2011年2月6日日曜日

ウォール・ストリート (2010/米)

監督:オリヴァー・ストーン
出演:マイケル・ダグラス / シャイア・ラブーフ / ジョシュ・ブローリン / キャリー・マリガン / イーライ・ウォーラック / スーザン・サランドン / フランク・ランジェラ / ジョン・ベッドフォード・ロイド / ヴァネッサ・フェルリト / オースティン・ペンドルドン / シルヴィア・マイルズ





かつてのウォールストリートの顔であったゴードン・ゲッコーが刑務所から出所する
そのゴードンの娘と付き合っていた投資会社のジェイクだったが、彼の勤める会社に対する悪意のある噂が流れはじめやがて株価が暴落していくのだった

かつてのキングの復活、そして若い野心家の対立、そんなベタな内容かと思っていたらそうでもなかった
陰謀と金の冷たさ、父と娘そして男と女の温かさ、そんな混ざり合わない奇妙な空気感がいっしょになったもどかしさが全編通して描かれてます
話じたいも「これどう転ぶんだ?」というどんな感じの内容かつかめないもどかしさに包まれていて、それでいてそんなもどかしさがじょじょに楽しくなってくる

自分の勤めていた会社が誰かの罠にかかったと理解したジェイクが、その犯人に自分の証券マンとしてのスキルを利用して復讐するために黒幕と思われる男のもとにあえて潜り込む
一方、付き合っている娘の親が有名なかつてのウォールストリートの顔役だったゴードンだと知りアドバイスを受けるとともに、最悪な親娘関係の状態な仲をとりまとめられないかと苦悩する
そんな感じの内容
経済関係パートと人間関係パートにわかれており、冷酷なマネーゲーム描写だけでもなくホットなヒューマンドラマだけでもない、悪く言えばどっちつかずな微妙さが漂います
そんな微妙なところを「良い意味での」微妙さと感じられればおもしろいと思えるでしょう
逆にいえば「どうしようもなく中途半端」と思えるのも理解できますね
個人的には、そんな微妙さがなんかもどかしかゆい感じで、新手の焦らしプレイ感覚で楽しめましたが

わりとゴードンさんの出番は少なくて、あまり活躍はしません
しかしその存在感は強烈で、なんか良い感じのドラマ展開になってる時でも「いや、でもなんか怪しいよな」みたいな裏の顔がありそうな雰囲気で緊張感がありますね
「良い話なんだけど、絶対に裏があるよな…。え?ないの?ホント?」みたいなセルフ疑心暗鬼が楽しい
いろんな意味で王道なストーリー運びじゃない感じで、登場人物が人間くさいのも個人的にはよかったかな、と
色と役が定められた記号みたいなキャラじゃなく、もっとどろどろした内面をもった人間として描かれてますね
それでいてリアル路線かと思えば重くなりすぎないファンタジーっぽいライトな雰囲気もあるという、なんていったらいいかわからない点がおもしろい

バリバリな経済ドラマ、欲望にまみれたマネーゲーム、裏切りうずまく陰謀劇、そんな内容を想像してた人にとってはちょっと物足りない作品かもしれません

個人的評価:85点
オススメ度:バイ、マイ、ブック!




ウォールストリート 予告

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