2011年11月30日水曜日

11月のこれ一本

今月はちょっと色々とアレなんで短めでご容赦を

さて、11月は「冷たい熱帯魚」推しで

圧倒的な負のパワーが素敵です

では

ではは

2011年11月28日月曜日

水のコトバ (2005/日)

監督:吉浦康裕
出演:吉浦康裕 / 松藤里奈 / 酒瀬川真世 / 草野千裕 / 坂口裕介 / 吉浦彰彦 / 渡辺聡史



あるカフェで言葉を交わすウエイトレスと6人の男女
それぞれの会話が流れ混ざる中、失恋した男にウエイトレスはひとつ頼み事をする

「ペイル・コクーン」の中に収録してあった短編アニメ
かなり短い作品だけど、「ペイル・コクーン」同様に短編として楽しめる要素が必要最低限つまってました
「雰囲気アニメ、なのかなあ?」とぼんやり観ているとラストで、「あ、そうなの」ってなってもう一度さいしょから観たくなる作品ですね

これだけ短い尺の中で「ちょっとおもしろいかも」要素をクリアしていて、個人的に求める「ちょっとした間でちょっとだけ楽しめる映像作品」に合致していて楽しめました
4コマ漫画を見る感覚で鑑賞できる短編ってのはホントにいいもんです
作った人の個性やセンスがダイレクトに伝わってくるので、つまらんと思う人にはホントにつまらないし、その逆もしかり
個人で表現したいものがそこに映し出されている作品はクセもあるけど、やっぱりおもしろいですね

個人的評価:80点
オススメ度:友だちの友だちはみんな友だちだろ




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2011年11月27日日曜日

ペイル・コクーン (2005/日)

監督:吉浦康裕
出演:中尾みち雄 / 川島美菜子 / 小山裕香 / 吉浦康裕









階層構造の地下世界で発見された過去のデータを復元する仕事をしているウラ
ある日、珍しい音声付きのデータの復元作業をして…

短編としての「どういう話なんだろう」「こういう話か」「そういうことだったのか」の三拍子がそろってる作品でした
個人的に設定を広げるだけ広げて”続く”みたいに終わる作品は大嫌いですが、これはいちおうの完結を描いてるのでよかった
どういう話だか分からない中、なんか難しそうなSFがはじまった…と思ってたんですが、観てるうちにけっこう単純な話だと分かるので安心ですね

なんか知らんけど環境破壊的なアレで生活できなくなった人類が地下での生活をしなければならなくなってる世界観の中、昔のデータを発掘&復元しては緑の大地や動物たちの映像を見てすごす主人公
そんな過去を掘り起こすことに疑問を持ってほとんどの人が辞めていく現実
どんどん人は暗く冷たい地下へ地下へと追いやられる
そこで出会った音声付きのデータが主人公にもたらすものとは、みたいな内容ですね

ラストまで「こういう話かな」というわりとありきたりなストーリーの心構えでいたんですが、ラストでちょっと「ああ、そういうことか」と思わされました
それほどびっくりなものでもないですが、ちょっと小粋でひねてる(?)感じがして短編ものとしてしっかりと楽しめました
短編作品とはこういうもの、みたいな一本と言ってもいいかもしれません

個人的評価:80点
オススメ度:影の薄いヒロイン



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キミとボク (2011/日)

監督:窪田崇
出演:中村蒼 / 坂本真綾 / 小林優斗 / 中村映里子 / 谷川昭一朗









生後約3ヶ月の迷い仔猫とマンガ家を目指して上京してきた青年
七夕の夜に出会ったふたりの、ふたりだけの日常生活がはじまる

友だちとして寄り添う猫とマンガ家を目指す青年の暮らしを描き、勇気をもらえる物語
では、そこから内容を想像してみてください
と言われて大概の人が思いつく、まんまな内容でしたね

猫目線でナレーションを入れた作品で、青年と過ごす年月の中で”ただ寄り添う”それだけなのに温かい、というのを目指してるのかもしれませんがこの作品じたいに感情に訴えてくるものがない
良い話は良い話なんだけど、それだけ
先が読めすぎる展開、別に目新しいことはなにもなく先人が作ってきたプロットをなぞってるだけ…な気が素人目にはしました

肝心の猫との生活を平均的なダイジェストにしてるんですが、もっと”ここをみせたい”というポイントに足を止めて重点的に描いてほしかったかも
猫との友情、日常、喜び、辛さ、すべてがダイジェストになってしまってる感じ
ほろ苦いカフェオレみたいな印象で”勇気がわいてきてほっとするミルク”の部分が際だたない
個人的には冷めかけたブラックコーヒーに一滴たらされたミルク、みたいのを観たかったかな
なんか言ってることがよく分からないかもしれませんが

個人的評価:50点
オススメ度:仔猫の神がかってる感じの演技はすごい




キミとボク 予告


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2011年11月24日木曜日

アーサー・クリスマスの大冒険 (2011/米)

監督:サラ・スミス
出演:ジェームズ・マカヴォイ / ヒュー・ローリー / ビル・ナイ / ジム・ブロードベント / イメルダ・スタウントン / アシュレー・ジェンセン








北極で代々サンタを受け継ぐクロース家で育った陽気なだけが取り柄のアーサー
父である現サンタと兄の共同戦線で今年も無事にプレゼントを配り終わったはずだったが、ひとりだけ配り忘れが見つかりアーサーはなんとかしようと立ち上がる

