこがれ (1957/仏)

監督:フランソワ・トリュフォー
出演:ベルナデット・ラフォン / ジェラール・ブラン / ミシェル・フランソワ









年上の女性にあこがれを抱く幼い少年たち
恋という感情すら理解できない彼らは女性を憎むことしかできなかった

好きな女の子に悪戯しちゃう子供心ってのが万国共通だというのが分かる作品ですね
恋が理解できないもどかしさとあこがれ、性の目覚めにもまだ早い微妙な子供たちの描き方がホントにおもしろい
年上のお姉さんにあこがれがあるけど、正面切っては憎まれ口ばかり
でも隠れたところで想いをつのらせて、でも上手に発散できないもやもや感
そんな子供目線とあこがれの女性とその彼氏の大人目線が画面をばっさり分け切ってあらわれてます

ただあこがれの女性になんたらかんたら、というそれだけのストーリー
そして短編という短い尺
そんな中でここまで完成度を上げて「よく分からないけど、すごいおもしろい」と思わせてくれる作品も珍しいんじゃないでしょうか
悪戯ばかりする子供の気持ちも分かる、悪戯される大人の気持ちも分かる、作られた時代や国をこえてここまで分かりやすく”描きたいものを伝えられる”ってのは地味にすごい

ある意味でアイディア勝負の変化球こそ短編の魅力だと思ってたけど、こういう簡潔&ストレートに伝えようとしてくる楽しい作品もあるんだなあ、と思えた一本でした

個人的評価:90点
オススメ度:サドルの匂いで昂ぶれる上級者になりたい…?




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2011年12月6日火曜日

歌え!パパイヤ (2007/シンガポール)

監督:ロイストン・タン
出演:ミンディー・オン / ヤオ・ヤンヤン / チー・ユーウー / リウ・リンリン / メイ&チョイ / チェン・ウェイリャン / リン・ルーピン / ジョニー・ン / カレン・リム








それぞれ異なった境遇で育ったふたりの少女
偶然にであったふたりはパパイヤ・シスターズとして歌台でトップの歌い手を目指す

まあ、アレですね、タイトルだけで観るものを選んだ感がバリバリですが、まさにその通り
だってこのタイトルでこのパッケージだったら誰でもテクノ気になるでしょ?テクノ手に取るでしょ?
そら時代はテクノだわ
テク、ノォ、テ、クノォ、テ、テ、クノじゃない?

しょうじきストーリーを把握するのに苦労する作品でした
陰暦7月に霊を喜ばせるため(?)に行われる歌の祭典、歌台
ある歌台の夜に出会ったふたりの少女がマネージャー的なおばちゃんと、その息子で運転手の鶏男とともにトップアイドルみたいのを目指すようなそうでもないような話
女神ことおばちゃんの双子の姉から制約付きで不思議なパワーをもらい、いちやくスターに躍り出るんだけどビッグ&リトルのプライベートは順調とは言えず、さらにライバルのドリアン・シスターズからもうとまれはじめる
コメディなのか、スポ根風アイドルものなのか、ミュージカルなのか、ドラマなのか、とりあえず全部ぶっ込んだごった煮作品という印象が強いですね

すっと入ってくるような映画の手法はまったくなく、これがシンガポール映画の典型なのか知らんけど、ホントに初めて食べた異国の料理のように「おいしいような?そうでもないような?独特な味わい」があります
テクノ歌謡、派手な衣装、そして地味にひどい(褒め言葉)歌詞、歌のシーンがいちいち独特で変なPVを見てるみたいでおもしろいですね
でもホントに作品的にクセがありすぎるので、ダメな人はまったくおもしろく感じないかもしれません
特にマジメに映画を観ることに取り組んでる姿勢な人はダメかもしれない
B級どんとこい、ゲテモノ&色物のぞむところだ、という気概が必須です

そして、印象的なクライマックスからラストの流れ
意図的には泣かせようとしてるんだろうけど、さすがに泣くという方向性には感情がいかない
「え?なんだよ、その決着の付き方」というクライマックスから、「うわ、きっついわあ」というラストのふたりがぐるぐる回るシーン、そんなことを思うけどさすがに泣けない
とりあえずタイトルからパッケージ、本編の最初から最後までめちゃくちゃインパクトがある作品であることは間違いない一本でした

個人的評価:60点
オススメ度:女神の制約とはなんだったのか




歌え!パパイヤ 予告


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2011年12月4日日曜日

タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密(2011/米)

監督:スティーヴン・スピルバーグ
出演:ジェイミー・ベル / アンディ・サーキス / ダニエル・クレイグ / サイモン・ペッグ / ニック・フロスト








新聞記者でスクープを追って冒険の日々をおくるタンタン
ある日、骨董市で手に入れた帆船の模型をめぐり、怪しい人物につきまとわれる

年末&お正月映画として上映される作品の中で、アニメっていうジャンルだとどうしても子供向けな印象が強いです
だけど、この映画は普通に大人が観てもじゅうぶん耐えられる冒険活劇になってましたね
しょうじき子供にしか見えない主人公…というか普通に子供だと思ってたタンタンくんが実は職をもってる大人の男だったというのはビックリですわ

模型に隠された謎を追ううちに大きな陰謀に巻き込まれ、愛犬スノーウィと酒好きのハドック船長とともに冒険を繰り広げる…とにかく単純明快なストーリー
とにかく陸海空を舞台にして流れるようなアクションアドベンチャーの連続、スピーディな冒険活劇が楽しくてしかたない
意外にも普通に銃撃戦もあるし、暴力的なシーンも多い
ただあまり人の死や事態の惨劇を重く描かずにやんわりマイルドに仕上げているので、ちょっと物足りなさは感じるけど、そこは幅広い層に受けるための作りってことで

終盤になるにつれてじゃっかん「ハドック船長の冒険」じゃねえの、これ…と言いたくなるくらいハドック船長が主人公のタンタンをくってる感じは否めない
あとは愛犬スノーウィの活躍もけっこう印象に残ります
まあ、なにが言いたいかといえば、主人公の影うすくないか?と
そんなクセのない主人公の存在がアレでしたが、映画なら「インディージョーンズ」、ゲームなら「アンチャーテッド」が好きな人なら間違いなく楽しめる王道冒険ものでした

個人的評価:90点
オススメ度:続編も期待せざるえない




タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密 予告

2011年12月2日金曜日

逃想少年 (2002/日)

監督:山岸謙太郎
出演:橋本栄二 / 粕谷幸司









ある銀行強盗グループが日本を発つまでの時間、どうにかやりすごせないか模索する
そこにある男が通りかかり、その男を追ってアパートに押し入り…

自主制作の映画ですね
こういう作品は既存のテンプレートや制約をぶっとばすような自由な作風、ちょっとクセはあるけど楽しいシナリオ、作り手のセンスそのものを期待して観るのですが…
うーん、とりあえず出だしのシーンと音楽はいいですね
でもそこからいざ本編がスタートしてみると、ね…

しょうじき「あの時に観たあんなシーンを撮りたい」というパーツ、頭で構築して紙になぐり書いたような脚本、とりあえず若々しくて未成熟な感じは楽しめました
悪く言えばどこかで観たことあるような、あるいは有名作品にありがちなシーンを「俺が撮ったらこうなる」みたいにゴーイングマイウェイで作っちゃった印象
とにかく主観的でオナニーを見せつけられてる感じがクセがあって楽しい、と言えればいいけどそうじゃないのが残念でした
もうちょっと客観的というか、自分の作品を「俺が俺が」じゃなくて冷静に見つめた方がいいんじゃないかな、とか偉ぶった言い方をしてみる

けっしてつまらないってわけじゃないんだけど、さいごまで観たあとに「で?」と言いたくなるのはなんでだろうと想わざるをえない一本でした

個人的評価:40点
オススメ度:主犯の男、マジ小物


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2011年11月30日水曜日

11月のこれ一本

今月はちょっと色々とアレなんで短めでご容赦を

さて、11月は「冷たい熱帯魚」推しで

圧倒的な負のパワーが素敵です

では

ではは

2011年11月28日月曜日

水のコトバ (2005/日)

監督:吉浦康裕
出演:吉浦康裕 / 松藤里奈 / 酒瀬川真世 / 草野千裕 / 坂口裕介 / 吉浦彰彦 / 渡辺聡史



あるカフェで言葉を交わすウエイトレスと6人の男女
それぞれの会話が流れ混ざる中、失恋した男にウエイトレスはひとつ頼み事をする

「ペイル・コクーン」の中に収録してあった短編アニメ
かなり短い作品だけど、「ペイル・コクーン」同様に短編として楽しめる要素が必要最低限つまってました
「雰囲気アニメ、なのかなあ?」とぼんやり観ているとラストで、「あ、そうなの」ってなってもう一度さいしょから観たくなる作品ですね

これだけ短い尺の中で「ちょっとおもしろいかも」要素をクリアしていて、個人的に求める「ちょっとした間でちょっとだけ楽しめる映像作品」に合致していて楽しめました
4コマ漫画を見る感覚で鑑賞できる短編ってのはホントにいいもんです
作った人の個性やセンスがダイレクトに伝わってくるので、つまらんと思う人にはホントにつまらないし、その逆もしかり
個人で表現したいものがそこに映し出されている作品はクセもあるけど、やっぱりおもしろいですね

個人的評価:80点
オススメ度:友だちの友だちはみんな友だちだろ




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2011年11月27日日曜日

ペイル・コクーン (2005/日)

監督:吉浦康裕
出演:中尾みち雄 / 川島美菜子 / 小山裕香 / 吉浦康裕









階層構造の地下世界で発見された過去のデータを復元する仕事をしているウラ
ある日、珍しい音声付きのデータの復元作業をして…

短編としての「どういう話なんだろう」「こういう話か」「そういうことだったのか」の三拍子がそろってる作品でした
個人的に設定を広げるだけ広げて”続く”みたいに終わる作品は大嫌いですが、これはいちおうの完結を描いてるのでよかった
どういう話だか分からない中、なんか難しそうなSFがはじまった…と思ってたんですが、観てるうちにけっこう単純な話だと分かるので安心ですね

なんか知らんけど環境破壊的なアレで生活できなくなった人類が地下での生活をしなければならなくなってる世界観の中、昔のデータを発掘&復元しては緑の大地や動物たちの映像を見てすごす主人公
そんな過去を掘り起こすことに疑問を持ってほとんどの人が辞めていく現実
どんどん人は暗く冷たい地下へ地下へと追いやられる
そこで出会った音声付きのデータが主人公にもたらすものとは、みたいな内容ですね

ラストまで「こういう話かな」というわりとありきたりなストーリーの心構えでいたんですが、ラストでちょっと「ああ、そういうことか」と思わされました
それほどびっくりなものでもないですが、ちょっと小粋でひねてる(?)感じがして短編ものとしてしっかりと楽しめました
短編作品とはこういうもの、みたいな一本と言ってもいいかもしれません

個人的評価:80点
オススメ度:影の薄いヒロイン



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キミとボク (2011/日)

監督:窪田崇
出演:中村蒼 / 坂本真綾 / 小林優斗 / 中村映里子 / 谷川昭一朗









生後約3ヶ月の迷い仔猫とマンガ家を目指して上京してきた青年
七夕の夜に出会ったふたりの、ふたりだけの日常生活がはじまる

友だちとして寄り添う猫とマンガ家を目指す青年の暮らしを描き、勇気をもらえる物語
では、そこから内容を想像してみてください
と言われて大概の人が思いつく、まんまな内容でしたね

猫目線でナレーションを入れた作品で、青年と過ごす年月の中で”ただ寄り添う”それだけなのに温かい、というのを目指してるのかもしれませんがこの作品じたいに感情に訴えてくるものがない
良い話は良い話なんだけど、それだけ
先が読めすぎる展開、別に目新しいことはなにもなく先人が作ってきたプロットをなぞってるだけ…な気が素人目にはしました

肝心の猫との生活を平均的なダイジェストにしてるんですが、もっと”ここをみせたい”というポイントに足を止めて重点的に描いてほしかったかも
猫との友情、日常、喜び、辛さ、すべてがダイジェストになってしまってる感じ
ほろ苦いカフェオレみたいな印象で”勇気がわいてきてほっとするミルク”の部分が際だたない
個人的には冷めかけたブラックコーヒーに一滴たらされたミルク、みたいのを観たかったかな
なんか言ってることがよく分からないかもしれませんが

個人的評価:50点
オススメ度:仔猫の神がかってる感じの演技はすごい




キミとボク 予告


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2011年11月24日木曜日

アーサー・クリスマスの大冒険 (2011/米)

監督:サラ・スミス
出演:ジェームズ・マカヴォイ / ヒュー・ローリー / ビル・ナイ / ジム・ブロードベント / イメルダ・スタウントン / アシュレー・ジェンセン








北極で代々サンタを受け継ぐクロース家で育った陽気なだけが取り柄のアーサー
父である現サンタと兄の共同戦線で今年も無事にプレゼントを配り終わったはずだったが、ひとりだけ配り忘れが見つかりアーサーはなんとかしようと立ち上がる

なんだか知らないけど日本ではヒットが望み薄なクリスマス映画
さらに日本では有名制作会社じゃないと見向きもされない感じなCGアニメ
「ランゴ」もそうだけど、じっさいに観てみるとけっこうおもしろい作品だったりするんですけどね
有名どころな「ヒックとドラゴン」すらもっと盛り上がるべき作品的な位置づけな気がするくらいだから、しょうじきこの映画も興行的にはキツイかもしれませんね
近いところで「タンタンの冒険」もひかえてることだし
と、セールス的なことを素人の自分が考えてもしかたなしですが

お気楽サンタのお父さん、野心家で有能な兄、そしておちこぼれの主人公
まあ、よくある周りから無理だなんだと後ろ指さされながらも、なんとか必死にがんばって大金星をあげるおちこぼれ主人公という王道ストーリー
とりあえず冒頭の軍事行動チックな妖精たちによる人海戦術プレゼント配りによるメリー化がこの作品をよくあらわしてます
ハイスピード&ハイテンション、飽きさせたりツッコミを与える間をあけずに突っ走ることで強引にねじ伏せてくるパワープレイクリスマス映画ですね
プレゼント一個配り忘れた→届けにいかなくちゃ、というメインの話なんですが、それだけで一本の映画を作ろうと思った勇気はすごいと思う
じっさい観てて「それだけの内容でどう間をつなぐんだ」と心配になる

でもとにかくパワープレイでねじ伏せ&畳みかけ演出によって誤魔化された気もしないでもないけど、飽きることなく最後まで楽しめました
基本的に不仲なおじいちゃん、お父さん、お兄ちゃんの打算的なサンタっぷりに、アーサーはこれまでよく純真なまま育ってこれたな、と思わざるえない
この映画はある意味で純真無垢な子供たちが大切に思うサンタの夢を壊しかねないんじゃねえの、と
そこまで大げさじゃないか…
内容的にはファミリー向けではありますが、ギャグのセンスとか大人でもクスリとできるところもあるんで、別にクリスマス映画というフィルターを通して観なくてもじゅうぶんにおもしろいですね

それでもやっぱりストーリーの王道すぎる展開が安心ではあるんですが、もうちょっと意外性というかひねったものも欲しかったかな
悪く言えば「どうせこうなるんだろ」とドキドキハラハラ感がまったくないんですよね
大冒険というより珍道中に近い話な気もしました
そんな感じで普通に楽しい、そんな言葉が一番似合う作品でひとりで観ても家族で観ても安心な一本でした

個人的評価:75点
オススメ度:飼い慣らされたトナカイが野生の勘、だと?




アーサー・クリスマスの大冒険 予告

2011年11月23日水曜日

ROOM-H6 (2005/スペイン)

監督:マーティン・ガリード・ライミス
出演:フェルナンド・アカソ / マリア・ホセ・バウサ / アレッホ・ザウルス / ラクエル・アレナス








恋人をケンカの末に殺してしまい刑務所に入っていたアントニオ
出所後、元売春宿の廃ホテルを相続し妻をめとるのだったが、更正したかに見えた彼は売春婦を家にあげて…

ビックリするほど低予算で、じゃっかん監督のオナニーがはいってるカリスマシリアルキラーもの
監禁拷問系の内容ですが、これもビックリするほどゴア描写がないのが特徴
じわじわと恐怖でいたぶる様と、シリアルキラーである主人公のゆがんだ思想がウリなんだろうけど、これまたかなり観る人を選ぶかもしれません
個人的にはちょっと合わない、かな

元売春宿を改装してマイホームにしたアントニオが妻とそこで生活する表の顔
そして一方では町の娼婦を監禁し、邪魔な男は容赦なく殺す裏の顔
昼は妻と仲むつまじく過ごし、夜は監禁した娼婦に説教をたれる
で、さんざん説教たれた末にあっさりと殺す…を繰り返す内容です
ええ、ただ繰り返すだけです
そこに美学を感じるか否か、主人公に怪しいカリスマ性を見いだせるか否かでこの映画を楽しめるかどうか決まるかもしれません
しょうじき私は「ぼくのかんがえたさいきょうカリスマシリアルキラー」を見せつけられてるあざとさを感じて、どうにもこの作品世界に没入できませんでした

