2014年12月31日水曜日

真夜中の五分前 (2014/日・中)

監督:行定勲
出演:三浦春馬 / リウ・シーシー / ジョセフ・チャン

中国で時計修理をしている良
ある日であった女性が双子だと分かり、その思いを聞いているうちに惹かれていく

双子というギミックをいかしているようで、けっきょく雰囲気映画という印象が強い
ふたりの矛盾するような発言にルオランとルーメイの境界があやふやになっていくのはおもしろいけど、どうにもドラマ的にもう一段ふかさが足りない気がしないでもない
良の元カノのことや双子の子供のころのこと、そこら辺のエピソードでもっと混沌とした内容になった方が個人的に好みだったかも

ようするにあんたが惹かれてる女は双子のどっちよ?って感じの内容で、主人公たちといっしょに「どっちかなあ」と観ているのがおもしろい
なんか双子の企みみたいなものがあるようなミステリーっぽい部分が求心力になりつつ、雰囲気に飲み込まれていきます
決めつけと疑い、事故の影響もあって不安定なアイデンティティに本人もゆれる双子ちゃんの描写はいいですね

ただ作品的にこねくりまわすだけこねくりまわした結果、ドロッとしたよく分からんものになってる感がする
ここら辺は私のセンスの問題が大きいと思うんで、ホントに個人的な感じ方になっちゃうけど、どうせならもっと混沌につきぬけるか、逆に「そういうことか」というスッキリ感がほしかった

とりあえずこの作品を気になる人には観てもらって、この雰囲気が合うかどうか個々に判断してもらうしかない、と無責任に逃げざるえない

個人的評価:70点
オススメ度:時計の音と、ゆったり感が眠気をさそうわあ




真夜中の五分前 予告

2014年12月28日日曜日

サンバ (2014/仏)

監督:エリック・トレダノ / オリビエ・ナカシュ
出演:オマール・シー / シャルロット・ゲンズブール / タハール・ラヒム / イジア・イジュラン

フランスでの滞在許可が切れていることに気づかなかったサンバは勾留されてしまう
そんな彼を支援するためにアリスが話を聞きにきたことで、ふたりの交流がはじまる

いろんな人の助けになる主人公、という映画であることは間違いないんだろうけど、なんとも微妙な物足りなさを感じずにいられない
アリスをメインにオムニバス的に出会った人に笑顔をふりまく、というシンプルなものでもなく、個人的に各エピソードそれぞれが不完全燃焼すぎる気がした
鑑賞後も「え?終わり?」みたな半端な気持ちなまま突き放された印象がありました

警察に絡まれれば一発アウトという状況になり、かなり生活に制限と虚偽の負担がかかるサンバさんが、そんな自身のことをよそになんだかんだで周りの人の助けになっていく感じのお話ですね
ただ、自己犠牲による人情ドラマみたいな息苦しさの中での気持ちよさ、ってのが観てて感じられないんですよね
特にメインとなるアリスさんとの話にあまり魅力が感じられない

ウィルソンとバカをやりはじめた辺りでおもしろくなってきて、どんどん救われていくアリスと苦境におちいっていくサンバの対比が楽しめます
だけどやっぱりウィルソンが絡んできてこそサンバさんの魅力が輝く気がしないでもない
話的にもアリスかウィルソンかもっとしぼって描くか、三人の関係を深めてくれた方がおもしろかったかも

瞬間的なおもしろさはあるし、ここが良かった点もある
だけど総じてみてみると、鑑賞後の物足りなさがなんともいえないんですよね

個人的評価:75点
オススメ度:自分のことはおいといて、バカみたいに笑顔を振りまく話じゃないのは確か




サンバ 予告

海月姫 (2014/日)

監督:川村泰祐
出演:能年玲奈 / 菅田将暉 / 長谷川博己 / 池脇千鶴 / 馬場園梓 / 太田莉菜 / 篠原ともえ / 片瀬那奈 / 速水もこみち / 平泉成 / 内野謙太

クラゲオタクの月海はオタク仲間のみんなと天水館で暮らしていた
ある日、出会った女装趣味の男から再開発計画によって天水館が取り壊されると聞かされ・・・

思ってたより蔵之介の女装は見るに耐えたし、月海たちのオタクっぷりも楽しめました
そんな個人的にプラスの「思ってたより」があった反面、逆にマイナスの部分の方が強く感じられて残念
ちょっとは覚悟してたけど、その覚悟をこえる感じのスイーツ臭というか、明らかにナウなヤング向けっぽい作りでしたね

オタクたちが現実の波によるピンチに立ち向かううちに、ちょっとはネガティブなヒッキー根性が矯正され、同時に主人公のロマンスもうんぬんっていう内容なんですが・・・
過剰演出によるコメディ部分も含めて、ホントに全体的におっさんが観るような空気感じゃないッスね
サクっとした超絶ライトコメディに古くさいロマンス成分が加わり、作品じたいもしょうじきイマイチな感じがしました

バカコメディならそっち方面に突き抜けてくれればいいんですが、中途半端に守りに入っちゃってて笑うに笑えないシーンが多い
特にファッションショーで立ち向かうとか、正気の沙汰と思えないアイディアを「いや、さすがにそれはない」と冷めた目線でしか観られないのはどうかと
ドレスの数々のデザインセンスも冗談でやってるのかマジなのか個人的に理解しがたかった

そんな感じでバカ盛り大爆笑オタクコメディを期待してたものの、話じたいも含めて中途半端感にげんなりしてしまった一本でした

個人的評価:40点
オススメ度:あのドレスは見る人が見れば素敵なんかな




海月姫 予告

2014年12月21日日曜日

バンクーバーの朝日 (2014/日)

監督:石井裕也
出演:妻夫木聡 / 亀梨和也 / 勝地涼 / 上地雄輔 / 池松壮亮 / 高畑充希 / 宮崎あおい / 貫地谷しほり / ユースケ・サンタマリア / 本上まなみ / 光石研 / 大杉漣 / 田口トモロヲ / 徳井優 / 大鷹明良 / 岩松了 / 鶴見辰吾 / 石田えり / 佐藤浩市

1900年代前半のカナダで働く日本人によって結成された野球チーム朝日軍
新キャプテンとなったレジーだったが、どうあがいても白人の力にはかなわずチームに暗いムードが漂う

弱小日本人野球チームがカナダの地というアウェーな環境の中、なんとか光明を見いだす
という話で間違いはないんだけど、なんというか野球映画じゃない感がしてならない
逆境の中でのドラマを描きたいのは分かるけど、もうちょい野球の部分で興奮させてもらいたかった

遠い異国の地で安い賃金で働かされ、罵られ陰口をたたかれ、しかも働き口もどんどん減ってきている悪い状況という暗い状況の中、さらに辛気くさい主人公の覇気のなさがどうしようもない出だし
もう序盤から負の部分ばかり強調されて観ててげんなりせざるえない
せめて主人公が天然の明るさをもつか、野球シーンが楽しそうに描かれれば救われたけど、それすらない

本格的に野球の試合がはじまると、やっと話じたいが楽しめるようになる
負けてもどこか明るさがあるし、そんな光あればこそ負のオーラをまとう主人公もちょっとは魅力がでてきます
頭脳野球によって試合にも勝てるようになってきて、どんどんと明るくなってくる作品
そんな良い部分あっての新たに問題が生じる展開なら、もう息苦しさは感じない

ただなんか野球の試合的に、チーム的にすごいことをやってるのは分かるけど、そこら辺がいまいち伝わってこないんですよね
野球シーンが見ていてドキドキもわくわくもしないし、別段おもしろくない
なんというか作ってる側がそれほど野球というスポーツに思い入れがないんじゃなかろうか、と邪推してしまう

こういうドラマを描きたかったという点ではいいとしても、「おもしろい野球してるな」と観てて思えないのが残念だった一本でした

個人的評価:70点
オススメ度:フジの朝日映画か




バンクーバーの朝日 予告

ベイマックス (2014/米)

監督:ドン・ホール / クリス・ウィリアムズ
出演:スコット・アツィット / ライアン・ポッター / T・J・ミラー / ジェイミー・チャン / デイモン・ウェイアンズ・Jr. / ジェネシス・ロドリゲス / ダニエル・ヘニー / マーヤ・ルドルフ / ジェームズ・クロムウェル / アラン・テュディック

ロボットファイトに明け暮れる少年ヒロ
兄のタダシに連れられて大学を訪れ、それを機に入学を目指すことになる

ケアロボットで戦うとか、そういうんじゃねえから
という感じのまったりものかと思ってたんですが、超オーソドックスなスーパーヒーローアクションだったという
ケアしてるよりアクションしてる場面の方が多くて、個人的にはこういう少年バトルマンガっぽいノリの方が好みだったので楽しめました

話的には兄のタダシの死に裏があると気づいて、ケアロボットのベイマックスと仲間たちとともになりきりヒーローデビューだぜって感じ
ぷにぷに癒し系なベイマックスは序盤で終了、あとはアーマー姿のバージョン2とヒーロー姿の面々でずっとアクションしてる印象が強い
内容もヒーローとして正しい行いをしよう、ってふうな流れだしアメコミヒーローものが好きなら楽しめるかもしれんね

そんな感じでアクションをメインなら楽しめるけど、兄弟愛とかベイマックスに癒し要素を求めているとちょっと「あれれ?」ってなるかも
ストーリーも単純という意味でけっこうシンプルなアクションアドベンチャーなんで、ホントに少年マンガを読んでる感覚に近いですね
世界観とかも最初はアジアがベースになってる部分が中途半端な感じで引っかかるけど、最後にはけっこう魅力的に思えるようになりました

個人的評価:85点
オススメ度:まさに新ヒーロー誕生編みたいで続きも観たい気がしないでもない




ベイマックス 予告

2014年12月15日月曜日

ゴーン・ガール (2014/米)

監督:デビッド・フィンチャー
出演:ベン・アフレック / ロザムンド・パイク / ニール・パトリック・ハリス / タイラー・ペリー / キム・ディケンズ / パトリック・フュジット / キャリー・クーン / デビッド・クレノン

5年目の結婚記念日、ニックが家に帰ると室内が荒れていると同時に妻がいなくなっていた
事件性があると判断した彼は警察を呼び、妻の捜索に協力するのだった

出だしから終わりまで本当によく練られていると言うしかないアメージングな作品
予告を見ていただけの段階では、加熱する報道によって事実は置いてけぼりで主人公のことをおもしろおかしく悪役にまつりあげていく皮肉っぽい内容かと思ってましたが…
ネタバレはしない方向で言うと、なんとも前半と後半、始めと終わり、夫と妻、色々と相対する描き方が本当におもしろかった

夫のニックが妻の失踪に警察へ協力するけど、けっこう彼女の知らない部分が多い
しかもどことなく冷めている様子もうかがえて、事件に関係するような裏があるような雰囲気が漂う
そんな中で妻エミリーの日記で夫婦の過去を描きつつ、ニックと事件が怪しい方向へ流れはじめるという「なんかある」感じが興味を持続させる
しばらく重苦しい空気が支配してるけど、意外に早い段階で事件の真相が分かって観ていて一息つけます

そこからさらに観ていくと「そういうことか」というように分かりやすいヒントの描写で、まるで自分で気づいたかのような気持ちよい満足感へ誘導してくれるから小憎らしい
話の流れ的にも、作品じたいとしてもいろんな意味で観ていて自然と心を掴まれながら、そのエスコートっぷりが心地よいからたまらない
「本当に大切なものはいつも 失って初めてわかる」…鑑賞後、何気に目についた映画のポスターの前で思わず立ち止まって「良いコピーだな」と思い耽りました

個人的評価:100点
オススメ度:観てて、なんとなく「シリアル・ママ」を思い出した




ゴーン・ガール 予告

2014年12月14日日曜日

劇場版「進撃の巨人」前編 紅蓮の弓矢 (2014/日)

