2013年8月1日木曜日

終戦のエンペラー (2012/日・米)

監督:ピーター・ウェバー
出演:マシュー・フォックス / トミー・リー・ジョーンズ / 初音映莉子 / 西田敏行 / 羽田昌義 / 火野正平 / 中村雅俊 / 夏八木勲 / 桃井かおり / 伊武雅刀 / 片岡孝太郎 / コリン・モイ

1945年の日本、終戦とともにマッカーサーたちにより戦争責任者たちの選定がはじまる
中でも天皇の扱いをめぐり、戦争責任の可否による裁判および処刑の判断をするためフェラーズは関係者に尋問を開始する

夏になるとかならず一本は日本に引っ張り込まれる(もしくは作られる)日本がらみの戦争もの
そういう意味で、しょうじきこの映画にも個人的にはそんなに期待してなかったんですよね
年末恒例の忠臣蔵くらいの関心レベルでした
だけど、急に休みをもらって持て余してた、ということもあって鑑賞したんですが、いやあ、観てよかった
食わず嫌いというか、勝手な先入観だけでスルーするにはもったいない作品でしたね

日本を解放するという名目で戦後の混乱をおさめにかかるマッカーサーたち
そこで大きな問題となって立ちふさがったのが、日本人にとって神としてあがめられている天皇の処遇
アメリカ本国からすれば処刑が総意ではあるが、現実問題として裁判にかけるだけでも今はおとなしい日本人がどう動くかわからない
主人公フェラーズとしても、なんとか天皇の戦争責任のなない証拠と証言を得て本国を納得させる報告書を作りたいと動くが・・・
舞台が戦後の日本という特殊環境下である、というだけで別段そんなに反戦やら戦争責任やらの臭さは感じません
普通にデリケートな問題に対して、それぞれの思惑がある中で主人公が奔走するドラマとしておもしろい

アメリカ本国の思惑、マッカーサーの思惑、天皇側近たちの想い、主人公フェラーズの想い、そして天皇自身の想い・・・よくある、というと語弊があるかもしれませんが、史実をベースにしたサスペンスドラマとしてよくできてますね
日本人によって作られるこのての精神論、感情論を前面にだしてくるじっとりウエットなドラマも悪くはないですが、この作品みたいにウエットとドライのメリハリがあるのはやっぱり別ベクトルで良い
戦争ものとか構えて観ずに鑑賞するのが一番たのしめるかもしれませんね

白黒はっきりしない灰色の日本人気質、建前と本音、内なる凶暴性、形式的な部分、精神的な部分、そこら辺をあんまりどろっどろでねっとりしすぎずに描いてるのは共感がもてます
ただ、しょうじきコレって日本人以外の人が観て楽しめるのか不明ですよね
ホント、なんで洋画あつかいでこの題材のものを撮ろうと思ったのか不思議な一本でした

個人的評価:85点
オススメ度:通訳さんナイス仕事っぷり




終戦のエンペラー 予告

0 件のコメント: