2012年11月14日水曜日

おろち (2008/日)

監督:鶴田法男
出演:木村佳乃 / 中越典子 / 谷村美月 / 山本太郎 / 嶋田久作

昭和25年、ずっと人の人生を見つめ続ける少女「おろち」
ある嵐の夜、おろちは雨宿りのために訪れた門前家での美しい母親と姉妹に出会い興味をもつのだった

ホラーというか怪奇ものって感じですかね
原作は未読ですが、昭和の怪奇っぽいおどろおどろしさはよく出てると思います
主人公は門前家の母と姉妹の女性たちのあれこれを見つめ続け、必要以上に家庭に介入しない形式になってて、最近ドラマでもやった「家族八景」の七瀬っぽいポジションかな

豪華な館で使用人とともに暮らす時の銀幕スターである母親の葵と、その娘の一草と理沙姉妹
一見、なに不自由なく暮らしている家族だけど、葵は自分の「ある変化」にひどくおびえている
しかも館には家族以外は誰も近づけさせない「上の部屋」という謎の場所もある・・・
明らかにこの家族は「なにかしらの闇」を抱えており、おろちが見つめ続ける形式で物語は進んでいきます

まあ、なんとなく「こういうことが起こってるんだろうな」ってのは分かるんで、そんなに複雑で頭を悩ませる話じゃない
だけどおろちが中盤で血を流してからの展開が、けっこう良い感じのスパイスになっていて、ストーリーを単調にさせないようになってますね
佳子が門前家に入ることで話に深みがでてておもしろい

真相がいよいよ見えてくると「うーん、まあ、そういう話か」と真新しさは感じないのは否めないけど、古典的なものを手堅く描いてる丁寧さはある
オチもちょっとひねってきてるし、決してつまらないってわけじゃないんだけど、もう一歩、もうひと味、あとちょっとだけ「何か」が足りない気がしないでもない
「うわあ、そうなのかあ。そうくるのかあ」という驚きより、「ああ、そうきたのね」という感じ

むかし懐かしい怪奇ものを楽しみたい人には満足のできる一本だと思います

個人的評価:75点
オススメ度:ほかの話も観てみたいし、原作を読みたくなる



おろち 予告


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