2012年12月9日日曜日

最強のふたり (2011/仏)

監督:エリック・トレダノ / オリヴィエ・ナカシュ
出演:フランソワ・クリューゼ / オマール・シー / アンヌ・ル・ニイ / オドレイ・フルーロ / クロチルド・モレ / アルバ・ガイア・クラゲード・ベルージ / グレゴワール・エステルマン

失業手当の書類が目当てで、採用される見込みのない介護の仕事の面接にきたドリス
しかし、その破天荒な様子を気に入った雇い主のフィリップは彼を自分の世話係として試験採用する

首から下が麻痺している身体障害者で大富豪のフィリップと、スラム出身の行くあてのない粗暴なドリス
あまりに違いすぎる身分、見た目、年齢、考え方、そんなふたりのギャップと絆を描く物語・・・というと、そう目新しい要素でもないんですが、ホントに最初から最後までスクリーンから目が離せなかったくらい集中して楽しめました
すかしてるだけじゃない、くずしてるだけでもない絶妙なバランスでシーンが展開していって、深みもあるけどほどよい雑味もあるメリハリがめちゃくちゃよく描けてる

自分でも気むずかしいことを自覚してるフィリップが雇ったのは、あきらかに介護や世話係なんかとはほど遠い世界にいるとしか思えない粗暴な男ドリス
だけどあまりに遠慮なく接してくるドリスと暮らしてるうちに、フィリップにも変化があらわれ・・・
と、身分違いのギャップものとしてはオーソドックスな作りで、まあ、ようするに互いに刺激しあって「生きてる」ことを実感なんたら~みたいな内容
ちょっと手の掛かる子供みたいなドリスと、その面倒な相手をしながらもどこか楽しそうなフィリップ、ふたりの日々を観てるだけで、それだけで本当におもしろいから不思議です

とりあえずオープニングから最強
「スカイフォール」のオープニングもよかったけど、この作品の出だしもかなりいい
そこから淀みない曲を奏でるようにテンポよく話が進んでいき、本当に観ててイヤな気持ちにならない日々の描写がすばらしい
深刻すぎず、無理な感動の方向にももっていかない気持ちいいふたりの関係、本当に最強の日常映画かもしれません

ふたりではめをはずしたり、本音でおしゃべりしたり、遊んだりラストまでそう特別なことはない
特別なことはないんだけど、このラストシーンには何とも言えない感情のわきあがりがある
鑑賞後、思わず満面の笑みで「なにこれ・・・なにこれ!」と言葉にならない心地よい感情の高まりに気分最高になった一本でした

個人的評価:100点
オススメ度:最強の笑顔だぜ


最強のふたり 予告

0 件のコメント: