2010年11月24日水曜日

ギリシャ・ゾンビ (2005/ギリシャ)

監督:ヨルゴス・ノウシアス
出演:メレティス・ゲオルギアディス / ペピ・モスコヴァコウ / アルギリス・タナソウラス








工事現場で働く三人の男たちによって発見された洞窟
そこから帰った男たちは急に人を襲い始めるのだった

いやあ、やっぱりギリシャといえばゾンビ、ゾンビといえばギリシャですよねえ
ギリシャで撮られた純正ギリシャ産ゾンビ映画だからこそ許される、ひじょうにひねった小粋な邦題です
というわけでゾンビスレであがってた作品その2
タイトルで損をしてる実はけっこうおもしろい作品だった「ネズミゾンビ」とまたおもむきが違って、これはギリシャという土地のゾンビというなんか物珍しい感触を味わえるというもの

しょうじきゾンビ映画としてみればアレな感じですが、ほら、なんかギリシャってだけで心が躍らざるえないじゃない
話的には急速にゾンビ化が拡大していって、街でわずかな生き残った男女が逃避行を続けるって感じのありふれた内容
その逃避行の中で軍が壊滅状態であること、避難命令が出たこと、しかしすぐに閉鎖されて逃げ場がなくなったことが分かり、どんどん状況は絶望的になっていく、と

そんなありふれた展開なのに、なんか憎みきれないところがあるのがポイントですね
2000年代に作られたとは思えない画質の古くささ、そのくせ背伸びして凝ったことをしようとしてすべってるカメラワーク、雰囲気とかいっさい無視した独創的なBGM、それだけでもなんか楽しくてしょうがないですね
さらにゾンビとのバトルも素敵で、まるで粘土細工のようにパンチひとつで首がもげたり、胸を貫かれるゾンビさん
刃物系の武器なんか使った日には胴体だろうが頭蓋骨だろうがバターのようにさっくり切れます
ええ、もちろん主人公たちは達人でもなんでもなく、ほとんど全員ふつうの素人さんたちです
14歳の女の子にいたっては首の骨を後ろからぐりっと軽くねじ折ってしまいます

それ以外にもツッコミどころという素敵ポイントが豊富に用意されていて、作り手の「こうしたい」という思惑がもろわかりな感じで離脱&再加入する人がいたり、演出的な効果だけを狙って脈絡もなく話が展開していくさまは逆にすがすがしいですね
特にラストのありえない所に自ら逃げ込んでいくシーンは「おまえその画を撮りたかっただけちゃうんか」と言わざるえない

とはいえ、ホラー面でのグロさとかはけっこう力がはいっていて、安っぽいながらもクソ以下にはなってないですね
完全に安心して観られるという感じではないものの、嫌々ながら付き合ってる感がなくて普通に最後まで耐えられる、なんとも奇妙な魅力のある一本でした

個人的評価:55点
オススメ度:泣きわめき担当のガキとか…いや、なんでもない




ギリシャゾンビ 予告


ギリシャ・ゾンビ [DVD]
キングレコード (2008-11-05)
売り上げランキング: 77252

0 件のコメント: