2012年6月30日土曜日

6月のこれ一本

6月も終わりです
と、書いてる時点でもう7月で、6月に観た中でこれっていう一本を書くのを完全に忘れてたわ
そんなわけで大人の汚いやり口で更新日時をいじって僕は過去更新をする!

はい、なんかおっさんが妙な口調で書いてみてもキモイだけですね
どういうわけかはさておいて、というわけで今月の一本は「ジェーン・エア」しかありません
ホントにザ・映画ってくらいにおもしろいし、このジャンルに興味ない人も「最近ではジェーン・エアが好きかな」とかいっておけば映画通を気取れるかもしれないですよ

ごめんなさい
いや、マジで普通におもしろいから、ロマンス系にアレルギーがないなら観て損はないと思います

2012年6月28日木曜日

ラビリンス 魔王の迷宮 (1986/米)

監督:ジム・ヘンソン
出演:デヴィッド・ボウイ / ジェニファー・コネリー / シェリー・トンプソン / トビー・フラウド / クリストファー・マルコム / ナタリー・フィンランド








夢見がちな少女サラは、そりの合わない継母の言葉に機嫌を損ねてしまう
そんな中で留守番を頼まれた彼女は泣きやまない赤ん坊の弟に苛つき、思わずゴブリンの王に弟を連れ去って欲しいと願ってしまい…

ちょっと懐かしい映画を観てみようシリーズ
子供のころに観た記憶があるこの作品、個人的にはファミコンのゲーム版をやりこんでた記憶の方が強いですね
まあ、それはそれとして、おっさんになった今、この作品を観て感じたのは「幼子に読み聞かせするような内容の映画だな」という当たり前すぎる思いでした

一人遊びが大好きで、しょうじき痛い性格に見えなくもない夢見がちな主人公が、ちょっと意地悪な気持ちにおちいってしまいその報いを受ける的な内容
まんま悪いことするとなんたら、って感じで幼子にお母さんが言い聞かせるようなでたらめ話みたいな感じ
想像はしてたものの、思った以上にちっさい子供むけっぽい印象ですね

冒頭から弟をさらったゴブリン王みずから自分たちの世界に主人公を連れてきて、さらに制限時間やらのルールを説明する親切設計に違和感をおぼえなくもない
たぶん主人公に対する試練的なもので、ゴブリン王が反面教師みたいな役を演じてるんだろうな、ってのが理解できるんですが、そう思えるようになった自分が大人になったのかなあ
ただそれならそれで、もっと分かりやすく演出するか、もしくはもっとミスリードする感じで描いてくれた方が・・・とか当時の作品に言うのもアレか

個人的にミュージカル要素が中途半端なのが残念でしたね
もっともっとミュージカルメインでやってくれても全然OKだった
でも手作り感のあるマペットの動きとか、たぶんオズの魔法使いリスペクトな世界観とかは楽しかったですね
ワンちゃんが本物とマペットの使い分けしてるのとかおもしろかった
あえて今、観たことない人にはオススメできないけど、昔に観たことある作品を懐かしみながらもう一度たのしむには手頃な一本じゃないかな

個人的評価:60点
オススメ度:ボウイさんノリノリだな、おい




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2012年6月26日火曜日

ツイてない男 (2007/独・アイルランド・英・米)

監督:キット・ライアン
出演:スティーヴン・ドーフ / ジェイミー・フォアマン / ジェフ・ベル / ジェイミー・マーレイ / エドワード・デュリー・ベイカー / ヒュー・オコナー / ブロナー・ギャラガー / ラッセル・スミス / ショーン・パートウィー







ある組織に属する泥棒のリッチー
ダイヤの盗みに運悪く失敗してしまった彼は、ボスから最後のチャンスを与えられる

ダイヤを盗み出した主人公リッチーは、その逃走途中で交通事故にあい仲間が死んでしまう
なんとか助かったリッチーだったがダイヤの入ったカバンを持って逃走を続けるも、またもや事故にあって車に轢かれてしまう
命は助かったもののダイヤは道に散乱…やむを得ず諦めて手ぶらでボスのところに戻ることに
そんな失敗の汚名返上のために次の仕事にかかるものの、そこでも次々にアクシデントに見舞われてしまい…
一生懸命やってるのに運命の悪戯でアクシデントばかりな泥棒の主人公を描いたドタバタコメディ、という認識が冒頭の流れで出来上がるわけですよ
だけど、なというか人質解放のシーンで「は?」となってからは、もうこの映画の素敵な世界に酔いっぱなし

