2013年4月26日金曜日

人情紙風船 (1937/日)

監督:山中貞雄
出演:中村翫右衛門 / 河原崎長十郎 / 山岸しづ江 / 助高屋助蔵 / 市川笑太郎 / 中村鶴蔵 / 坂東調右衛門 / 市川楽三郎 / 中村進五郎 / 市川莚司 / 嵐芳三郎 / 中村公三郎 / 市川岩五郎 / 市川菊之助 / 沢村比呂志

江戸のあるボロ長屋に住む髪結いの新三と浪人の海野
日々さんざんな目にあいながら貧乏暮らしをする新三の一方、海野はなんとか仕官の道を切りひらこうとしていた

古い映画を観ようじゃねえのシリーズ
時代劇です
時代劇ですが派手な殺陣も地味な殺陣もない、そもそもチャンバラシーンじたいがない時代劇ドラマ…なのに面白い
現代の時代劇ではクライマックスを決めるためにちょっとしたものでも殺陣シーンがあるもんですが、この作品はストーリーだけで勝負してみごとに完成されてますね
フィルム状態やら見た目こそ古くさいですが、ホントに今でも十分に通用する作品です

調子が良く、ヤクザものに目を付けられ、あくどいことをやっては散々な目にあっているおちぶれ者の新三
浪人ながら侍として凛と振る舞い、父の遺した手紙とつてをたよりに仕官の口を頼み込むものの、なかなかうまくいかない海野
同じ長屋の隣同士という知り合いていどの付き合いであるふたり
そんなふたりのそれぞれの生き様を描いていく作品
別にふたりでなにをするってわけじゃなく、それぞれあるていどの共通項があるってだけで基本は別々の話が展開していきます
ようするにふたりの対比みたいのを楽しむ内容ですね

ホントにクズっぷりをいかんなく発揮する新三、落ちぶれながらもあがく海野
それぞれの物語を観ていてもしょうじきつまらなくはない、けど「なにが描きたいんだ?」と序盤は思わざるえない
そもそも最初のうちはどんな話なのかも分からない
だけどじょじょに「うん?あれ?」ってなっていき、鑑賞後には「なるほどな」となります
あまりつながりのないふたりだけど、最後にはある意味で交差する様がおもしろい

自分でもこんな刀を抜いてバッサバッサと斬りまくらない、ドラマだけの時代劇作品をここまで楽しめるとは思わなかった
ふたり別々の道を歩みながらもあるていど関連する人物がからんできて、それら脇をかためる登場人物も演出のための駒ではなくちゃんと「生きている」感があっていい
鑑賞後、振り返ってみれば必要な無駄にあふれている素敵な映画だと思える、そんな一本でした

個人的評価:90点
オススメ度:ナイス意地




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