2012年12月30日日曜日

汽車はふたたび故郷へ (2010/仏・グルジア・露)

監督:オタール・イオセリアーニ
出演:ダト・タリエラシュヴィリ / ビュル・オジエ / ピエール・エテックス / ファニー・ゴナン / タムナ・カルミゼ / ラシャ・シェヴァルナゼ / ニカ・エンデラゼ・ムスセリシュヴィリ / ギヴィ・サルチメリゼ / ニノ・チュヘイゼ

グルジアで生まれ育ち映画監督となったニコ
その映画性に対する周囲の反発や無理解に苦々しい思いをしつつも、映画を作り続ける

才能は認められながらも、あまりに自由奔放すぎる作品内容に反発も大きい若き映画監督
作りたい物がなかなか自由に作れない環境の中でも、それでも自分を貫いて映画制作を続ける…と言えばかなりシンプルなドラマなんですが…
この作品では劇中の主人公の作るものに対する共鳴と反感のストーリーを、まんまこの作品じたいにもあらわしてるんですよね
ようするにこの作品じたいが「観てる貴方に私の映画が理解できますか?」と問われてる感じ

しょうじきに言って、個人的には「理解できなかった」側、つまり劇中の主人公を苦しめた「バカども」側でした
こういう映画制作ドラマだからこそ世間一般の受けは悪いけど、カルト的な支持者も大勢いるっていう設定も「アリ」と思える
だけど、この主人公の作った作品を、それ単品だけで今、私が観たら「うわ、ひっでえオナニー映画だな」と言うかもしれない

そういったちょっと小難しい部分を抜きにすれば、けっこう作り的にはおもしろい
弾圧、暴力、政治的問題、商業的問題、色々と重苦しい問題を抱える主人公ですが、ホントにそんな重たい部分は微塵も感じさせない演出で、かといって軽すぎずに自分の映画作りを貫く力強さもあるのがいい
そんな映画として理解はできなかったけど、観てる分にはじゅうぶん楽しめたそんな一本でした

個人的評価:70点
オススメ度:時代背景やらなんやらを把握しないとアレかもしれんね




汽車はふたたび故郷へ 予告


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