こりゃ完全に好き嫌いが大きく分かれるタイプの作品ですが、個人的にはもうB級ポイントをくすぐられまくりで楽しくてしょうがなかった
クライムコメディかと思ったらサスペンスだった、かと思ったらコメディだった、かと思ったらサスペンススリラーだった、かと思ったらやっぱりコメディだった、かと思ったらホラーだった、かと思ったらやっぱりコメディだった…以下、延々とホラー、コメディ、ホラーのループ
うん、これはなんの事前情報なしに観るのが一番おもしろい作品ですね
ただこの作りが合わない人がいるのは容易に想像できるので、観て「ガッカリだわ」となっても苦情は受け付けません
あくまで”個人的に”かなりツボにはまる世界観でした

あまり詳しく内容について書かない方があとで観る人にとっていいでしょうから、深いところまでは言いませんが…「なんだこの超展開」と思わざるえない
そしてそんな作りがおもしろいと感じたら、もうたまらない素敵展開の連続がそこから待ってますね
どんなB級でもどんとこいや、的なラフな思考を持って観ることをオススメ
とりあえずバカ映画であることは確かで、先の読めなさ、型破りさが気持ちいい一本でした

個人的評価:90点
オススメ度:ツイてるツイてないの問題じゃねえし、これ




ツイてない男 予告


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2012年6月24日日曜日

愛と誠 (2012/日)

監督:三池崇史
出演:妻夫木聡 / 武井咲 / 斎藤工 / 大野いと / 安藤サクラ / 前田健 / 加藤清史郎 / 一青窈 / 余貴美子 / 伊原剛志 / 市村正親








不良同士のケンカの場に居合わせたお嬢様高校生の愛
その不良が幼い頃に自分の命を救ってくれた男だと分かり、なんとか彼を更正させようとするのだが…

とりあえず冒頭のフラッシュアニメから一発目のミュージカルシーンまでを観て、「おもしろい」と思えた人なら最後まで安心して楽しめるでしょう
個人的にこのノリはぜんぜんオッケーなので、観る前に覚悟してたガッカリ感は意外や意外と最後まで感じることがありませんでしたね
全体的に「ホントに三池作品なのか?」ってくらいに自然と鑑賞できる
まあ、人を選ぶ作品であることは確かですが

とりあえずオシャレ要素を排除した昔のマンガっぽいテンションで進む不良のケンカもの、といった内容でけっこう上っ面だけじゃないしっかりした作りになっている
あとはギリギリ許せるギャグ要素とギリギリ許せる媚び要素がいいですね
無駄にしつこく「いつもの三池作品みたいな」じゃっかん引くやりすぎ感は薄い
あと思った以上にミュージカルシーンが多くてビックリだったわ
自分みたいな中途半端なおっさんにはたまらない懐かしい名曲アレンジは素敵すぎる

まあ、それでもストーリーはちょっとアレでした
サイドストーリーかと思ってた誠の親のエピソードが、けっこう深く関わってきてしっくりこなかった
愛とのロマンス要素の発展描写もしょうじき足りなさすぎるけど、それ以上に誠の生い立ち部分が軽く触れてるていどしかないから、クライマックスの展開にちょっとついていけない唐突感が否めない
裏番の生い立ちの方がコンパクトで効率よく印象づけに成功してる気がするくらいだわ
ケンカパートのバイオレンス要素にウエイトを置きすぎて、どうにもドラマパートが弱いのが残念

まあ、何はともあれミュージカルシーンだけでも楽しめればぜんぜん問題ない、といっても過言じゃない作品なんじゃないでしょうか
逆に言えばミュージカル受け付けない人は無理でしょうね

個人的評価:85点
オススメ度:愛よりガム子の方がインパクト強いわな




愛と誠 予告


2012年6月21日木曜日

トライアングル (2009/英・豪)

監督:クリストファー・スミス
出演:メリッサ・ジョージ / マイケル・ドーマン / レイチェル・カーパニ / ヘンリー・ニクソン / エマ・ラング / リアム・ヘムズワース








どこか影のある女性ジェスをふくめた6人の男女はヨットでクルーズにでる
突然の雷雨と嵐に見舞われてヨットは転覆するも、偶然に通りかかった客船に乗り込んだのだが…

おしい。まさにザ・佳作という作品でしたね
内容的にはバッドエンドをむかえた主人公が、なぜかはじまった二週目のループの中で違う選択肢を選んでいくことでループから抜け出してノーマルエンドを目指す、という感じ
個人的にこういう内容のものは大好きで、一週目で見えなかった側面が二週目で見えてくるとかホントにわくわくします
で、ループを繰り返すことで真実が見えてくる…とよかったんですが、まあ、オチはあえて言いませんがすっきりはしないかなあ

一週目は謎を多く残したまま基本的な流れを描いて終わり、次から「実はあの時、別の場所ではこういうことが起きていた」というふうになるわけです
とりあえず一番の見どころはバッドエンドも累積していく、という点ですね
ループすることですべてがリセットされるわけではなく、その周回でおこった変化はそのまま次の周に持ち越されるという描写はちょっと、ほんのちょっとだけ新しかった
同じ時間軸を別の視点で描く作品は他にもあるけど、こういうのはちょっと珍しいかもしれません

そんな面白い要素があるだけに粗が目立つんですよ
緻密に計算された行動として、すべてつじつまが合うような作りになってなくて「ああ、だからあの時にああなったのね」というポイントはあるんだけど、すべての伏線を回収できてない
わざわざあの描写をしなけりゃそれなりにつじつま合う流れになるのにな、というところが素人目にもあると分かる作りはダメでしょうね
そしてなにより起点というか根幹が分からない
これが始まりになって、という部分が明確に描かれてないのはもったいないかなあ

観ている間はホントに楽しくて、最後はどうなるんだという期待感も最後まで持続するんだけど、どうにもすべてを観終わったあとにすっきりしないのがアレな一本でした

個人的評価:75点
オススメ度:猫かぶりビッチ




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2012年6月19日火曜日

スノーホワイト (2012/米)

監督:ルパート・サンダーズ
出演:クリステン・スチュワート / シャーリーズ・セロン / クリス・ヘムズワース / サム・クラフリン / イアン・マクシェーン / ボブ・ホスキンス / レイ・ウィンストン / ニック・フロスト / トビー・ジョーンズ







母の死後、その後がまにおさまった女王ラベンナにより父王を殺され国すら奪われてしまった王女スノーホワイト
幽閉生活を強いられて育ったスノーは、永遠の美を得ようとする女王のたくらみより、その心臓を奪われようとしていた

うん、まあだいたい鑑賞前の予想通りな作品でした
美しいビジュアル、ただそれだけがウリというね
剣と魔法、城と甲冑、妖精、クリーチャー、奇跡・・・これでもかってくらいにファンタジーの要素を詰め込んであって、しかしうまく混ざりあってない感じが強い
本当に見た目だけの世界観を作りたかったのか、と思わざるえない

死と腐敗、生命を奪う闇の女王ラベンナ
生と活力、生命を息吹かせる光の王女スノーホワイト
その存在の対比部分をシンプルに描いた方がよかったんじゃなかろうか
あとラベンナ側にも闇に堕ちるいわくつきの過去があって、それをチラッと描くのはいいんだけど、どうせだったらもっと掘り下げてほしかったかな
なるべくしてなってしまったラベンナという闇の存在と、どんな目にあおうとも許し愛し光あたえるスノーホワイトの交わることのない存在の対立、そこら辺のドラマ部分に力を入れてくれた方が個人的に好みだったかも

劇中でもそんなドラマを描いていくのか?とちょっと思える流れもあるんだけど、けっきょくは深い部分は触るていどで終わっちゃってる感じ
あと最終局面の展開はおもしろいんだけど、そこにつなげるためのスノーホワイトの心境の変化があまりに唐突じゃないッスかね
愛的なものでなんとかして苦境を乗り越えてく系な流れかと思ったら、いきなり好戦的になって武力をかかげるのはちょっと違和感があった

ウイリアムさんの存在感とか、スノーホワイトの謎能力とか、ラベンナの魔法とか、目覚める奇跡の描写とか、なんともご都合主義っていうか普通に「え?なんで?」と話の流れに集中できないレベルの疑問が頭にこびりつく
個人的にそれでも世界観とか美術、特に衣装や甲冑のデザインは好みだったんで中身すらもうちょいしっかりしてれば、それなりに楽しめたのになあ、という一本でした

個人的評価:65点
オススメ度:基本説明不足です




スノーホワイト 予告

2012年6月17日日曜日

ウェイク・ウッド ~蘇りの森~ (2011/英・アイルランド)

監督:デヴィッド・キーティング
出演:エイダン・ギレン / エヴァ・バーシッスル / ティモシー・スポール / エラ・コネリー








パトリックとルイーズ夫婦は最愛の娘を亡くし、失意のもとある町へ越してきて再出発をはかっていた
しかし、その町ウェイク・ウッドでルイーズは町人たちが怪しい儀式をしているところを目撃し…

