2009年12月27日日曜日

ビヨンド・サイレンス (1996/独)

監督:カロリーネ・リンク
出演:シルヴィー・テステュー / タチアナ・トゥリープ / ハウィー・シーゴ / エマニュエル・ラボリ / ジビュレ・カノニカ / マティアス・ハービッヒ / ハンザ・ツィピオンカ


両親がろう者である家庭で育った健常者の娘ララ
そんなララが音楽への道を歩もうとするのだが

主人公であるララがハンディキャップを持っているのではなく、両親がろう者でララは健常者というじゃっかん変化球気味の設定
涙なくしてみられない感動ストーリーってのではなく、いい話だなあ系のお話
主に父親と娘の対比みたいのが展開していくんですが、二人の言い分や気持ちがそれぞれ分からないとおもしろくないかもしれません
父親サイドだけで見れば「なに、このビッチヒロイン」、娘サイドだけで見れば「この老害が、素直になれよ」としか思えないかもしれません
というか、それぞれの登場人物に「こいつはこういうキャラだ」とキャラ固定して見てしまうと、じゃっかんよくわからない内容だなあ、と感じてしまうかもしれません
ようするに「父親の気持ちも、娘の気持ちも理解してあげましょう」と

手話できない人を相手に両親の翻訳をしたり、献身的に親の面倒をみる主人公
そんな中で父親と微妙に衝突してる叔母さんの影響を受けてクラリネットをはじめるララだけど、やっぱり父ちゃんはおもしろくなく、家庭環境がおかしくなってくる…と
流れ的には主人公が出会いと別れ、人生の経験をつんで自分の道を進んでいくよくある展開
わりとあっさりしてる流れなんで、もうちょっと掘り下げてくれてもと思うシーンはあるけど、これはこれで「行間を読め」みたいな作りも嫌いじゃないですね

特に良作でもなければクソ映画でもない、かなり凡作な内容なんですが、とにかくお父ちゃんと母ちゃんの…特にお母ちゃんのちょっとした仕草の中の顔がいいんですよ
ホントにガチではまり役すぎるってくらいに「立派な母親」
娘を見る優しい笑顔とか、みてるこっちが「いいお母ちゃんだなあ」とちょっぴりジーンとしてしまいます
その他にも、いろいろと衝突やすれ違いがあっても、根底である血のつながりの絆を死守しているのはいい
家族ゆえに憎み、家族ゆえに愛す、なんだかんだで家族っていいなあ、と

全体的に日本的なねちねち感がなく、けっこうぶつかりあってもさばさばしてる表現があったり、ちょっと割り切りすぎと思ってしまうのは国民性からかもしれませんね
そんなこんなで、ちょっとだけ心があったまる映画で冬の一日を乗り切ってもいいんじゃないでしょうか

個人的評価:70点
オススメ度:盛り上がり分は少なめのまったり鑑賞系




ビヨンド・サイレンス 予告

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