2013年5月26日日曜日

約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯 (2012/日)

監督:齊藤潤一
出演:仲代達矢 / 樹木希林 / 天野鎮雄 / 山本太郎

名張毒ぶどう酒事件の重要参考人として逮捕されて51年の奥西勝
現在も名古屋拘置所で死刑囚の身で過ごす彼のこれまでを再現する

ドラマはドラマだけどよくテレビなんかである、ドキュメンタリーものの再現ドラマみたいな作りですね
役者さんたちのドラマにプラスして、実際の過去および現在の映像をまじえて描いてます
しょうじきいって、この作品を観たからといって奥西さんを無罪と信じるに至る・・・というほど個人的なかたよった考えになるってのはなしの方向で
あくまで冤罪ではないのか?という疑惑がある事件を扱ったものとして鑑賞するにつとめました

冤罪もの、しかも逮捕後50年をすぎても拘置所に入れられている現実というのは想像を絶すること
自分みたいな者があれこれ言うほど軽いものではない
それでも奥西さんにとっての拘置所での朝と昼、そして夜の感じ方には心に刺さるものがある
死刑執行は事前に知らされるものではなく、死刑囚として拘置所に入れられてずっと朝はその執行におびえる
昼ご飯が配膳されればその日の命は約束されたことを意味する
そして、夜はずっと朝がこなければいいと眠る日々・・・
これに対して感じるところをうまく言葉にできません

さらにこの作品では再審請求に関する関連人物たちにもスポットをあててます
メインは弁護士と支援する人権団体ですが、それに加えて奥西さんの母親の描写もある
さらに事件のあった村の住民たちの証言の書き換え問題、奥西家の家族や代々の墓に対する住民の仕打ち、再審をめぐる弁護士の明暗・・・明言はされていないものの、疑念のある点としてよく描かれてますね

特に奥西さんにとって有利に動いた裁判官と不利に動いた裁判官のその後とか、ね
この作品から得た情報だけで決定的だ、と言えるものではないけど、冤罪かも?という題材を扱った作品としてはよくできてます
とにもかくにも、こういう事件があるということを知り、自分なりの判断のひとつにするには良い一本かもしれません
いや、ホントにこの作品から得られたものだけで考えを決めつけるのは早急です、と最後に言わざるえない

個人的評価:80点
オススメ度:基本はホントに再現ドラマチックなので注意



約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯 予告

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