なんと「どこかで観た感」がすんごいする作品なんでしょうか
ようするに娘を蘇りの儀式で復活させたけど、自己中(は言い過ぎか)夫婦はその際に決められたルールをことごとく破っていき、結果として惨事をまねいていってしまう…
うーん、ね?ぜったい同じネタの作品が少なくとも片手分くらいはあるよね
しかもプラスアルファの要素はいっさいなくて、ホントに単に娘復活させたけどルール破りまくりですってだけの話という退屈さ

90分というホラー映画にしては妥当な尺なんですが、それでもなお長く感じるほどに展開がスローで思わず眠くなります
しょうじきこれだけの内容なら60分もかけずにまとめられるんじゃねえの、と思わざるえない
もっとこう奇怪な現象が次々に起きて緊張感を持続させるとか、アリス以外の規格外の子供たちがいてゾンビ映画なみに大殺戮パーティが始まったりとか、そういうのがないから本気で眠くてしかたない

娘の顛末にしても「おまえ一回それで痛い目あってるだろ」って感じなのに同じ方法で引っかかるし
なんとも全体的にまったくやる気が感じられないと思ったのは自分だけじゃないはず
ありきたりな話をありきたりな作りで薄めて、伸ばして、なんとか一本の映画として形作ってみたよ、って印象しかない
ホントに「それでもここがすごかった」という見どころがないのが一番がっかりさせられた一本でした

個人的評価:20点
オススメ度:部屋を暗くして観ればいい睡眠導入になります




ウェイク・ウッド 予告


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2012年6月15日金曜日

ザ☆ビッグバン!! (2010/米)

監督:トニー・クランツ
出演:アントニオ・バンデラス / トーマス・クレッチマン / ウィリアム・フィクトナー / シエンナ・ギロリー / オータム・リーサー / ジミ・シンプソン / ビル・デューク / ジェームズ・ヴァン・ダー・ビーク / レベッカ・メイダー / ロバート・メイレット / スヌープ・ドッグ / デルロイ・リンドー / サム・エリオット






探偵のネッドに依頼されたレクシーという女性の捜索
怪しいと思いつつ捜索を進めるうちに、それがとんでもなく面倒な依頼だと分かってくるのだった

スーパーバンデラスアクション、いくぜ!
銃には銃で、拳には拳で、女にはナニで、悪には悪で立ち向かうスーパーデンジャラス探偵
誰でもそう思うだろ?バンデラス映画だし
しかしいざフタを開けてみたら、今回のバンデラスさんはなんともインテリ探偵役だった…
いや、いかんだろ、これ
完全なミスキャストだろ
飛ばない、叫ばない、ぶっ飛ばさない、ぶっ放さない、ファックはするけどこんな普通のくたびれ探偵役とか誰得よ?

物語の展開もよく分からないし、主人公のネッドが聞き込みしていく情報提供者が次々に変死していく流れも「はあ、そうですか」ていどのインパクトしかない
だって、被害者みんな主人公のあずかり知らないところで殺されるからね
自分に関わる者が次々に死んでいく、そんな危機感とかいっさい無縁に淡々と普通に調査を続けるだけだもんなあ
そして、そこかしこにネッドさんのインテリトークが展開するんですが、そのどれもが上滑りしてる感が否めない
作ってる側からすればイメージは固まってるんだろうけど、映画という形になってみたら違和感ありまくりでしっくりこないシーンばかり
そういう意味で究極のオナニー映画といってもいいかもしれません

「ザ・ビッグバン」というタイトルに偽りはないんですが、ホントに終盤の展開の脈絡のなさはひどい
作り手の見せたいものに無理矢理こっちが付き合わされてる感すらする
けっきょくこの依頼のオチもひどいもんで、本気で「どうでもいい」と思わざるえない
僕らのバンデラスさんの野獣っぷりも影も形もなく、単なるおっさんになっちゃってるその容姿もちょっと…
ありていに言えばまったくバンデラスさんにオーラが感じられない
いや、マジでどうしちゃったんだ、バンデラスさん…

そんなわけで今現在のバンデラスさんの劣化っぷりを確認するためだけの作品でしたね
でも、それでも僕は信じてるよ!あの頃の野獣が帰ってきてくれることを!

個人的評価:50点
オススメ度:なんかミスター・ビーンっぽい




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2012年6月13日水曜日

シャッフル (2011/日)

監督:及川拓郎
出演:金子ノブアキ / 賀来賢人 / 鎌苅健太 / ムロツヨシ / 市川亀治郎 / 中村ゆり / 吹田早哉佳 / 光石研 / 片桐仁 / 高垣彩陽








記憶喪失の戸部はその過去を知る者の誘いを受け、謎の試験実験「シャッフル」に参加する
同じく「シャッフル」に参加する面々と行動するうちに巷を騒がす三億円強盗事件とのつながりが見え始め…

観てる側を騙す気まんまんとか個人的に大好物の類の作品ですね
ちょっとコメディの要素がさむい感じはしましたが、二転三転四転五転・・・と延々ころがり続けるストーリーは飽きさせない作りになってます
「たぶん実はこんな展開なんじゃねえの」とうまく観てる側の心理を誘導する演出はおもしろい
「こうなんじゃねえの」と思ってるとその通りになるんだけど、さらにそこから「だけど・・・」という風に先を推理する楽しさがありますね

まあ、それでも終盤になってくると先を読むのも面倒になってくるし、次々に物語にそれまでの流れをくつがえす新展開が描かれていっても「ああ、はいはい」な気分にならざるえない
バトルマンガの新敵がどんどん現れて戦闘力がインフレしていくと、どうにも強いんだけど新鮮味がなくなってインパクトが薄くなる感覚に似てる
ここぞという所での大どんでん返しってのはいかにインパクト的な意味で重要であるかよく分かりますね

元が演劇であった作品の映画化ということもあってか、やっぱりどこか演劇くさい
メインの舞台となる部屋でのシーンはしっくりくるんですが、それ以外の特に屋外のシーンなんかはなんとも言えない変な違和感があるんですよね
どうも作品になじんでないような感じ
あとは観てて騙される系のストーリー運びはいいんですが、観終わったあとに気持ちよさがないんですよ
なーんかちょっと後味が悪いというか、中途半端に重いラストはどうも素直に受け入れられない

「どうせコミカルなノリで終わると思ったんでしょ?」という騙し演出なら成功してるんでしょうが、それでもそこは騙さずに「ちゃんちゃん」といったふうに終わっても良かったんじゃなかろうか
という感じで、確かに流れるような新展開の連続はおもしろいけど、どうも「すごい!」というほどの強烈ななにかはなかった気がする一本でした

個人的評価:75点
オススメ度:まわりくどい連中だ




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2012年6月12日火曜日

幸せへのキセキ (2011/米)

監督:キャメロン・クロウ
出演:マット・デイモン / スカーレット・ヨハンソン / トーマス・ヘイデン・チャーチ / パトリック・フュジット / エル・ファニング / ジョン・マイケル・ヒギンズ / コリン・フォード / マギー・エリザベス・ジョーンズ / アンガス・マクファーデン / カーラ・ギャロ / J・B・スムーヴ / ステファニー・ショスタク / マイケル・ペインズ / キム・ホイットリー / トッド・スタントン / ピーター・リーガート / ロベルト・モンテシーノス / デシー・リディック




妻を亡くしたばかりのベンジャミンは反抗的な息子と素直な幼い娘とともに暮らしている
ある日、失業したベンジャミンは同時期に息子が退学処分になったのを機に引っ越すことにしたのだが、そこは閉園した動物園付きの家だった

実話ベースの映画とか「ソウル・サーファー」みたいなのもあるけど、どうせこれはそれこそありきたりな眠たい作品なんだろうなあ、と期待してなかったんですが・・・こりゃあ面白い
しょうじき個人的な見所は動物だけだろうと思ってただけに良い意味で期待を裏切られましたね
基本はコメディなみにコミカルに話は進み、妻(母親)を亡くしたという重苦しい描写はあまりありません
かといってその死を軽々しく扱っているでもなく、いいさじ加減になってます

夢、絆、愛、とかガッチガチの重めの感動ものではなく、なんともほほえましい系の良い話がいくつもつまってる感じの作品
個人的に原作マンガ版は未読ですがアニメ版の「宇宙兄弟」をみてる感覚に近いものをおぼえましたね
ひとつの目標に向かってわりと強い大人の主人公が、ちょっとした困難の数々を乗り越えてより強くなっていく心地よさ、みたいな感じ

主人公のお父さんは話の始まりからホントに「強くて優しい良いお父さん」で、妻を亡くしてダメな父親をやってしまう一面はあるにはありますが、基本的にがんばってるナイスファーザーっぷりが素敵です
それでも妻のこととか、息子のこととか、動物園のこととか、色々な良いこと悪いことを経験していき、すべてにポジティブにぶつかっていくことで乗り越えていく様が楽しい
そしておのずと周りの人や動物も輝いてきておもしろくなってきます

なにより珍しくちゃんと父性のドラマを描いてくれてる内容がいいです
すべてを包み込み、許し、愛する母性的な話はけっこうよくありますが、こういう男の「理屈じゃない」感じの父性の話はあまりないんですよね
気になる点としては父ちゃんの新しいロマンスが蛇足な気がするところと、細かい良い話がつまってるのはいいけどやっぱりひとつずつのエピソードがじゃっかん軽いかな、と
特にケリーさんとの顛末がちょっと、ね
亡き妻とのエピソードで一本にまとめといてくれた方がスッキリするんじゃないかなあ

ちょっとした不満点はあるにはありますが、もう父と息子のエピソードだけでもそのマイナス要素に大きく勝ってるし、ホントに自然と微笑みが浮かぶエピソードに満ちた一本でした

個人的評価:90点
オススメ度:PBし




幸せへのキセキ 予告

2012年6月10日日曜日

ソウル・サーファー (2011/米)

監督:ショーン・マクナマラ
出演:アナソフィア・ロブ / ヘレン・ハント / デニス・クエイド / ロレイン・ニコルソン / キャリー・アンダーウッド / ロス・トーマス / クリス・ブロシュ / ソーニャ・バルモレス・チャン / ジェレミー・サンプター / クレイグ・T・ネルソン / ブランスコム・リッチモンド






海とサーフィンを心から愛する少女ベサニー
サーファーとして大会への出場、プロへの道も見えてきたある日、突如あらわれたサメに襲われ…

直前までノーチェックだったけど、いつもいく劇場でオススメの作品とあったので鑑賞
どうもこういう感動系って実話をベースにすりゃいいって風潮がアレな感じで期待してなかったんですが、こりゃまた個人的な好みに合致する作品でした
どろどろじめじめでラストだけあったかな展開にした感動作品とは違い、ホントに夏がよく似合う爽やかでカラッとした感動モノでした

ただ感動を描くだけじゃなく、きちんと映画として楽しませるデキになってるのもいいですね
観てる側の感情を定期的に揺さぶってくるし、なにより登場人物たちの心の動きがかなり分かりやすい
左腕を失いながらも健気に、強く、優しい主人公の姿とかすごいいいわあ
あまりに良い子ちゃんな主人公の家族に対する愛…だけどちゃんと自分のどろどろした感情をはき出すシーンも描くことで「映画」としてのおもしろさも保ってます

感動系のわりに楽なスタイルで観てても楽しめる作品で、「よーし、今日は泣くぞ!」みたいな変な覚悟はいっさいいりません
まあ、もうちょっと重い展開があってもいい気がするし、全体的にありきたりなストーリー運びな印象は否めないけど海と太陽、そこに強い人間がいて気持ちいい風と曲があれば楽しくないわけがない
雰囲気と同じように心の揺れ動きを「感じる」気持ちよさに体をまかせればいい、そんな一本でした

個人的評価:90点
オススメ度:未経験ながら映画に影響されてサーフィンしたくなるわあ




ソウル・サーファー 予告

2012年6月7日木曜日

ビヨンド・ザ・リミット (2003/独)

監督:オラフ・イッテンバッハ
出演:ダーレン・シャラヴィ / ラッセル・フレンデンバーグ / ハンク・ストーン / デヴィッド・クリードン / ジョー・クック / クリストファー・クリーサ / キンバリー・リーブ








墓地の管理人フレデリックは新米記者の取材を受ける
そこで彼は最近ここに埋葬されたある男の話を語り聞かせる

勤め先の映画好き仲間から教えてもらった作品
とにかくグロくてヤバイ…ということでしたが、個人的には思ってたほどじゃないかな
まあ、教えてくれた本人も実際に観てなくて噂として聞いただけらしいんで仕方ない
というかDVDを手にしたときにアルバトロスだった時からある意味で「分かってた」

見どころは前半と後半で雰囲気が一変するってとこですかね
ゴア描写はしょうじき作り物くさくていただけない
前半のスラッシャーというかスプラッターていうか、とにかくあるていど話が進んだら後はぽんぽん人が殺されていくというだけの展開と、後半のストーリー性をもたせた展開の融合みたいのが描きたかった、のか?
「フヘヘヘ、どうだ?無駄に血みどろなだけの内容かと思っただろ?ちゃんと深い設定のストーリーあるんだぜ?」って感じなんですかね
ええ、はい、作ってる人の頭の中の世界ではちゃんと話はできあがってるんでしょうが、実際の作品としてはうまく表現しきれてない感がバリバリですね
ぶっちゃけこのストーリーの意味とか理解できんわ

とにかく全体的に中途半端に、ホントに中途半端に映画作りをがんばっちゃってるんですよね
しょうもないクソ映画のクソ演出っていうにはかわいそうな完成度で、だからといってやりたいことに作り手の力量と予算がまったく足りてない感は否めない
そこらの大作映画よろしく「俺もこんなのが作りたいんだ!」という気持ちは分からんでもないけど、いかんせん自身のポテンシャルを越えたものを作ろうとしちゃったことでクオリティが大幅に低下してる印象が強い

変に話を複雑化してるのもアレだし、もっとクソB級ならそっち方面として開き直って作った方がぜったいおもしろいだろうな、という気がした一本でした

個人的評価:50点
オススメ度:死に際に律儀に主人公へ重要な情報をしゃべる敵に萌えるわ



ビヨンド・ザ・リミット 予告


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2012年6月5日火曜日

外事警察 その男に騙されるな (2012/日)

監督:堀切園健太郎
出演:渡部篤郎 / キム・ガンウ / 真木よう子 / 尾野真千子 / 田中泯 / イム・ヒョンジュン / 北見敏之 / 滝藤賢一 / 渋川清彦 / 山本浩司 / 豊嶋花 / イ・ギョンヨン / キム・ウンス / パク・ウォンサン / 遠藤憲一 / 余貴美子 / 石橋凌







東北の震災のどさくさで被害を受けた大学から核に関する軍事機密データが何者かに奪われる
同時に朝鮮半島からウランが流出したという情報を得た公安は、かつて公安の魔物と呼ばれていた住本をその調査にあたらせる

ドラマ版は視聴済みで楽しみにして待ってました
内容は完全にドラマの続編で、ドラマのラストを知ってる人は何事もなかったかのように始まる話にちょっと違和感を感じるかもしれません
でもあのラストは「なかったこと」にはなってないんで安心です
まあ、じゃっかん強引につなげた感はありますが

この映画を観たドラマ視聴者はだいたいみんな思うんでしょうが、なんというか「ドラマ版で見たような展開が多いね」というのが率直な感想
さすがに敵側のキーマンとなる男の愛する女を協力者としてうんぬん・・・という流れはちょっとやりすぎじゃないんかね
ドラマを見てた人がニヤリとできる程度のあえて同じ展開を用意するってのはアリだけど、ここまで似たことやられると焼き直し感がハンパない

さらにドラマでも影が薄かった住本班の面々が博士と協力者の女というふたりの強烈な存在感によって、さらにもう限界ってくらいに影が薄まってる
あの松沢さんですらいたのかいないのかよく分からん扱いっぷり
でもその辺はあまり深くやると、それによって描くべき本筋が無駄に間延びしちゃうから仕方ないのかなあ
住本ファミリーとかバッサリと描写されないことからも、そういったサブ的な物語の外郭部分にはあえて目をつぶるのが大人ですかね

とりあえず今作は協力者と博士のキャラが濃い、というか演技がすさまじい
このふたりの存在があったからこそ、ちょっと先が読めすぎるストーリー展開も覆すおもしろさがあったと思います
そうそう、このストーリーももうちょっとミスリード的な流れに力をいれてくれれば「ああ、そうだったのか」と楽しめたのになあ
ホントにもうちょっとの努力が足りない、なんとももったいない感が強かった話でしたね

映画の「ハゲタカ」の時も思ったけど、これもじっくりとドラマで数話かけて描いてくれた方がゾクゾクする展開になったんじゃないかなあ、と
良い夢を見させてもらった、その一言に集約された一本でした

個人的評価:75点
オススメ度:どんだけチョッパリだよ




外事警察 その男に騙されるな 予告

2012年6月3日日曜日

ジェーン・エア (2011/英・米)

監督:キャリー・ジョージ・フクナガ
出演:ミア・ワシコウスカ / マイケル・ファスベンダー / ジェイミー・ベル / ジュディ・デンチ / ホリデイ・グレインジャー / サリー・ホーキンス / タムジン・マーチャント / イモージェン・プーツ / アメリア・クラークソン / スー・エリオット / ジェイン・ワイズナー / フライア・ウィルソン / サイモン・マクバーニー / サンディ・マクデイド / ロージー・カヴァリエロ / ソフィー・ウォード / ハリー・ロイド / ネッド・デネヒー





行き倒れ同然である屋敷にたどりついた女性、ジェーン
彼女の歩んできた道のりは辛く過酷なものであった

時にまったくノーチェックだった作品がものすごくおもしろい映画で、すんごい得した気分になることがある
これがまさにそんな作品
時代背景については歴史に詳しくないんではっきりとは言えませんが、まあ、なんとなくシャーロック・ホームズとかいそうなそんな時代のイギリスの田舎っぽい感じなところが舞台
大人のための世界名作劇場みたいな内容で、助けられた現在のジェーンを描きつつ、同時に過去の生い立ちみたいのを語っていきじょじょに本編に入っていくタイプの展開ですね