とりあえず直接的にいたぶったり、ゴアゴアなのを期待してると「へ?」ってなりますね
まったくといっていいほど直接的な描写はないし、ぜんぜんグロくもない
よくよく内容を観てればさらっとエグイことをやってるんですが、とりあえず主人公は口よりもっと体を動かして拷問してほしかった
こんなことを書くとアレですが、暴力描写が物足りなさすぎる
主人公の妻に対するスタンスと、事の全容が分かるラストはちょっとおもしろいけど、それだけなんですよね

ホントにもっとクソB級ゴアゴア路線でやってくれれば、まあ、ありきたりな内容になるだろうけどもっと楽しめたかな、と思える一本でした

個人的評価:40点
オススメ度:排泄物関係はどうなってるのか、そこが気になった




ROOM-H6 予告


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2011年11月22日火曜日

コンテイジョン (2011/米)

監督:スティーヴン・ソダーバーグ
出演:マリオン・コティヤール / マット・デイモン / ローレンス・フィッシュバーン / ジュード・ロウ / グウィネス・パルトロー / ケイト・ウィンスレット / ブライアン・クランストン / ジェニファー・イーリー / サナ・レイサン / ジョシー・ホー / チョイ・ティンヤウ / モニーク・ガブリエラ・カーネン / ダリア・ストロコウス / ジョン・ホークス / アルミン・ローデ / ラリー・クラーク / アナ・ジャコービー=ヘロン / ディミトリ・マーティン / エリオット・グールド / エンリコ・コラントーニ / ジム・オルトリーブ / カーラ・ゼディカー



ベスは香港から出張で戻り間もなく脳炎に似た症状により亡くなってしまう
そして妻のベスに続いて息子を同じ症状で失った夫ミッチは隔離、世界にパンデミックの恐怖が広がっていく

わりと定期的に作られてる気がしないでもないパンデミックもの
あるいは人間の本性やらを描く社会派ドラマとして、あるいはパニックエンターテインメントとして、そしてこの作品は両方の性質をうまく混ぜ合わせてる…と感じました
ドラマとして重すぎず、エンターテインメントとして軽すぎず、絶妙なさじ加減でじわじわと広がる感染拡大の様子とそれに対抗する研究、パニックになる人々、状況を利用しようとする人たち、それぞれの小さなドラマによってつむがれるものを淡々と描いてますね

話的には感染が拡大していく様子をベースに、それに対する人たちのドラマを描いていくって感じ
妻と息子を失った夫が唯一残された娘を守り一般人の視点で描かれる物語、CDCにてウィルスに対抗すべく調査研究開発をする者たちの物語、パニックに陥っていく人々の様子の物語、守るべき人々のために戦う者たちの物語、状況を利用して優位に立とうとする者の物語…
それらがすべて合わさっているからこそおもしろい作品になってますね
しょうじきどれかに的を絞った内容だったら途端につまらなくなるかもしれません
ミッチの一般人視点とエリスのCDCによる全体像視点、スンの皆のことを思う視点とアランの利己的な視点、画面に映し出されるもののバランスがホントによくできていて後から思い起こせばかなり地味な内容なのにまったく退屈することなく最後まで楽しめました

ただなんというか、これは個人的に楽しめただけあって微妙に他の人には強力にオススメできない作品かな、と思うのも確か
人によってはひどく散漫で視点が定まらず、けっきょく何が描きたかったのか中途半端に思えるんじゃないのかな、と
それだけエンターテインメントに特化してるでもなく、深いドラマでもないんですよね
かなり乱暴な言い方をすれば、そんな中途半端な立ち位置がおもしろい作品
あとちょっとでもバランスがくずれたらいっきにつまらなくなったろう、そう感じるさじ加減を楽しむ一本かもしれません

そう小難しい作品でもないんでまったりと観るにはいいですが、あえて「こんなのが観たい時に最適」というシチュエーションが思い浮かばない、なんとも個人的に不思議な魅力があった内容でした

個人的評価:90点
オススメ度:-(



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2011年11月20日日曜日

メカニック (2011/米)

監督:サイモン・ウェスト
出演:ジェイソン・ステイサム / ベン・フォスター / ドナルド・サザーランド / トニー・ゴールドウィン / ジェイムズ・ローガン / ミニ・アンデン / ジェフ・チェイス / クリスタ・キャンベル







超一流の殺し屋アーサー
恩師とも親友とも言える男を組織の命で殺し、その遺された息子を弟子としてむかえる

自分にとって大切な人が標的になり、自ら手をかける
その事実を隠しながらも遺された息子を引き取って弟子としてむかえ、実践に出すまで育てていく…うん、どうにもありきたりで今さら感のある話だなあ
と、思ってたらリメイク作品なのね、これ
まあ、ストーリーよりもアクションを観てくれ、って作風だからそこら辺は気にしなくてもいいのかもしれませんが

復讐相手が師匠な感じのなんとも妙な殺し屋師弟ものですね
とりあえずハイテンポで無駄のない流れるようなアクションがつまってる内容
なんとなくジェイソン兄貴でアクションを撮りたかっただけって感じもするけど、けっこう堅実に作ってあってつまらなかったり飽きがきたりはしません
ただ、そんなにおもしろくもないってのがアレですが
ホントに丁寧にじっくりと焼き上げた「やきいも」みたいな映画ですね
丁寧に、堅実に、観ていてストレスを感じないように、流れる直球勝負のアクションを撮っているのは悪いことじゃないと思うんだけど、ガチガチすぎて逆に面白味がない印象が強いです
良い意味で灰汁やインパクトがないんで、「うん、いいあんばいに焼けてるやきいもだなあ。おいしいね」としか言いようがない
とりあえず、もうちょっと弟子くんのキャラをもっと個性的にはっちゃけてくれた方が楽しかったんじゃなかろうか、と素人考えで思わざるえない