監督:荒木哲郎
出演:梶裕貴 / 石川由依 / 井上麻里奈 / 谷山紀章 / 小林ゆう / 下野紘 / 逢坂良太 / 細谷佳正 / 橋詰知久 / 嶋村侑 / 三上枝織 / 藤田咲 / 神谷浩史 / 小野大輔 / 朴ろ美 / 藤原啓治

壁に囲まれた街で暮らすエレンたち
ある日、突如として現れた超大型巨人によって壁が破壊、街が巨人たちに蹂躙されてしまう

アニメで話題になった時、原作マンガのさわりだけ読んだていどのいつも通りのにわかっぷりで鑑賞
マンガだとちょい分かりづらくて魅力が理解できなかったけど、アニメで観ると非常におもしろくて内容も伝わってきました
とはいえ、やっぱり元のアニメもしくは原作マンガをちょっとでも読んでないと辛い内容な気がしないでもなかったですね

実際にアニメとして動いている立体機動をはじめて観ましたが、これはTV放映時に話題になるのもうなずけた
スピード感と迫力のある動きはホントに爽快
それに反して生理的に嫌悪感しかおぼえない巨人のデザインと、話の絶望的な流れがブレンドされておもしろい

だけど、総集編的な再編集という意味で仕方ないかもしれんけど、どうにもずっと同じテンションで戦いっぱなしで疲れる
さらに絶望的な展開で重苦しすぎて苦しくなってきます
この作品の売りである部分がプラスにもマイナスにも作用してる感じがしました

じゃっかんぶつ切りが気になる部分があるにはあるけど、編集の仕方じたいは不自然な点はあまりなかったですね
巨人の再生能力とか弱点とかの説明が不足してる感じで、そこら辺は原作を知っていないと飲み込みづらいかもしれん
とりあえず、なんとなく知ってるけどスルーしてて、ぎゅっと凝縮した感じで一気に観たいっていう私のようなものぐさにはちょうどいい一本かもしれません

個人的評価:75点
オススメ度:2016年までこの人気が保てるんかな




劇場版「進撃の巨人」前編 紅蓮の弓矢 予告

宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟 (2014/日)

監督:出渕裕
出演:小野大輔 / 桑島法子 / 鈴村健一 / 大塚芳忠 / 中村繪里子 / 菅生隆之 / 久川綾 / 國分和人 / 近木裕哉 / 藤田咲 / 東地宏樹 / 諏訪部順一 / 園崎未恵 / 立花慎之介 / ふくまつ進紗 / 大友龍三郎 / 甲斐田裕子 / 田中正彦 / 石井康

イスカンダルから地球への帰途にあった宇宙戦艦ヤマト
新たなる敵ガトランティスの攻撃にあい、なんとか逃げようとするが・・・

とりあえず完全に前作の続きで、いっさいこれまでの航海に関するフォローはなかったですね
「前作とか観ててあたりまえなんで。そこら辺は大前提ですから」って感じ
ガミラスとの本当の意味での決着、という感じなようなそうでもないような微妙な話ではありました
しょうじきやってもやらなくても良かった話な気がしないでもない

話としてはまんま家につくまでが旅ですってふうで、なんかとってつけた感のかませ犬なガトランティスというチンピラに絡まれながら、よく分からんうちにヤマトを憎むガミラス残党とホテルでばったり、みたいな
ガミラスとのいざこざに完全決着つけたいってなら、もっと深い部分までドラマを展開した方がよかったかなあ
地球人とガミラス人のいさかいうんぬん、という核になる部分をやりたいのはいいけど、それをとりまく要素が中途半端すぎな感じ

新たな敵の脅威、かつての敵とのやりとり、熱い男のドラマ、燃える戦闘、盛り上がる要素はふんだんにあるし、瞬間的には男の子の心が呼び覚まされる部分はある
だけどなんともサイドストーリーを観ているような、本編から外れてる物語に気分が上がりきらないのも事実

シリーズの一編としての挿入話ならいいけど、これ単独で劇場作品って言われるとじゃっかん物足りない感じがする一本でした

個人的評価:70点
オススメ度:まあ、別にわざわざヤマトじゃなくてもいいよね




宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟 予告

2014年12月8日月曜日

チェイス! (2013/印)

監督:ビジャイ・クリシュナ・アーチャールヤ
出演:アーミル・カーン / カトリーナ・カイフ / アビシェーク・バッチャン / ウダイ・チョープラー

シカゴで銀行を襲っては金をばらまく強盗のサーヒル
そんな彼は表の顔としてサーカス興業をシカゴで始めようとしていた

歌と踊りと演出過剰なアクション、インド映画としてのテイストが満載
それでいてあまり強烈なインドっぽさはないんで、普通の娯楽作品として楽しめます
唐突なダンスシーンとかはあるけど、そこら辺はけっこう流れに合わせてる感じもするし、そう歌って踊る場面は多くない
ちょっとクライマックスにかけて尻すぼみな感はあるけど、スタイリッシュアクションとして頭からっぽにして観られますね

とにもかくにも主人公をかっこ良く魅せるための演出がくどいくらいに炸裂しまくり
トンデモアクションにトンデモバイク、トンデモサーカスで胸焼けするほどの娯楽展開
中盤まではホントに息をつく暇を逆に要求したくなるくらいにアクションとサーカスの特盛り波状盛り上がり攻撃で、ちょい観てて疲れるほど

で、このままストーリーとか放棄して、アクション&サーカスのくどい盛り上がりを続けていくのかと思いきや、それなりに作品として話を進めてくる中盤でやっと一息
ネタバレ部分もふくめて話もいっきに見えてきます
だけど、どうにも前半に比べてクライマックスの展開のさびしさと唐突さが気にならざるえない

ケンカしてたふたりが普通に元通りになってたり、場面転換が急すぎたり、なんか露骨な息切れっぷりを感じずにいられない
あと、個人的にはもう少し歌と踊りのシーンとバカ演出があってもよかったかな、と思った一本でした

個人的評価:80点
オススメ度:3って1とか2があるんかな




チェイス! 予告

西遊記 はじまりのはじまり (2013/中)

監督:チャウ・シンチー
出演:スー・チー / ウェン・ジャン / ホアン・ボー / ショウ・ルオ

調教系妖怪ハンターの三蔵は修行中ながら己の無力さを痛感していた
そんな時、彼につきまとう女妖怪ハンター段と出会い・・・

はじまりのはじまり、っていう副題と「降魔篇」と表記されてることからイヤな予感はしてたけど、まんま序章ポジションな作品でしたね
寒いギャグに引きまくり、子供だましなようでエグい展開もある作品の雰囲気がどうにも最後まで個人的にノリきれなんだ
すっごい食べ合わせの悪いもんを嫌々ながら食ってる感がしてならなかったです

要するにおなじみの三妖怪と三蔵が天竺へGOするまでのプロローグな内容なんですが、とりあえず作風じたいが肌に合わない
ギャグなのかスリラーなのか中途半端な雰囲気は独特で、大人が観るには子供っぽいし、子供が観るにはキツい描写もあり、どのターゲットを狙ってるのか分からない
妖怪も妙にパチモンくさいデザインで、いっさいのかわいさがない

出てくるキャラもみんな軽くイラっとくる輩ばかりで、久しぶりに苦行的に映画を観ることになりました
特に悟空登場時の穴の中での一連のシーンは出来の悪いコントにしか思えず、ここも含めていっさい笑えるところがなかったのも残念
まあ、個人的に合わない映画だけだったかもしれんけど、最初から最後までこの作品の良い部分を見つけることができませんでした

個人的評価:0点
オススメ度:続編とかわりと本気でノーサンキューです




西遊記 はじまりのはじまり 予告

2014年12月7日日曜日

滝を見にいく (2014/日)

監督:沖田修一
出演:根岸遙子 / 安澤千草 / 荻野百合子 / 桐原三枝 / 川田久美子 / 徳納敬子 / 渡辺道子 / 黒田大輔

幻の滝を見るツアーに参加した7人の中年女性たち
山道で先行したガイドの帰りを待ちきれず、二手に分かれて探しに行くことにするが・・・

想像通りなおばちゃんパワー全開映画
そりゃ王道展開なギスギス要素もあるけど、パワープレイで困難を笑い飛ばしてくれます
この状況で、っていうようなシュールな要素も多く、単なるおばちゃんたちのキャラだけコメディってわけでもないのがおもしろい

7人もいればそりの会うグループと合わないグループができるのは必然で、そんな登場人物たちのやりとりの中で自然と各キャラの特性が観てて伝わってきます
そんな灰汁の強いキャラたちの個性爆発っぷりが、他の人たちとからむことで魅力が数倍にふくれあがる
なにげないおばちゃんトークが不思議と楽しすぎるんですよね

特にジュンジュンのキャラの素敵さが卑怯なほど増していくから困らない
苦境を笑顔で通す超絶いやし系のその存在は、作品自体のおもしろみの中でもけっこうなウエイトをしめてる気がしてならない
あとは個人的に草っていうかつるの引っ張りあいに「ああ、やったやった」と懐かしすぎて笑みがこぼれた

しょうじきストーリー展開的にはなにかすごいものがあるってわけじゃないんで、そこら辺の物足りなさは否めない
だけどそれ以上に状況を観ているだけでゆるい笑いがこぼれすぎておもしろい
このゆるさに乗り切れれば最初から最後までゆっるゆるで楽しめる一本かもしれません

個人的評価:80点
オススメ度:クワマンってあだ名はやめてあげてください




滝を見にいく 予告

6才のボクが、大人になるまで。 (2014/米)

監督:リチャード・リンクレイター
出演:エラー・コルトレーン / ローレライ・リンクレイター / パトリシア・アークエット / イーサン・ホーク

両親、姉とともに暮らす少年メイソン
ある日、離婚により母について姉と引っ越すことになる

12年という歳月を同じキャストで描いた、というのが話題ながら、そういった挑戦的な手法の部分だけって作品ではなくておもしろかった
成長する少年と家族、時の流れ、大きな変化と小さな変化、「映画を観たな」という気分に満たされます
けっこうコミカルなシーンも多く、堅苦しさがないのもよかった

とりあえず感じるのが時間の流れの自然さ
いきなり再婚したシーンが展開されても、そんなに場面的に不自然なつながりに感じない
主人公の成長する姿だけではなく、唐突に訪れる状況の変化の中でも観ていてすんなりそれを受け入れられる
過剰すぎず説明不足でもない絶妙なバランスが心地よい

話的にはホントに主人公と家族うんぬんというなんの変哲もない内容だけど、少年である身ではどうにもできない家族の問題の苦しさ、逆に家族ゆえの喜びという部分を観ているだけでじゅうぶんに楽しめる
なにより両親の存在が完璧すぎないところがいいですね

ひとつだけ気になる点があるとすれば、じゃっかん最後の方が蛇足っぽく思えなくもない
人によって感じるところは違うかもしれないけど、個人的には大学での新生活はちょい気分が冷めた
と、まあ、ホントに些細な気になるところはあるけど、良い映画だったと思える一本でした

個人的評価:90点
オススメ度:アニメとゲームの移り変わりから時の流れを感じざるえない




6才のボクが、大人になるまで。 予告

2014年12月1日月曜日

楽園追放 Expelled from Paradise (2014/日)

監督:水島精二
出演:釘宮理恵 / 三木眞一郎 / 神谷浩史 / 林原めぐみ / 高山みなみ / 三石琴乃 / 稲葉実 / 江川央生 / 上村典子 / 三宅健太 / 遠藤大智 / 安済知佳 / 古谷徹 / 半田裕典 / 荒井聡太 / 金本涼輔 / 新井良平 / 森下由樹子 / 劉セイラ / のぐりゆり / 小川慎太郎 / 小池万瑠美

人類の90%が電脳世界ディーヴァで暮らすようになった未来
地球に残った何者かからハッキングを受けたディーヴァは、エージェントであるアンジェラらに肉体を与え地球へ調査に向かわせる

何の前知識もなく飛び込みで鑑賞
SF、萌え、メカ、と現代の売れる要素をぜいたくにぶちこんだ盛りだくさんな作品でした
しょうじき個人的に主人公のあからさまな萌えキャラっぷりに拒絶反応があったけど、他の部分で楽しませてもらいました

内容的には美少女&ワイルドでアダルトな男がコンビを組み、主人公であるアンジェラが地球の現状と肉体を持つことの意味を感じつつハッキング犯を追いかける、という感じ
犯人探しうんぬんっていうより、主人公が初めての体験を通じて色々と経験値を高めていくのを見守る要素が強い
作品として1から世界観を説明しなくちゃいけないっていうのは分かるけど、そういった主人公の体験を通して描かれる部分がちょっと退屈

盛り上がってくるのはやはりハッキング犯を含めた真相が見えてきてから
真実が分かってから、「このままゆるゆるっと終わっちゃうのかな」と思いもしたけど、そこはキチンとサービス精神旺盛なバトルで熱くなれたので満足です
まあ、アレですよ、ぶっちゃけバトルシーンだけで個人的には楽しみきった感があると言わざるえない

難を言えばやっぱり主人公の美少女キャラっぷり&キンキン声が個人的に最後まで好みに合わなかったこと
そして、世界観、荒廃した地球の描写がどうにも「作られた汚さ」みたいな感じで、現実の延長線にあるリアルな汚さと思えなかったのが残念でした

個人的評価:80点
オススメ度:ロリ巨乳金髪ツインテとか狙いすぎて引くわ




楽園追放 Expelled from Paradise 予告

THE NEXT GENERATION パトレイバー 第6章 (2014/日)

監督:田口清隆 / 湯浅弘章
出演:真野恵里菜 / 筧利夫 / 福士誠治 / 太田莉菜 / 千葉繁 / 堀本能礼 / 田尻茂一 / しおつかこうへい / 藤木義勝 / 波岡一喜 / 高島礼子 / 大東駿介 / 駿河太郎

密輸された軍用レイバー強奪騒ぎの顛末を描くエピソード10
高校の同窓会が開かれることになり、青春時代を思い起こす泉野のエピソード11を描くオムニバス

待ってましたの軍用レイバーとの戦い、というか本格的な対レイバー戦ってんで盛り上がらざるえない
という期待が高すぎたのかもしれんけど、どうにも思ったような熱い展開じゃなくてガッカリ感に落ちる
エピソード11も単純なロマンス話っていうんじゃなかったけど、ちょっと物足りなかったかな

まずは軍用レイバーとの対決を描くエピソード10
待ってました、という展開ながらなんというか蜂野と公安のおばちゃんというキャラを描きたかっただけな内容な気がする
ふたりとも今後(長編劇場版?)に引き継がれるのか知らんけど、どうなんですかね
内容的にはやっぱり2号機をかませ犬にしてからの1号機、っていう二段戦闘が観たかった
民宿とかどうでもいいわあ

次に同窓会をめぐる泉野のロマンス話のエピソード11
甘くて苦い青春の思い出と、同現実を描いていて、思ったより甘すぎないロマンス要素で個人的に鑑賞には耐えられた
どっちかといえば青春小説っぽい雰囲気な内容で、なんだかんだ良エピソードにまとまってますね
だけど、なんというかどっかで観たようなシーンと展開のつぎはぎに引用を重ねた感は否めない、泉野のロマンス”ネタ”エピソードという印象でした

そんなこんなで気分が盛り上がりきらないまま、次で最後になりました
予告からはなんとも内容が読めないけど、ここまできたら長編まできっちりつき合います

個人的評価:75点
オススメ度:対レイバー戦なんて”あまり”なかった





THE NEXT GENERATION パトレイバー 第6章 予告