2013年4月29日月曜日

藁の楯 (2013/日)

監督:三池崇史
出演:大沢たかお / 松嶋菜々子 / 藤原竜也 / 岸谷五朗 / 伊武雅刀 / 永山絢斗 / 余貴美子 / 山崎努

連続幼女暴行殺人事件の犯人、清丸に「殺してくれたら10億円」という懸賞金がかけられる
このことにより警視庁はその護送に異例ともいえるSPの銘苅をつけることになり・・・

世界のMIIKE作品の中で予告や事前の印象で、「これは普通におもしろそう」とインパクトのあるものはたいがい実際の内容を観るとぎゃふんとなる確率が高い
と、最近ちょっと学習しつつあったんですが、意外にも(失礼)これは予告編から受ける印象まんまな内容になってました
たいがい途中までは普通におもしろいのに、なんかいきなり独特の世界観が展開して「なんじゃこりゃ」になるんですが、ほぼ全編おなじ雰囲気で統一されていて逆に意表をつかれた感じ

内容的には殺せば殺人という罪をかぶるけど10億もらえる、ってんで金銭的に追いつめられた人々が殺到
しかも未遂でも1億、さらに金を出す蜷川グループがその人物を雇用することで罪を償った後のフォローまでしてくれる
そんなもんで一般人はもとより、護送にあたって清丸に近しい人物たちまで目の色をかえる
誰が清丸の命を狙ってくるか分からない上に、内部に護送情報をリークしている人物がいるんじゃないかという疑念が浮かび上がり泥沼の混乱状態におちいっていく、と

みんながみんな怪しい感じに描かれることにより、ありがちながら誰が敵なのか誰を信じればいいのかカオスっぷりがおもしろい
それに加えて清丸のクズっぷりがホントに極まってて、仕事とはいえこれを守ることの皮肉さがよくあらわれていて、正論や正義が空しく響く

とにかく清丸のブレなさっぷりのために終始イヤな空気が流れ続けます
もちろん後味のいい作品じゃなく、観ててガチなクズ人間に振り回される空しさに耐えられない人とかマジでいるんじゃないかなあ
犯罪者に対して殺せば10億というネタだけの内容といえばそれまでで、もうちょい陰謀や裏側にある隠されたナニかがあればよかったって気もする
それでもそれなりに緊張感はあるし、ラストがどうなるのか最後まで気になり続ける求心力は作品としてもっている一本でした

個人的評価:80点
オススメ度:清丸さんガチすぎてひくわあ



藁の楯 予告

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