幼い頃に両親を失い、しかも彼女のことを嫌っている叔母のもとで暮らしていたジェーン
叔母の息子からは嫌がらせを受け、しかも刃向かえば叔母にしかられる
そうこうしているうちに叔母の家も追い出され、人を人とも扱わないような学校に預けられ体罰と尊厳を踏みにじられる日々をおくる
それでも強く生きて大人になったジェーンは家庭教師としてある館に仕えることになり・・・っていうのが序盤の展開

とにかく画面に違和感がないのがいい
上辺だけの雰囲気を表現してるような軽い印象は皆無ですね
田舎貴族らしい服装、使用人らしい服装、その時代をうまく表現してる美術、その当時の情景を実際に見た経験があるわけじゃないですが、ホントにリアル・・・というかナチュラルに描いてます
様式だけそれっぽく見せてるんじゃない芯のある画面の力強さっていうんですかね、マジで見てるだけで作品に入り込めます

そしてなにより内容がいい
すごい重い展開も重くなすぎず、軽くなりすぎずな描き加減がたまらなくおもしろい
「うわあ、きっついなあ」と気分が落ちるんじゃなく、どこかしみじみとした感情がわいてくる感じ
ありきたりに言えばジェーン・エアという人間について描いた作品で、まさにこのタイトルがしっくりくる内容で、ジェーンの強さだけじゃないもろさや悲しさも丁寧に表現されてます
しょうじきいって、こういうロマンス系の作品でここまでシンプルにおもしろいと思った映画は初めてかもしれません

映画が終わりエンドロールが流れ始めた時に、言いようもないこみ上げてくる感情に酔ったのも久しぶりですね
ふだん上辺だけの作品やB級ばかり観てる身としては、心が洗われる感じで「映画っておもしろい」と再認識させてくれた一本でした

個人的評価:100点
オススメ度:とびぬけて器量よしじゃない、だけど人として魅力にあふれてるジェーンさん




ジェーン・エア 予告

※注意!! この予告はかなりネタバレを含んでます。本編より先に見ると楽しさを損なうかもしれません

2012年6月1日金曜日

リミットレス (2011/米)

監督:ニール・バーガー
出演:ブラッドリー・クーパー / ロバート・デ・ニーロ / アビー・コーニッシュ / アンドリュー・ハワード / アンナ・フリエル / ジョニー・ウィトワース / トマス・アラーナ / ロバート・ジョン・バーク / ダーレン・ゴールドスタイン / ネッド・アイゼンバーグ / T・V・カーピオ / リチャード・ベキンス / パトリシア・カレンバー / シンディ・カッツ / ブライアン・アンソニー・ウィルソン





作家のエディはスランプにおちいり怠惰な日々を送っていた
そんな時、偶然に出会った前妻の弟から脳の働きを促進する新薬を譲り受け…

いわゆる「もしもシリーズ」ですね
もしも人間の使われてない脳の領域の働きを促進する薬があったなら、といった風にとりあえず「そういう薬がある」という前提で物語が展開していきます
そんな設定の根幹的な部分はあえて説明しない、シチュエーションを楽しむ作品ですね

怪しげな薬だな、と思いつつも服用してみると効果バツグンで生まれ変わった気分を味わう主人公
しかし一夜明けて目が覚めると薬の効果は切れており、元の情けない自分に逆戻り…
薬をくれた男が殺されるなどいわくありそうなブツではあるけど、完全に依存症におちいった主人公は薬を服用し続けてその力で富と名声を得ていく
まあ、だけど世の中そんなに甘くないって展開が待っているのはお約束、っていう内容です
人が死んでるわりには全体的に軽快な映像表現で流れるように話が進んでいくのがいい
ちょっと軽くなりすぎていかにもB級くさい気もするけど、これはこれで

人生の勝ち組街道を登りつめていく主人公だけど、同時にやばそうなアクシデントやハプニングに襲われていく流れはよくある感じの作品なんですが…
さすがにこのラストはちょっと予想外だった
「ああ、そういうオチにもっていきますか」という感じで、終わりよければすべてよし、このラストだけでも大げさに言えばこの映画を観た価値があったなあ、と

大作ではけっしてないテンポのいいだけのB級映画なんだけど、最後まで観ると意外におもしろかったと思えた、なんともよく分からないけど初期期待値が低かっただけにちょっと得した気分を味わえた一本でした

個人的評価:75点
オススメ度:NZT48とかどこのアイドルグループだよ



リミットレス 予告


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