2009年12月20日日曜日

ウルルの森の物語 (2009/日)

監督:長沼誠
出演:船越英一郎 / 深田恭子 / 濱口優 / 桑代貴明 / 北村沙羅 / 光石研 / 桜井幸子 / 大滝秀治


東京で育った兄と妹は、母親の入院を期に夏休みの間、北海道にいる離婚した父親の元を訪れる
北海道の森の中、兄妹は絶滅したとされる狼に似た子犬を見つけるのだった

「マリと子犬の物語」、略してマ○コのスタッフが送る新作映画
なんていうか、普通
めちゃくちゃ普通
普通映画のお手本のような普通っぷり

「マリと~」の個人的にダメだなあ、と思った部分がほぼ全面みなおされており、「いっちょリアルクソガキ演技にストレスためてくっか」とネタとして観にいったのに、さすがに学習したみたいですね
前作では周りの大人がみんな良い人で、「理屈じゃないのは分かるけど、もう仕方ないよ。それ以上を望むのはわがまますぎるってもんだ」という展開の中でもギャーギャーと自分勝手にわめきちらすクソガキ成分にみなぎらざるえない内容でした
でも、今作では周りの大人が、ちょっと悪者役をしてくれるおかげでクソガキっぷりがマイルドになってましたね
どちらかというと序盤は父親にイライラするくらい

話の流れは、好奇心旺盛で無邪気で明るい妹と、いかにも都会派のシャイさと優しさをクール気取りで隠して背伸びしてる兄、そして大人としては正しく男らしいけど父親としてはダメダメなお父さんの三人の関係がメイン
ウルルはそんな家族関係をステップアップさせるためのキーアイテムみたいな存在で、ぶっちゃけ「ウルルかわいいよウルル」がしたくて観にいくと退屈するかもしれません
いや、でもウルルかわいいけどね、ガチで

兄妹、父親はぎくしゃくしながらもウルルという潤滑油のおかげでなんとかやっていくんですが、いよいよもって「こいつホントに狼なんじゃねえの?」と立証されつつある段階になって、絶滅種である狼を他の野生動物と同じ扱いはできない・・・って感じに
それはどうでもいいんですが、とにかく話の導入部分が長い
どうみてもこの作品で描きたかったのは後半の冒険パートだと思うんですが、そこまでいきつく一連の流れがダルすぎてしかたない
もっと尺を短くしてテンポよく進めることはぜったいできると思いますね

普通すぎるという内容なんですが、ホントに悪い内容じゃないけど、観てよかったと思えるほどにいきついてないのが残念
伏線の張り方と回収、ちょっと人間的に成長している兄を主軸に持ってきている、父と兄の男同士の心地いい関係、母親の強さ、そこら辺がいい感じに丁寧に描かれているなあ、という印象
なんですが、いかんせん「でも、これよくある話の流れだよね」的なありふれた内容ゆえに目新しさがない
結局は「普通」止まり

それでも橋から落ちそうになってどうなる?って所の流れは予想外で「おい!そっちかよ」って感じでおもしろかった
伏線の回収するテンポとか演出も、そんな橋あたりのシーンが一番よかったかもしれません
それまでがあまりに見飽きたくらいに王道すぎる展開だっただけに、よけいに意外性があったかも
で、ラストはといえば、うーん・・・やっぱり普通ですね
個人的には送り狼のネタをさらに使ってくれると思ってたんですが・・・
そういや劇中の鉛中毒は別に伏線じゃなかったのが残念
悪質ハンターに対して、お父ちゃんの男らしさポイントアップする展開があると思ってたのに

というわけで、何度でも言いますがマジで普通の映画でしたね
観たい人は観ればいいし、そうでもない人は無理してまで観にいく必要はないかと
特に私のような温かい家庭を持ってるでもない、一人映画してるおっさんが観ても毒にも薬にもならない、そんな一本でした

個人的評価:60点
おすすめ度:冒頭のナレーションが学芸会すぎる




ウルルの森の物語 予告

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