それでもクライマックスからオチまでの流れはいい感じ
とりあえず根っこはプロであることを徹した主人公は素敵でしたね
色々ともっとおもしろくなる要素あると思うのに、なんかもったいないデキになっちゃってる良くも悪くも普通な一本でした

個人的評価:70点
オススメ度:ジェイソン兄貴が出なかったら超絶地味映画になるな




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2011年11月18日金曜日

冷たい熱帯魚 (2010/日)

監督:園子温
出演:吹越満 / でんでん / 黒沢あすか / 神楽坂恵 / 梶原ひかり / 渡辺哲









再婚の妻と実娘とともに小さな熱帯魚店を営む大人しい男、社本
ある日、知り合った同業者の村田と公私にわたって付き合っているうちに、なにやら雲行きが怪しくなってきて…

ヤバイヤバイと噂の映画ですが「そうは言ってもたかが知れてるだろ」と期待はせずに鑑賞
うん、なんというか「ヤバイ」というか色々と「ヒドイ」
良い意味でヒドイ
そして、この作品を観ておもしろい、と思うのはちょっと気がひけるけど最初から最後まで目が離せないおもしろさが確かにありました

しょうじきこの映画は前知識なしに観た方が格段におもしろい内容だと思うんで、あまり詳しく書きませんが「主人公がどんどん重大なことに巻き込まれていく」系のお話ですね
とにもかくにも村田(夫)役のでんでんさんの存在感がすさまじく、それだけじゃなく他の役者さんの演技がやばいくらいにハマってる
地味で普通の人たちなんだけど、「ぜったいなんか怪しい」的な雰囲気を全員が持ってます
出てくる人物がホントにいちいち臭いヤツらばかり
個人的にはイマイチかなと思ってた村田(妻)が、終盤では見事に評価が一変して「マジもんじゃねえの?」と思わされましたね
ホント、あの目つきはやばすぎる

その異様な雰囲気のやばさが話題になってるところもありますが、ドラマ部分もけっこうおもしろい
ストーリー展開じたいはオーソドックスだし、ぶっちゃけ先が読めすぎる部分もありますが、描写と演技による「いちいち説明しないけど分かるだろ?」みたいな行間を読ませる演出がにくらしい
分かりにくくならないていどに必要最小限の説明だけで、あとは映像から自分で判断して「ああ、こういうことがあったんだろうな」と自分で理解したように思わせてくれる描き方はさすが
「俺、分かっちゃったもんねえ」とちょっと優越感にひたれるように仕向けてくれる感じで、それが分かっててもやっぱり気持ちいい

ラストもラストでホントに「ヒドイ」し「最低な映画だな」と褒め言葉的な意味でこれを作ってくれたことを感謝せざるえない一本でした

個人的評価:100点
オススメ度:人の本質を見抜けてしまう人間は怖い




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2011年11月16日水曜日

屋敷女 (2007/仏)

監督:ジュリアン・モーリー / アレクサンドル・バスティロ
出演:ベアトリス・ダル / アリソン・パラディ / ナタリー・ルーセル / フランソワ・レジス・マルシャソン / ニコラ・デュヴォシェル / リュドヴィック・ベルティロ / エーマン・サイディ / エマニュエル・ランジ







交通事故で夫を亡くした妊婦
そして4ヶ月がたち赤ちゃんが間もなく産まれるという頃、家に見知らぬ不気味な女がおとずれる

邦題で損してる映画シリーズ
いやあ、これ単なる痛くてグロイってだけのホラーじゃないですね
序盤の気怠い雰囲気から一点して緊張感が続く本編、さばさばと描かれる痛いシーン
個人的な感覚ですが、あんまり「あ、いた、痛い痛い…」というより、ホントに思いっきりざっくりやってくれるんで痛さはそう感じない、かな

いきなり訪れてくる見知らぬ女、なぜか自分のことや家庭環境のことを知っており、不気味で暴力的
警察を呼ぶけどうまく女は隠れ通し、ついには家の中へ…
最初はじわじわと恐怖をあおる系かと思ってたんですが、いきなり直球全開な暴力的恐怖展開に
狭い家の中で殺る気まんまんな女と身重の妊婦、どう考えても勝負にならないんですが、途中途中で主人公の家に第三者が訪問してくることで展開の単調さを薄めて、さらに緩急がつくことで緊張感が継続していきます

とにもかくにもクライマックスからラストまでの流れがこの映画の一番の見どころで、よくある「吹っ切れた主人公と殺人鬼のタイマンバトル」展開かと思ってたら、まさかまさかの伏兵が現われたり…さすがにこの流れは読めないわあ
そしてラストの見せるでも見せないでもない黒塗り演出、いやあ、さすがに道徳的にアレな気がしないでもないですが、個人的にはアリかな
とか書くと人間性を疑われるか?

もろにグロ方面の作品でしたが、そう気持ち悪いって感じでもない、と思う
あまり映画の世界に入りこんじゃうと「うへえ…」となるかもしれませんが

個人的評価:80点
オススメ度:期待しないで観たらおもしろかった「良い拾いもの」という言葉がぴったり




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2011年11月15日火曜日

インモータルズ -神々の戦い- (2011/米)

監督:ターセム・シン・ダンドワール
出演:ヘンリー・カヴィル / ミッキー・ローク / ジョン・ハート / スティーヴン・ドーフ / フリーダ・ピント / イザベル・ルーカス / ルーク・エヴァンス / ケラン・ラッツ / ダニエル・シャーマン / ジョセフ・モーガン / ロバート・メイレット / スティーヴ・バイヤーズ / コリー・セヴィエール / マーク・マーゴリス / スティーヴン・マクハティ / アラン・ヴァン・スプラング / ピーター・ステッビングス / ロマーノ・オルザリ / グレッグ・ブリック




光の神々によって封じこめられた闇の神々タイタン族の解放を企むハイペリオン
その軍勢がある村を襲い、そこで密かに光の神の寵愛を受けて育った人間テセウスはハイペリオンに母を殺されたことで戦いに身を投じる

大衆向けの雑味がありながらも勢いで突っ走るB級アクションでもなく、荘厳な世界観を描く重厚なファンタジードラマでもない
とりあえず中途半端という言葉が一番しっくりくる作品でしたね
独特な美術もけっきょくは上辺だけの見かけ倒しにしか見えず、画面が地に足がついてないようなふらふらした印象を受けました
それが悪いわけでなく、それならそれでB級アクション路線でスタイリッシュなバトルシーンをウリに勢いまかせでやればまだ観れたのですが・・・

タイタン族を解き放つための弓を探して各地の神殿を襲うハイペリオン
その侵略によって母を失いながらも光の神のバックアップもあってハイペリオン軍に対抗するテセウス
なんやかんやでキーアイテムである弓を手にしたり失ったりしながら、神のパワーがチートすぎるだろ・・・という内容
とにかく予告編を見て「こりゃ神話をモチーフにしたB級スタイリッシュバカアクションだな!楽しみだぜ!」と思ってたのに、変にストーリー展開に尺をさいてるせいでガッカリ感がハンパない
しかもそのストーリーじたいがどうでもいい感じの代物で、退屈だってんだからどうしようもない
ストーリーとかいいから、そういうの気にしないで弾けてくれていいから、と言いたくなる

せっかく主人公がピンチになって緊張感が生まれたのに、いきなり全能の神パワーで事態を解決しちゃうってどうよ?
主人公の見せ場であるバトルシーンまで神々の超人戦闘描写でかっさらってくってどうよ?
そのくせに光の神はビジュアル的に雑魚敵にしか見えないタイタン族にあっさりやられるしまつ
炎や雷とか超常的なパワーじゃなくあくまで得物によるバトルに固執する神々、巨大なファンタジーモンスターもでてこない、等身大の神様と地味なテセウスの描写・・・
箇条書きのストーリーに存在感が微妙すぎるテセウスの仲間たち
いやあ、ここまで見事に見た目だけ派手な中身すかすか映画だとは思わなかった

とりあえず続編とか考えなくていいから、と言わざるえないそんな一本でした

個人的評価:50点
オススメ度:アポロさんをわざわざ名前入りで出す意味について




インモータルズ 予告

2011年11月13日日曜日

マネーボール (2011/米)

監督:ベネット・ミラー
出演:ブラッド・ピット / ジョナ・ヒル / フィリップ・シーモア・ホフマン / ロビン・ライト / クリス・プラット / ケリス・ドーシー / スティーヴン・ビショップ / ブレント・ジェニングス / タミー・ブランチャード / ジャック・マクギー / ヴィト・ルギニス / ニック・サーシー / グレン・モーシャワー / アーリス・ハワード / ジェームズ・シャンクリン / ダイアン・ベーレンズ / リード・トンプソン / タカヨ・フィッシャー





メジャーリーグの貧乏球団アスレチックスのジェネラルマネージャー、ビリー
2002年、主力選手を他球団に引っ張られ苦しい状況でチームを優勝させる方法を考える中、経済学を専攻していたピーターと出会い彼のもつデータに惹かれるのだった

それまでの球界の常識の殻を破り、堅物からは異端視され周囲からはあからさまに侮蔑のまなざしを浴びせられながらも、彼の持つ改革案を押し通して苦況にたちながらも実を結んでいく…
というようなその業界を突飛な方法で改革していく系のよくあるサクセスストーリー、ではないんですねコレ
ある意味でビリー・ビーンの始まりの物語
彼の変革の一年とこれからを描いてる「ビリー・ビーン物語」であって、「マネーボール理論によるサクセスストーリー」ではない
最後まで観るとそのことが分かって「ああ、そういう映画だったのか」と思うとともに、じわじわとおもしろさがこみ上げてきます

貧乏球団が金持ち球団の真似をしても結局は資金力の差を痛感するだけで意味がない
いわゆるスタープレイヤーは軒並み金持ち球団に持って行かれ、若手を育てても育ちきったら他に持って行かれるイタチごっこ
そんな中で出会ったピーターと共にデータによる出塁率を重視した「マネーボール理論」を押し通すことに決める
でもそれはデータだけではなく長年の経験により選手を見る目をもつスカウトマン、自分の実績に泥を塗りたくないがために安全な選手起用でビリーを無視するチーム監督によって思うようにことが進まない
野球とかよく知らない自分でもビリーのマネーボール理論はけっこう乱暴な感じがしましたね

四球でもヒッティングでもとにかく塁に出る、勝利のための選手起用により容赦なく不要な選手は切り、必要な選手を引っ張ってくる
選手を育てるとか信頼を得るとかそういった長期的な発想からくるものではなく、とにかく目の前の優勝を狙うためのチーム作り、あんまり知識がなくてもそういった印象を抱かざるえない
日本のドラマやマンガなんかである改革ドラマものとは違い「一見冷徹そうだけど」という甘いところがいっさいない
そんな終始ブレない男の姿を楽しめるか否かで評価が大きく変わってくるかもしれません
特に普通の作品ではクライマックスにしてエンディングにもなりえる連勝記録の顛末、さらにそこから続く流れがこの映画を象徴してる展開になってます

