2009年12月30日水曜日

エロ将軍と二十一人の愛妾 (1972/日)

監督:鈴木則文
出演:池玲子 / 林真一郎 / 安部徹 / 名和宏 / 渡辺やよい / 三原葉子 / 女屋実和子 / 任田順好 / 由利徹 / 杉本美樹


徳川家の次期将軍の豊千代は、筆おろしの最中に膣痙攣を起こされ花魁と体が離れなくなる
十一代将軍の就任をひかえ、野心家の田沼に鼠小僧から影武者を使うように提案があり…

日本人の年末はやっぱり本格時代劇ですよね
そして、今年最後に観るにひじょうにふさわしい一本なんじゃないでしょうか
勘がするどい人はすぐに分かったかもしれませんが、個人的に大好きな「徳川セックス禁止令」の監督作品ですね
まあ、徳川セックスほどのタイトルのインパクトはないですが、こっちも内容は負けず劣らずひどい(褒め言葉)です
しかし、しょうじきなめてかかってみてると、意外に普通におもしろい内容なので困らない

田舎者が将軍の影武者となるって話は目新しいものじゃないですが、この影武者の角助の好色っぷりがすさまじい
将軍(代行)になってからは、夢にまで見た大奥でファック三昧
いわゆるそっちの描写を期待してた人むけを存分に楽しませてくれる前半パート
だけど、この映画の本番は中盤から
中国から友好を結ぼうと使者がくるんですが、中国人がみたら普通に怒っていいレベルのコントキャラ
友好の証に贈ってきたのが白と黒の衣装に身を包み、女を悦ばせる調教を受けた小人の「パンタ」
さらに異人と将軍の同時通訳ファック、チン(犬)がチンを…とすさまじいほどにくだらない素敵描写(最上級の褒め言葉)が続きます
ええ、こういうしょうもないギャグパート大好きです

そんなくだらない展開をよそに終盤にむかっていっきにシリアスムードになっていきます
影武者のお役ご免と高慢な態度で角助を切り捨てようとする田沼に対し、将軍としてやっていくのを楽しくなってきた角助は特権を利用して田沼を牽制
さらに鼠小僧は徳川家をゆさぶって独自の目的を果たすために大奥に上がって角助をコントロールしはじめる
そんな中で角助が田舎からひっぱてきたなじみの娘であるお菊は、どんどん角助が将軍役にのめり込んでいってしまうのを心配しはじめるが、本人は意に介さない
そんなお菊は危険人物と判断され、影武者の事情を知る一部の者の暴走で角助の知らぬ所で死に追いやられてしまう
その死を知った角助はうちひしがれて、政治ごともやけっぱちになっていく
角助に関わった者がことごとく悲劇に見舞われていく裏で、鼠小僧はうまく立ち回って本来の目的を果たすって感じ

と、ありきたりといえばそれまでだけど、けっこう普通に見れるレベルの話の展開なんですね
わりと普通に陰謀劇が楽しめます
小ぎれいでお高くとまってない分、こういう時代劇はけっこう好みかもしれません
ポルノ、コメディ、陰謀劇、ひとつで三度おいしい…かどうかは別として、色々な側面がある楽しい作品でしたね

個人的評価:80点
オススメ度:決断即実行

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