2010年4月25日日曜日

母なる証明 (2009/韓国)


監督:ポン・ジュノ
出演:キム・ヘジャ / ウォンビン / チン・グ / ユン・ジェムン / チョン・ミソン








人より鈍い男トジュンは、彼を愛する母と暮らしていた
トジュンは鈍いゆえに他人に利用されやすく、それが災いしてある事件に巻き込まれてしまうのだった

韓国産のミステリーということで発売前から期待値が高くて、思わずディスクを予約してあったのも忘れてDVDを借りてきてしまう痴呆っぷりをさらけだしたわけですが
いやあ、これはおもしろい
本当におもしろいわあ
ふだん韓国の映画に慣れてないからこそ楽しめた面もありますが、ミステリーとしてもドラマとしてもかなりいい感じに仕上がってますね

作中でははっきり言いませんが(翻訳で規制されてる可能性もあるけど)、トジュンはいわゆる知的障害者に近い描写になってます
そんな鈍さが肝になっていて、子を心配する母親も生きてくると
話的には鈍さを利用されて濡れ衣を着せられた息子を、おばちゃんパワーを全開にして「お母さんは見た」的な悦子テイストの作品
それよりなにより、冒頭の草むらで悲しげに音楽に合わせて踊るママンの映像を観ただけで、もうこの映画が気になってしかたなくなるでしょう

「息子はやってない、ぜったいに守ってやらなくちゃ」という展開から「誰もたよりにならねえし、自分でやるしかねえぜ」というババア根性で独自に捜査をはじめる
どんどん状況は悪くなりながらも、なんとかちょっとずつ手がかりが見つかってパズルのピースがはまっていく、と
重要な展開が鈍い息子の記憶が戻るのがたよりって乱暴な一面はありますが、そんなことをあまり気にさせないような演出が個人的にツボでした
非日常のような日常というか、なんかの歌の歌詞でもあったような「知らない国の結婚式の曲を聴いてる感覚」みたいな変な斬新さがあっておもしろい

真犯人が分かる終盤の流れがスピーディで「おお、おお」と思ってるうちに「そう来たか」と解答編がはじまるのもいいですね
この真犯人にしてもいいのか悪いのか、なんともいえない微妙さが逆に心地良い
と、そんなことより本題は真犯人が分かった以後の展開
これが本当に最後の最後まで楽しめるようにできていて、実はミステリーの形をとった母子のドラマを主体に撮りたかったのかとも思えます

しょうじき韓国映画あまくみてました
ミステリーとしてもいいし、ドラマとしてもいい、こんな作品を観るとテンションが上がらざるえない

個人的評価:90点
オススメ度:この母にしてこの子あり?




母なる証明 予告



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