繰り返しになってしまいますが、ホントにビリー・ビーンの転機になったできごとの最初の一歩を描いた作品ですので、野球映画的なサクセスストーリーを求めてると「ん?」となるかもしれません

個人的評価:85点(あとからジワジワくる)
オススメ度:マネーボール理論が良いとか悪いとかそういうんじゃねえから、これ




マネーボール 予告

2011年11月9日水曜日

ファイナル・デッドパーティー (2009/米)

監督:アダム・ギーラッシュ
出演:シャノン・エリザベス / モニカ・キーナ / ディオラ・ベアード / マイケル・コポン / ボビー・スー・ルーサー / ジョン・F・ビーチ / エドワード・ファーロング








50年間だれも住み着かなかった古い屋敷で行われるハロウィン・パーティ
警察によってパーティは解散になったが、残った男女7人は地下の隠し部屋で謎の死体を見つけ…

全世界待望のファイナルデッドシリーズ最新作!
イエァ!ホゥッ!やったぜ!って、誰が騙されるか!バーカバーカ!
まあ、私の知らない類似系の「ファイナルデッド」というシリーズがあるのかもしれないけど、たいがいの人は「ファイナル・デスティネーション」シリーズを思いつくでしょ?
とりあえずこの映画は「予知夢」の要素も「死の順番」の要素も「死に関するルール」もない
デスティネーション系とはまったく接点がない

内容的にはいわくつきの館でハロウィンパーティして調子こいてたら、地下で死体に指をかまれてなんか感染だか乗り移りだかされて、男女7人が次々に悪魔化しちゃって大変だべ…みたいな感じ
とりあえずこういう今さら感が漂うクソB級映画を作るんだったら、もっとはじけて「バカか!」と叫びたくなる素敵ポイントが必須だと思うんだ、ボク
でも、この作品にはそんな見どころがほぼない、本当にオーソドックスで毒気も味気もないクソB級映画だから困ってしまう
ようするにいたって普通の誰でも退屈できるクソB級映画

とりあえずとっとと悪魔が動き出して人を襲いはじめろよ、と言いたくなるくらい前置きが長い
序盤、中盤で軽くデスシーンを描いておいて、ラストでエログロ全開というのがホラーのテンプレート的な展開だと思うんですが、尺の90分中60分が前置きとかさすがに長すぎる
いや、ホントにそんな人間関係とかキャラ描写とか、こんなクソB級映画でそこまで丁寧にドラマ部分を描かなくていいから
とりあえず誰でもいいから軽く犠牲者だしとこ?マジで、と言わざるえない
それでも唯一の素敵ポイントである「口紅をおっぱいから挿入してアソコから出す」という文字にしてみてもイマイチ分かりづらいシーンが印象に残ります
むしろそのシーンがこの映画の全てです

というわけで、久々に「見える地雷」を踏んでみたくなって観たこの一本、みなさんもぜひチャレンジしてみてはどうでしょうか
オーソドックスなクソB級映画とはどんなだ?という問いに対する答えがそこにある!

個人的評価:20点
オススメ度:もはや乗り移りたいんだか殺したいんだか




ファイナル・デッドパーティ 予告



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2011年11月8日火曜日

カイジ2~人生奪回ゲーム~ (2011/日)

監督:佐藤東弥
出演:藤原竜也 / 伊勢谷友介 / 吉高由里子 / 生瀬勝久 / 香川照之 / 松尾スズキ / 柿澤勇人 / 光石研 / 嶋田久作








再びの借金生活で地下に墜ちていたカイジは、仲間の助けにより14日間だけ地上に出ることを許される
手持ちの金109万円、これを仲間たちの借金もふくめて2億円にしようと画策するのだが…

前作がそれほど期待してないで観たらそこそこおもしろかった「カイジ」ですが、さすがにこの続編はダメダメな感じな臭いが漂ってました
ええ、観る前までは
で、結局のところ、前作以上に期待値が低かったこともあって、これがけっこう普通におもしろく感じた不思議
序盤からかなりテンポよく話が転がっていき、「ヒット後の続編だけに、どうせ軽いスカスカな内容なんだろうな」という思いは勘違いだったと反省せざるえない
だけど、最後まで観た結果「おもしろかったか?」と聞かれたら「うーん?」といった感じでしたが

14日間で2億円を手にしなくてはならない無茶な状況の中、かつて遺恨のあった利根川と偶然に再会し帝愛の息がかかった裏カジノの存在を知る
そのカジノのレートは異常に高く、これなら一攫千金でかせげると思ったカイジだが、そこで出会った坂崎という男から攻略すれば11億円はくだらないパチンコ「沼」の存在を教えられる
そして、そんな裏カジノを仕切るのはカイジを敵視する帝愛の幹部、一条であった
そんな感じの出だしでしたが、昔に原作をこの沼編の中盤あたりまで読んで挫折した記憶をたどると、だいたいマンガ版をなぞってる感じなんじゃないでしょうか
ただマンガだともっとまどろっこしくて、それがゆえに途中で読むのをやめた私ですが、この映画版ではそこら辺の序盤の展開が簡潔にまとめられてる印象でした

で、観ててどうしても気になるのが俳優陣の演技
前作ではそんなでもなかったんだけど、今作では主人公のカイジ役の演技がちょっとひどい気がしないでもない
それにもましてヒロインの演技があまり演技力にこだわりのない自分からみても「そうとうひどい」レベル
本気でおまえらちょっとそれ以上しゃべるな、と言いたくなりましたね
うん、それはそれで「こんなもんだ」と割り切れないこともないんですが、それ以上にちょっと気になったのが終盤のグダグダすぎる展開
ピンチ→この金を使え!→ピンチ→この金を使え!→以下略…
えっと、カイジってこんな絆とか信じる心とかパワープレイで押し通す内容でしたっけ?
原作途中リタイア組としてはあまりカイジについて多くは語れないかも知れませんが、イメージ的に絶体絶命の中でわずかな光明を見つけ出して心理戦や頭脳戦でギリギリの綱渡りをする…と思ってたもので
さすがにこのクライマックスの押せ押せパワープレイはちょっと、ね

ラストの勝負が始まった時には「お、きた!前作のなぞりでアレだけど、こういう勝負が観たかったんだよ」と、これで気持ちよくこの映画を楽しんで終われると思ってたら…なんともいえないオチでしょんぼり
でも途中まではかなり楽しんで観れたので、どうにも終盤の展開がもったいないけど、クソつまらんまではいかない微おもしろい一本でした

個人的評価:75点
オススメ度:だってしょうがないじゃない、じゃないよビッチ




カイジ2~人生奪回ゲーム~  予告

2011年11月7日月曜日

メアリー&マックス (2009/豪)

監督:アダム・エリオット
出演:トニ・コレット / フィリップ・シーモア・ホフマン / エリック・バナ / バリー・ハンフリーズ / ベサニー・ウィットモア / レニー・ゲイヤー / イアン・モリー・メルドラム








オーストラリアに住む友だちのいない寂しい少女メアリーと、ニューヨークに住む44歳の精神を病んでいる男
二人はひょんなことから文通をすることになる

いかにもな感じの海外デザインなクレイアニメ
ぐにゃぐにゃどろどろって感じのクレイアニメ独特な表現は控えめで、その先にある「作品としてのおもしろさ」をきちんと表現できてると思いましたね
ブラックなユーモアたっぷりでかなりひどい展開がありつつも、なんともいえないコミカルな表現で深刻になりすぎない描き方で進んでいきます
そんな深刻になりすぎないデフォルメされた演出を楽しんでいると…って感じのクライマックスの流れは秀逸
というかまさかクレイアニメで話じたいに感動するとは思わなかった

コンプレックスのかたまりで友だちが欲しくてもできないメアリー、トラウマのかたまりで精神的にアレな状態で孤独に生きるマックス、そんなふたりが文通をはじめることで前向きに、時には後ろ向きに人生を変化させていく…みたいな内容
寂しい者どうしが手紙でつながることですべてがハッピーに進む、という単純な話じゃなく、そのせいで悪化するものもあってなかなかに先が読めない展開がおもしろい
なにげに歳月はどんどん進むし、文通がふたりの人生そのものに作用していく
甘くはないふたりの人生を見守っていく作品ですね

特にラストが個人的にかなり気に入りました
なんとも「きみの友だち」を思い出さざるえない
ラストのマックスのあの表情と姿勢、その意味が分かったとたんに「うわあ、そうかあ、そうきたかあ」とジーンときちゃいました
クレイアニメなんて変幻自在にうねうね動くだけの表現作品かと思ってたけど、きちんとストーリーをつけることでこんなおもしろくなるんだ、と感じた一本でした

個人的評価:90点
オススメ度:文通とか微妙にあこがれるけど、今の日本じゃかなりファンタジーな部類だろうなあ




メアリー&マックス 予告


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2011年11月6日日曜日

モンスターズ 地球外生命体 (2010/英)

監督:ギャレス・エドワーズ
出演:スクート・マクネイリー / ホイットニー・エイブル









メキシコが地球外生命体に侵食されて6年
ある新聞社のカメラマン、コールダーは社長の娘であるサムを海岸までエスコートしてアメリカに帰国させるよう命令される

モンスターと軍隊の戦いに巻き込まれる一般人視点の「クローバーフィールド」
モンスターを隔離して一時的な滞在者として描いた「第9地区」
モンスターと戦うモンスターヒーローの誕生話の「スカイライン」
モンスターと軍隊のガチバトルを描いた「世界侵略」
そして、モンスターと比較的に遭遇しにくい道をたどってラブロマンス逃避行の今作
騙された、騙されたよ…モンスターパニックかと思ってたらロマンス系かよ
しかも個人的にちょっと理解できない部類に入るロマンスものでした

社長の娘を上司のパワハラにより嫌々ながら国外に脱出できる海岸まで送ることになった主人公
モンスターにはなんだか活発に活動する時期みたいのがあって、そろそろそんなシーズンがやってくる微妙に危険な情勢
それでも金をかけて娘の安全…というより社畜的な弱者の立ち位置によって金で安全を買ってモンスターに襲われにくいルートで旅を続ける一行
いやあ、とりあえずなにがビックリかって、本編中にモンスターと主人公たちが遭遇する回数が数回しかない上にかなり一回が短時間なんですよ
さらに言うなら敵意をもったモンスターに襲われたのって2回だけじゃないのかな
個人的な体感だと九割がた主人公たちがダラダラと移動してるだけのシーンな印象です

クライマックスのアレといい、たぶんこんな設定の中でのロマンスを描きたかったんだろうけど、まったく共感できないし理解できない
「ぼくのかんがえたあたらしいモンスターえいがのかたち」って感じで撮ろうと思ったんだろうけど、悪い、個人的にまったくおもしろいと思えなかった
むしろ眠かった。いや、ガチで途中で寝た
なーんか、いつのまにやら恋愛感情がわいてるふたりがただ国外に脱出するために電車、車、船、徒歩で移動してるだけだよ?
べっつにモンスターに追われてるわけでもなし、普通に移動してるだけ
これを楽しめるほど悟りをひらいてないんで
もしくはこういうロマンスを受け入れる器が私にはないんで

ホントに観る人を選ぶ映画で、個人的にたまたま「合わない」側の人間だっただけだろうけど、こういう静かで地味なSFの世界観を酔う作品は「合わない」かもしれんね

個人的評価:10点
オススメ度:パスポートの管理くらい自分でしとけや




モンスターズ 地球外生命体 予告


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