なんだか知らないけど日本ではヒットが望み薄なクリスマス映画
さらに日本では有名制作会社じゃないと見向きもされない感じなCGアニメ
「ランゴ」もそうだけど、じっさいに観てみるとけっこうおもしろい作品だったりするんですけどね
有名どころな「ヒックとドラゴン」すらもっと盛り上がるべき作品的な位置づけな気がするくらいだから、しょうじきこの映画も興行的にはキツイかもしれませんね
近いところで「タンタンの冒険」もひかえてることだし
と、セールス的なことを素人の自分が考えてもしかたなしですが

お気楽サンタのお父さん、野心家で有能な兄、そしておちこぼれの主人公
まあ、よくある周りから無理だなんだと後ろ指さされながらも、なんとか必死にがんばって大金星をあげるおちこぼれ主人公という王道ストーリー
とりあえず冒頭の軍事行動チックな妖精たちによる人海戦術プレゼント配りによるメリー化がこの作品をよくあらわしてます
ハイスピード&ハイテンション、飽きさせたりツッコミを与える間をあけずに突っ走ることで強引にねじ伏せてくるパワープレイクリスマス映画ですね
プレゼント一個配り忘れた→届けにいかなくちゃ、というメインの話なんですが、それだけで一本の映画を作ろうと思った勇気はすごいと思う
じっさい観てて「それだけの内容でどう間をつなぐんだ」と心配になる

でもとにかくパワープレイでねじ伏せ&畳みかけ演出によって誤魔化された気もしないでもないけど、飽きることなく最後まで楽しめました
基本的に不仲なおじいちゃん、お父さん、お兄ちゃんの打算的なサンタっぷりに、アーサーはこれまでよく純真なまま育ってこれたな、と思わざるえない
この映画はある意味で純真無垢な子供たちが大切に思うサンタの夢を壊しかねないんじゃねえの、と
そこまで大げさじゃないか…
内容的にはファミリー向けではありますが、ギャグのセンスとか大人でもクスリとできるところもあるんで、別にクリスマス映画というフィルターを通して観なくてもじゅうぶんにおもしろいですね

それでもやっぱりストーリーの王道すぎる展開が安心ではあるんですが、もうちょっと意外性というかひねったものも欲しかったかな
悪く言えば「どうせこうなるんだろ」とドキドキハラハラ感がまったくないんですよね
大冒険というより珍道中に近い話な気もしました
そんな感じで普通に楽しい、そんな言葉が一番似合う作品でひとりで観ても家族で観ても安心な一本でした

個人的評価:75点
オススメ度:飼い慣らされたトナカイが野生の勘、だと?




アーサー・クリスマスの大冒険 予告

2011年11月23日水曜日

ROOM-H6 (2005/スペイン)

監督:マーティン・ガリード・ライミス
出演:フェルナンド・アカソ / マリア・ホセ・バウサ / アレッホ・ザウルス / ラクエル・アレナス








恋人をケンカの末に殺してしまい刑務所に入っていたアントニオ
出所後、元売春宿の廃ホテルを相続し妻をめとるのだったが、更正したかに見えた彼は売春婦を家にあげて…

ビックリするほど低予算で、じゃっかん監督のオナニーがはいってるカリスマシリアルキラーもの
監禁拷問系の内容ですが、これもビックリするほどゴア描写がないのが特徴
じわじわと恐怖でいたぶる様と、シリアルキラーである主人公のゆがんだ思想がウリなんだろうけど、これまたかなり観る人を選ぶかもしれません
個人的にはちょっと合わない、かな

元売春宿を改装してマイホームにしたアントニオが妻とそこで生活する表の顔
そして一方では町の娼婦を監禁し、邪魔な男は容赦なく殺す裏の顔
昼は妻と仲むつまじく過ごし、夜は監禁した娼婦に説教をたれる
で、さんざん説教たれた末にあっさりと殺す…を繰り返す内容です
ええ、ただ繰り返すだけです
そこに美学を感じるか否か、主人公に怪しいカリスマ性を見いだせるか否かでこの映画を楽しめるかどうか決まるかもしれません
しょうじき私は「ぼくのかんがえたさいきょうカリスマシリアルキラー」を見せつけられてるあざとさを感じて、どうにもこの作品世界に没入できませんでした

とりあえず直接的にいたぶったり、ゴアゴアなのを期待してると「へ?」ってなりますね
まったくといっていいほど直接的な描写はないし、ぜんぜんグロくもない
よくよく内容を観てればさらっとエグイことをやってるんですが、とりあえず主人公は口よりもっと体を動かして拷問してほしかった
こんなことを書くとアレですが、暴力描写が物足りなさすぎる
主人公の妻に対するスタンスと、事の全容が分かるラストはちょっとおもしろいけど、それだけなんですよね

ホントにもっとクソB級ゴアゴア路線でやってくれれば、まあ、ありきたりな内容になるだろうけどもっと楽しめたかな、と思える一本でした

個人的評価:40点
オススメ度:排泄物関係はどうなってるのか、そこが気になった




ROOM-H6 予告


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2011年11月22日火曜日

コンテイジョン (2011/米)

監督:スティーヴン・ソダーバーグ
出演:マリオン・コティヤール / マット・デイモン / ローレンス・フィッシュバーン / ジュード・ロウ / グウィネス・パルトロー / ケイト・ウィンスレット / ブライアン・クランストン / ジェニファー・イーリー / サナ・レイサン / ジョシー・ホー / チョイ・ティンヤウ / モニーク・ガブリエラ・カーネン / ダリア・ストロコウス / ジョン・ホークス / アルミン・ローデ / ラリー・クラーク / アナ・ジャコービー=ヘロン / ディミトリ・マーティン / エリオット・グールド / エンリコ・コラントーニ / ジム・オルトリーブ / カーラ・ゼディカー



ベスは香港から出張で戻り間もなく脳炎に似た症状により亡くなってしまう
そして妻のベスに続いて息子を同じ症状で失った夫ミッチは隔離、世界にパンデミックの恐怖が広がっていく

わりと定期的に作られてる気がしないでもないパンデミックもの
あるいは人間の本性やらを描く社会派ドラマとして、あるいはパニックエンターテインメントとして、そしてこの作品は両方の性質をうまく混ぜ合わせてる…と感じました
ドラマとして重すぎず、エンターテインメントとして軽すぎず、絶妙なさじ加減でじわじわと広がる感染拡大の様子とそれに対抗する研究、パニックになる人々、状況を利用しようとする人たち、それぞれの小さなドラマによってつむがれるものを淡々と描いてますね

話的には感染が拡大していく様子をベースに、それに対する人たちのドラマを描いていくって感じ
妻と息子を失った夫が唯一残された娘を守り一般人の視点で描かれる物語、CDCにてウィルスに対抗すべく調査研究開発をする者たちの物語、パニックに陥っていく人々の様子の物語、守るべき人々のために戦う者たちの物語、状況を利用して優位に立とうとする者の物語…
それらがすべて合わさっているからこそおもしろい作品になってますね
しょうじきどれかに的を絞った内容だったら途端につまらなくなるかもしれません
ミッチの一般人視点とエリスのCDCによる全体像視点、スンの皆のことを思う視点とアランの利己的な視点、画面に映し出されるもののバランスがホントによくできていて後から思い起こせばかなり地味な内容なのにまったく退屈することなく最後まで楽しめました

ただなんというか、これは個人的に楽しめただけあって微妙に他の人には強力にオススメできない作品かな、と思うのも確か
人によってはひどく散漫で視点が定まらず、けっきょく何が描きたかったのか中途半端に思えるんじゃないのかな、と
それだけエンターテインメントに特化してるでもなく、深いドラマでもないんですよね
かなり乱暴な言い方をすれば、そんな中途半端な立ち位置がおもしろい作品
あとちょっとでもバランスがくずれたらいっきにつまらなくなったろう、そう感じるさじ加減を楽しむ一本かもしれません

そう小難しい作品でもないんでまったりと観るにはいいですが、あえて「こんなのが観たい時に最適」というシチュエーションが思い浮かばない、なんとも個人的に不思議な魅力があった内容でした

個人的評価:90点
オススメ度:-(



コンテイジョン 予告

2011年11月20日日曜日

メカニック (2011/米)

監督:サイモン・ウェスト
出演:ジェイソン・ステイサム / ベン・フォスター / ドナルド・サザーランド / トニー・ゴールドウィン / ジェイムズ・ローガン / ミニ・アンデン / ジェフ・チェイス / クリスタ・キャンベル







超一流の殺し屋アーサー
恩師とも親友とも言える男を組織の命で殺し、その遺された息子を弟子としてむかえる

自分にとって大切な人が標的になり、自ら手をかける
その事実を隠しながらも遺された息子を引き取って弟子としてむかえ、実践に出すまで育てていく…うん、どうにもありきたりで今さら感のある話だなあ
と、思ってたらリメイク作品なのね、これ
まあ、ストーリーよりもアクションを観てくれ、って作風だからそこら辺は気にしなくてもいいのかもしれませんが

復讐相手が師匠な感じのなんとも妙な殺し屋師弟ものですね
とりあえずハイテンポで無駄のない流れるようなアクションがつまってる内容
なんとなくジェイソン兄貴でアクションを撮りたかっただけって感じもするけど、けっこう堅実に作ってあってつまらなかったり飽きがきたりはしません
ただ、そんなにおもしろくもないってのがアレですが
ホントに丁寧にじっくりと焼き上げた「やきいも」みたいな映画ですね
丁寧に、堅実に、観ていてストレスを感じないように、流れる直球勝負のアクションを撮っているのは悪いことじゃないと思うんだけど、ガチガチすぎて逆に面白味がない印象が強いです
良い意味で灰汁やインパクトがないんで、「うん、いいあんばいに焼けてるやきいもだなあ。おいしいね」としか言いようがない
とりあえず、もうちょっと弟子くんのキャラをもっと個性的にはっちゃけてくれた方が楽しかったんじゃなかろうか、と素人考えで思わざるえない

それでもクライマックスからオチまでの流れはいい感じ
とりあえず根っこはプロであることを徹した主人公は素敵でしたね
色々ともっとおもしろくなる要素あると思うのに、なんかもったいないデキになっちゃってる良くも悪くも普通な一本でした

個人的評価:70点
オススメ度:ジェイソン兄貴が出なかったら超絶地味映画になるな




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2011年11月18日金曜日

冷たい熱帯魚 (2010/日)

監督:園子温
出演:吹越満 / でんでん / 黒沢あすか / 神楽坂恵 / 梶原ひかり / 渡辺哲









再婚の妻と実娘とともに小さな熱帯魚店を営む大人しい男、社本
ある日、知り合った同業者の村田と公私にわたって付き合っているうちに、なにやら雲行きが怪しくなってきて…

ヤバイヤバイと噂の映画ですが「そうは言ってもたかが知れてるだろ」と期待はせずに鑑賞
うん、なんというか「ヤバイ」というか色々と「ヒドイ」
良い意味でヒドイ
そして、この作品を観ておもしろい、と思うのはちょっと気がひけるけど最初から最後まで目が離せないおもしろさが確かにありました

しょうじきこの映画は前知識なしに観た方が格段におもしろい内容だと思うんで、あまり詳しく書きませんが「主人公がどんどん重大なことに巻き込まれていく」系のお話ですね
とにもかくにも村田(夫)役のでんでんさんの存在感がすさまじく、それだけじゃなく他の役者さんの演技がやばいくらいにハマってる
地味で普通の人たちなんだけど、「ぜったいなんか怪しい」的な雰囲気を全員が持ってます
出てくる人物がホントにいちいち臭いヤツらばかり
個人的にはイマイチかなと思ってた村田(妻)が、終盤では見事に評価が一変して「マジもんじゃねえの?」と思わされましたね
ホント、あの目つきはやばすぎる

その異様な雰囲気のやばさが話題になってるところもありますが、ドラマ部分もけっこうおもしろい
ストーリー展開じたいはオーソドックスだし、ぶっちゃけ先が読めすぎる部分もありますが、描写と演技による「いちいち説明しないけど分かるだろ?」みたいな行間を読ませる演出がにくらしい
分かりにくくならないていどに必要最小限の説明だけで、あとは映像から自分で判断して「ああ、こういうことがあったんだろうな」と自分で理解したように思わせてくれる描き方はさすが
「俺、分かっちゃったもんねえ」とちょっと優越感にひたれるように仕向けてくれる感じで、それが分かっててもやっぱり気持ちいい

ラストもラストでホントに「ヒドイ」し「最低な映画だな」と褒め言葉的な意味でこれを作ってくれたことを感謝せざるえない一本でした

個人的評価:100点
オススメ度:人の本質を見抜けてしまう人間は怖い




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2011年11月16日水曜日

屋敷女 (2007/仏)

監督:ジュリアン・モーリー / アレクサンドル・バスティロ
出演:ベアトリス・ダル / アリソン・パラディ / ナタリー・ルーセル / フランソワ・レジス・マルシャソン / ニコラ・デュヴォシェル / リュドヴィック・ベルティロ / エーマン・サイディ / エマニュエル・ランジ







交通事故で夫を亡くした妊婦
そして4ヶ月がたち赤ちゃんが間もなく産まれるという頃、家に見知らぬ不気味な女がおとずれる

邦題で損してる映画シリーズ
いやあ、これ単なる痛くてグロイってだけのホラーじゃないですね
序盤の気怠い雰囲気から一点して緊張感が続く本編、さばさばと描かれる痛いシーン
個人的な感覚ですが、あんまり「あ、いた、痛い痛い…」というより、ホントに思いっきりざっくりやってくれるんで痛さはそう感じない、かな

いきなり訪れてくる見知らぬ女、なぜか自分のことや家庭環境のことを知っており、不気味で暴力的
警察を呼ぶけどうまく女は隠れ通し、ついには家の中へ…
最初はじわじわと恐怖をあおる系かと思ってたんですが、いきなり直球全開な暴力的恐怖展開に
狭い家の中で殺る気まんまんな女と身重の妊婦、どう考えても勝負にならないんですが、途中途中で主人公の家に第三者が訪問してくることで展開の単調さを薄めて、さらに緩急がつくことで緊張感が継続していきます

とにもかくにもクライマックスからラストまでの流れがこの映画の一番の見どころで、よくある「吹っ切れた主人公と殺人鬼のタイマンバトル」展開かと思ってたら、まさかまさかの伏兵が現われたり…さすがにこの流れは読めないわあ
そしてラストの見せるでも見せないでもない黒塗り演出、いやあ、さすがに道徳的にアレな気がしないでもないですが、個人的にはアリかな
とか書くと人間性を疑われるか?

もろにグロ方面の作品でしたが、そう気持ち悪いって感じでもない、と思う
あまり映画の世界に入りこんじゃうと「うへえ…」となるかもしれませんが

個人的評価:80点
オススメ度:期待しないで観たらおもしろかった「良い拾いもの」という言葉がぴったり




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2011年11月15日火曜日

インモータルズ -神々の戦い- (2011/米)

監督:ターセム・シン・ダンドワール
出演:ヘンリー・カヴィル / ミッキー・ローク / ジョン・ハート / スティーヴン・ドーフ / フリーダ・ピント / イザベル・ルーカス / ルーク・エヴァンス / ケラン・ラッツ / ダニエル・シャーマン / ジョセフ・モーガン / ロバート・メイレット / スティーヴ・バイヤーズ / コリー・セヴィエール / マーク・マーゴリス / スティーヴン・マクハティ / アラン・ヴァン・スプラング / ピーター・ステッビングス / ロマーノ・オルザリ / グレッグ・ブリック




光の神々によって封じこめられた闇の神々タイタン族の解放を企むハイペリオン
その軍勢がある村を襲い、そこで密かに光の神の寵愛を受けて育った人間テセウスはハイペリオンに母を殺されたことで戦いに身を投じる

大衆向けの雑味がありながらも勢いで突っ走るB級アクションでもなく、荘厳な世界観を描く重厚なファンタジードラマでもない
とりあえず中途半端という言葉が一番しっくりくる作品でしたね
独特な美術もけっきょくは上辺だけの見かけ倒しにしか見えず、画面が地に足がついてないようなふらふらした印象を受けました
それが悪いわけでなく、それならそれでB級アクション路線でスタイリッシュなバトルシーンをウリに勢いまかせでやればまだ観れたのですが・・・

タイタン族を解き放つための弓を探して各地の神殿を襲うハイペリオン
その侵略によって母を失いながらも光の神のバックアップもあってハイペリオン軍に対抗するテセウス
なんやかんやでキーアイテムである弓を手にしたり失ったりしながら、神のパワーがチートすぎるだろ・・・という内容
とにかく予告編を見て「こりゃ神話をモチーフにしたB級スタイリッシュバカアクションだな!楽しみだぜ!」と思ってたのに、変にストーリー展開に尺をさいてるせいでガッカリ感がハンパない
しかもそのストーリーじたいがどうでもいい感じの代物で、退屈だってんだからどうしようもない
ストーリーとかいいから、そういうの気にしないで弾けてくれていいから、と言いたくなる

せっかく主人公がピンチになって緊張感が生まれたのに、いきなり全能の神パワーで事態を解決しちゃうってどうよ?
主人公の見せ場であるバトルシーンまで神々の超人戦闘描写でかっさらってくってどうよ?
そのくせに光の神はビジュアル的に雑魚敵にしか見えないタイタン族にあっさりやられるしまつ
炎や雷とか超常的なパワーじゃなくあくまで得物によるバトルに固執する神々、巨大なファンタジーモンスターもでてこない、等身大の神様と地味なテセウスの描写・・・
箇条書きのストーリーに存在感が微妙すぎるテセウスの仲間たち
いやあ、ここまで見事に見た目だけ派手な中身すかすか映画だとは思わなかった

とりあえず続編とか考えなくていいから、と言わざるえないそんな一本でした

個人的評価:50点
オススメ度:アポロさんをわざわざ名前入りで出す意味について




インモータルズ 予告

2011年11月13日日曜日

マネーボール (2011/米)

監督:ベネット・ミラー
出演:ブラッド・ピット / ジョナ・ヒル / フィリップ・シーモア・ホフマン / ロビン・ライト / クリス・プラット / ケリス・ドーシー / スティーヴン・ビショップ / ブレント・ジェニングス / タミー・ブランチャード / ジャック・マクギー / ヴィト・ルギニス / ニック・サーシー / グレン・モーシャワー / アーリス・ハワード / ジェームズ・シャンクリン / ダイアン・ベーレンズ / リード・トンプソン / タカヨ・フィッシャー





メジャーリーグの貧乏球団アスレチックスのジェネラルマネージャー、ビリー
2002年、主力選手を他球団に引っ張られ苦しい状況でチームを優勝させる方法を考える中、経済学を専攻していたピーターと出会い彼のもつデータに惹かれるのだった

それまでの球界の常識の殻を破り、堅物からは異端視され周囲からはあからさまに侮蔑のまなざしを浴びせられながらも、彼の持つ改革案を押し通して苦況にたちながらも実を結んでいく…
というようなその業界を突飛な方法で改革していく系のよくあるサクセスストーリー、ではないんですねコレ
ある意味でビリー・ビーンの始まりの物語
彼の変革の一年とこれからを描いてる「ビリー・ビーン物語」であって、「マネーボール理論によるサクセスストーリー」ではない
最後まで観るとそのことが分かって「ああ、そういう映画だったのか」と思うとともに、じわじわとおもしろさがこみ上げてきます

貧乏球団が金持ち球団の真似をしても結局は資金力の差を痛感するだけで意味がない
いわゆるスタープレイヤーは軒並み金持ち球団に持って行かれ、若手を育てても育ちきったら他に持って行かれるイタチごっこ
そんな中で出会ったピーターと共にデータによる出塁率を重視した「マネーボール理論」を押し通すことに決める
でもそれはデータだけではなく長年の経験により選手を見る目をもつスカウトマン、自分の実績に泥を塗りたくないがために安全な選手起用でビリーを無視するチーム監督によって思うようにことが進まない
野球とかよく知らない自分でもビリーのマネーボール理論はけっこう乱暴な感じがしましたね

四球でもヒッティングでもとにかく塁に出る、勝利のための選手起用により容赦なく不要な選手は切り、必要な選手を引っ張ってくる
選手を育てるとか信頼を得るとかそういった長期的な発想からくるものではなく、とにかく目の前の優勝を狙うためのチーム作り、あんまり知識がなくてもそういった印象を抱かざるえない
日本のドラマやマンガなんかである改革ドラマものとは違い「一見冷徹そうだけど」という甘いところがいっさいない
そんな終始ブレない男の姿を楽しめるか否かで評価が大きく変わってくるかもしれません
特に普通の作品ではクライマックスにしてエンディングにもなりえる連勝記録の顛末、さらにそこから続く流れがこの映画を象徴してる展開になってます

繰り返しになってしまいますが、ホントにビリー・ビーンの転機になったできごとの最初の一歩を描いた作品ですので、野球映画的なサクセスストーリーを求めてると「ん?」となるかもしれません

個人的評価:85点(あとからジワジワくる)
オススメ度:マネーボール理論が良いとか悪いとかそういうんじゃねえから、これ




マネーボール 予告

2011年11月9日水曜日

ファイナル・デッドパーティー (2009/米)

監督:アダム・ギーラッシュ
出演:シャノン・エリザベス / モニカ・キーナ / ディオラ・ベアード / マイケル・コポン / ボビー・スー・ルーサー / ジョン・F・ビーチ / エドワード・ファーロング








50年間だれも住み着かなかった古い屋敷で行われるハロウィン・パーティ
警察によってパーティは解散になったが、残った男女7人は地下の隠し部屋で謎の死体を見つけ…

全世界待望のファイナルデッドシリーズ最新作!
イエァ!ホゥッ!やったぜ!って、誰が騙されるか!バーカバーカ!
まあ、私の知らない類似系の「ファイナルデッド」というシリーズがあるのかもしれないけど、たいがいの人は「ファイナル・デスティネーション」シリーズを思いつくでしょ?
とりあえずこの映画は「予知夢」の要素も「死の順番」の要素も「死に関するルール」もない
デスティネーション系とはまったく接点がない

内容的にはいわくつきの館でハロウィンパーティして調子こいてたら、地下で死体に指をかまれてなんか感染だか乗り移りだかされて、男女7人が次々に悪魔化しちゃって大変だべ…みたいな感じ
とりあえずこういう今さら感が漂うクソB級映画を作るんだったら、もっとはじけて「バカか!」と叫びたくなる素敵ポイントが必須だと思うんだ、ボク
でも、この作品にはそんな見どころがほぼない、本当にオーソドックスで毒気も味気もないクソB級映画だから困ってしまう
ようするにいたって普通の誰でも退屈できるクソB級映画

とりあえずとっとと悪魔が動き出して人を襲いはじめろよ、と言いたくなるくらい前置きが長い
序盤、中盤で軽くデスシーンを描いておいて、ラストでエログロ全開というのがホラーのテンプレート的な展開だと思うんですが、尺の90分中60分が前置きとかさすがに長すぎる
いや、ホントにそんな人間関係とかキャラ描写とか、こんなクソB級映画でそこまで丁寧にドラマ部分を描かなくていいから
とりあえず誰でもいいから軽く犠牲者だしとこ?マジで、と言わざるえない
それでも唯一の素敵ポイントである「口紅をおっぱいから挿入してアソコから出す」という文字にしてみてもイマイチ分かりづらいシーンが印象に残ります
むしろそのシーンがこの映画の全てです

というわけで、久々に「見える地雷」を踏んでみたくなって観たこの一本、みなさんもぜひチャレンジしてみてはどうでしょうか
オーソドックスなクソB級映画とはどんなだ?という問いに対する答えがそこにある!

個人的評価:20点
オススメ度:もはや乗り移りたいんだか殺したいんだか




ファイナル・デッドパーティ 予告



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2011年11月8日火曜日

カイジ2~人生奪回ゲーム~ (2011/日)

監督:佐藤東弥
出演:藤原竜也 / 伊勢谷友介 / 吉高由里子 / 生瀬勝久 / 香川照之 / 松尾スズキ / 柿澤勇人 / 光石研 / 嶋田久作








再びの借金生活で地下に墜ちていたカイジは、仲間の助けにより14日間だけ地上に出ることを許される
手持ちの金109万円、これを仲間たちの借金もふくめて2億円にしようと画策するのだが…

前作がそれほど期待してないで観たらそこそこおもしろかった「カイジ」ですが、さすがにこの続編はダメダメな感じな臭いが漂ってました
ええ、観る前までは
で、結局のところ、前作以上に期待値が低かったこともあって、これがけっこう普通におもしろく感じた不思議
序盤からかなりテンポよく話が転がっていき、「ヒット後の続編だけに、どうせ軽いスカスカな内容なんだろうな」という思いは勘違いだったと反省せざるえない
だけど、最後まで観た結果「おもしろかったか?」と聞かれたら「うーん?」といった感じでしたが

14日間で2億円を手にしなくてはならない無茶な状況の中、かつて遺恨のあった利根川と偶然に再会し帝愛の息がかかった裏カジノの存在を知る
そのカジノのレートは異常に高く、これなら一攫千金でかせげると思ったカイジだが、そこで出会った坂崎という男から攻略すれば11億円はくだらないパチンコ「沼」の存在を教えられる
そして、そんな裏カジノを仕切るのはカイジを敵視する帝愛の幹部、一条であった
そんな感じの出だしでしたが、昔に原作をこの沼編の中盤あたりまで読んで挫折した記憶をたどると、だいたいマンガ版をなぞってる感じなんじゃないでしょうか
ただマンガだともっとまどろっこしくて、それがゆえに途中で読むのをやめた私ですが、この映画版ではそこら辺の序盤の展開が簡潔にまとめられてる印象でした

で、観ててどうしても気になるのが俳優陣の演技
前作ではそんなでもなかったんだけど、今作では主人公のカイジ役の演技がちょっとひどい気がしないでもない
それにもましてヒロインの演技があまり演技力にこだわりのない自分からみても「そうとうひどい」レベル
本気でおまえらちょっとそれ以上しゃべるな、と言いたくなりましたね
うん、それはそれで「こんなもんだ」と割り切れないこともないんですが、それ以上にちょっと気になったのが終盤のグダグダすぎる展開
ピンチ→この金を使え!→ピンチ→この金を使え!→以下略…
えっと、カイジってこんな絆とか信じる心とかパワープレイで押し通す内容でしたっけ?
原作途中リタイア組としてはあまりカイジについて多くは語れないかも知れませんが、イメージ的に絶体絶命の中でわずかな光明を見つけ出して心理戦や頭脳戦でギリギリの綱渡りをする…と思ってたもので
さすがにこのクライマックスの押せ押せパワープレイはちょっと、ね

ラストの勝負が始まった時には「お、きた!前作のなぞりでアレだけど、こういう勝負が観たかったんだよ」と、これで気持ちよくこの映画を楽しんで終われると思ってたら…なんともいえないオチでしょんぼり
でも途中まではかなり楽しんで観れたので、どうにも終盤の展開がもったいないけど、クソつまらんまではいかない微おもしろい一本でした

個人的評価:75点
オススメ度:だってしょうがないじゃない、じゃないよビッチ




カイジ2~人生奪回ゲーム~  予告

2011年11月7日月曜日

メアリー&マックス (2009/豪)

監督:アダム・エリオット
出演:トニ・コレット / フィリップ・シーモア・ホフマン / エリック・バナ / バリー・ハンフリーズ / ベサニー・ウィットモア / レニー・ゲイヤー / イアン・モリー・メルドラム








オーストラリアに住む友だちのいない寂しい少女メアリーと、ニューヨークに住む44歳の精神を病んでいる男
二人はひょんなことから文通をすることになる

いかにもな感じの海外デザインなクレイアニメ
ぐにゃぐにゃどろどろって感じのクレイアニメ独特な表現は控えめで、その先にある「作品としてのおもしろさ」をきちんと表現できてると思いましたね
ブラックなユーモアたっぷりでかなりひどい展開がありつつも、なんともいえないコミカルな表現で深刻になりすぎない描き方で進んでいきます
そんな深刻になりすぎないデフォルメされた演出を楽しんでいると…って感じのクライマックスの流れは秀逸
というかまさかクレイアニメで話じたいに感動するとは思わなかった

コンプレックスのかたまりで友だちが欲しくてもできないメアリー、トラウマのかたまりで精神的にアレな状態で孤独に生きるマックス、そんなふたりが文通をはじめることで前向きに、時には後ろ向きに人生を変化させていく…みたいな内容
寂しい者どうしが手紙でつながることですべてがハッピーに進む、という単純な話じゃなく、そのせいで悪化するものもあってなかなかに先が読めない展開がおもしろい
なにげに歳月はどんどん進むし、文通がふたりの人生そのものに作用していく
甘くはないふたりの人生を見守っていく作品ですね

特にラストが個人的にかなり気に入りました
なんとも「きみの友だち」を思い出さざるえない
ラストのマックスのあの表情と姿勢、その意味が分かったとたんに「うわあ、そうかあ、そうきたかあ」とジーンときちゃいました
クレイアニメなんて変幻自在にうねうね動くだけの表現作品かと思ってたけど、きちんとストーリーをつけることでこんなおもしろくなるんだ、と感じた一本でした

個人的評価:90点
オススメ度:文通とか微妙にあこがれるけど、今の日本じゃかなりファンタジーな部類だろうなあ




メアリー&マックス 予告


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2011年11月6日日曜日

モンスターズ 地球外生命体 (2010/英)

監督:ギャレス・エドワーズ
出演:スクート・マクネイリー / ホイットニー・エイブル









メキシコが地球外生命体に侵食されて6年
ある新聞社のカメラマン、コールダーは社長の娘であるサムを海岸までエスコートしてアメリカに帰国させるよう命令される

モンスターと軍隊の戦いに巻き込まれる一般人視点の「クローバーフィールド」
モンスターを隔離して一時的な滞在者として描いた「第9地区」
モンスターと戦うモンスターヒーローの誕生話の「スカイライン」
モンスターと軍隊のガチバトルを描いた「世界侵略」
そして、モンスターと比較的に遭遇しにくい道をたどってラブロマンス逃避行の今作
騙された、騙されたよ…モンスターパニックかと思ってたらロマンス系かよ
しかも個人的にちょっと理解できない部類に入るロマンスものでした

社長の娘を上司のパワハラにより嫌々ながら国外に脱出できる海岸まで送ることになった主人公
モンスターにはなんだか活発に活動する時期みたいのがあって、そろそろそんなシーズンがやってくる微妙に危険な情勢
それでも金をかけて娘の安全…というより社畜的な弱者の立ち位置によって金で安全を買ってモンスターに襲われにくいルートで旅を続ける一行
いやあ、とりあえずなにがビックリかって、本編中にモンスターと主人公たちが遭遇する回数が数回しかない上にかなり一回が短時間なんですよ
さらに言うなら敵意をもったモンスターに襲われたのって2回だけじゃないのかな
個人的な体感だと九割がた主人公たちがダラダラと移動してるだけのシーンな印象です

クライマックスのアレといい、たぶんこんな設定の中でのロマンスを描きたかったんだろうけど、まったく共感できないし理解できない
「ぼくのかんがえたあたらしいモンスターえいがのかたち」って感じで撮ろうと思ったんだろうけど、悪い、個人的にまったくおもしろいと思えなかった
むしろ眠かった。いや、ガチで途中で寝た
なーんか、いつのまにやら恋愛感情がわいてるふたりがただ国外に脱出するために電車、車、船、徒歩で移動してるだけだよ?
べっつにモンスターに追われてるわけでもなし、普通に移動してるだけ
これを楽しめるほど悟りをひらいてないんで
もしくはこういうロマンスを受け入れる器が私にはないんで

ホントに観る人を選ぶ映画で、個人的にたまたま「合わない」側の人間だっただけだろうけど、こういう静かで地味なSFの世界観を酔う作品は「合わない」かもしれんね

個人的評価:10点
オススメ度:パスポートの管理くらい自分でしとけや




モンスターズ 地球外生命体 予告


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2011年11月1日火曜日

セルラー (2004/米)

監督:デヴィッド・R・エリス
出演:キム・ベイシンガー / クリス・エヴァンス / ウィリアム・H・メイシー / ジェイソン・ステイサム / ノア・エメリッヒ / エリック・クリスチャン・オルセン / ジェシカ・ビール / リチャード・バージ / マット・マッコーム / アル・サピエンザ







ある日、見知らぬ男たちに誘拐され監禁されるジェシカ
壊れた電話をかろうじて直し、たまたまつながったブライアンに助けを求める

もう今までに何度も観た映画シリーズ
ということで、なにかのきっかけでふと観たくなる映画というのがあって、個人的にはこの「セルラー」がその一本になります
とにかくお手軽に気持ちいい感覚を味わえる楽しい作品で、ホントになんど観ても飽きないから不思議
スピード重視、転がりだしたら止まらない、サスペンス、アクション、コメディ、もう個人的に最高のエンターテインメント作品

訳も分からないまま誘拐されたジェシカ、そして見ず知らずのジェシカから携帯に電話がかかってきて手助けをすることになるブライアン
誘拐した犯人グループの行動を阻止しようとジェシカが指示をだし、ブライアンが行動していくという流れなんですが「今度はここ、次はあっち」みたいに次々に場面が切り替わって話が展開していき、それにつれてちゃんと謎も解けてくる上にスピード感の邪魔にならないくらいに分かりやすく描かれる
ご都合主義、ツッコミポイント、悪い部分も疾走感の中で物語とともに流し進めていくので気にならない

けっこうコメディの要素も多くて、シリアスで深刻になりすぎないようになっていて、肩の力を抜いて観れる娯楽性を強く前面にだしてますね
でも人によっては、このコメディ要素が肌に合わないと感じるかも、と思えるのも確か
なにげにジェイソン兄貴も出てハゲちらかしてるこの映画、まだ観てない人にはぜひともオススメしたい一本ですね

個人的評価:95点
オススメ度:地味ポイントだけど、兄貴がホールドアップ状態から照明を撃つ演出がお気に入り



セルラー 予告



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三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船 (2011/仏・米・英・独)

監督:ポール・W・S・アンダーソン
出演:ローガン・ラーマン / ミラ・ジョヴォヴィッチ / オーランド・ブルーム / クリストフ・ヴァルツ / マシュー・マクファディン / レイ・スティーヴンソン / ルーク・エヴァンス / マッツ・ミケルセン / ガブリエラ・ワイルド / ジェームズ・コーデン / ジュノー・テンプル / フレディ・フォックス






アトス、アラミス、ポルトスの三銃士とミレディはイタリアでダ・ヴィンチの遺したある設計図を手に入れるが、ミレディの裏切りにあう
そして一年後、銃士にあこがれ上京してきたダルタニアンは落ちぶれた三銃士たちと出会うのだった

彼を知り、己を知れば、百戦危うからず
というかなんというか、ヘタに勘違いせずに自分にできることだけを精一杯やれば、バカ映画でもそれなりに上出来なものが完成する…みたいな映画
いや、もうホントにストーリーとか堅苦しい昔のフランスの描写とか、そんなことはどうでもいいじゃんって感じに「楽しければ良い、気持ちよければ良いんだよ」な超娯楽特化で作られてましたね
勢いだけで走り出し、ちょっとした上り坂を惰性で進み、また下り坂で突っ走る…最初から最後までとりあえず走り抜けてる印象が強いです

ストーリーもなにもない感じがしますが、とりあえずフランスのヘタレ王のもとで密かに実権を握ろうと暗躍するリシュリュー枢機卿、フランスと和平を結ぶ表の顔に陰謀を隠す英国のバッキンガム公爵、そのふたりの男を手玉にとって立ち振る舞うミレディ、各々の謀略からフランスを守る三銃士とダルタニアンという構図でドンパチひゃっほーな内容ですね
しょうじきそんなに謀略に深刻さは感じられず、とにかく軽~く表面だけ派手派手な演出で、それがとことんそんな演出を貫いてるから逆にバカすぎて素敵で楽しい

ツッコミを入れるのが無粋な作品ではありますが、それでもどうしても気になる点があるのも確か
そんなに細かいことを気にしない私でも気になるんだから、他の人ならもっといろいろと気になる点が多々あるかもしれません
とりあえずダルタニアンが三銃士と溶け込みすぎ、あくまで平民だろうに誰も気にしなさすぎ
白昼堂々、仲間内である人をいっぱい殺してるのに気にしなさすぎ
バッキンガム公爵が王宮に乗り込んできたのに気にしなさすぎ
飛行船を自転車感覚で飛ばしすぎ
あの長い渡し板はどこからわいてきたのか不思議すぎ
まあ、アレだ、とりあえず「んなこたぁどうでもいいんだよ」というゆるい精神が必要で、細かいことを気にしなけりゃホントに最後まで楽しめますね

と、そんな感じでとことん軽いお気楽お手軽娯楽アクション「ああ、楽しかった」という言葉が一番似合う作品かもしれません

個人的評価:90点
オススメ度:ただしバカ映画好きにかぎる




三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船 予告