2013年10月20日日曜日

インポッシブル (2012/スペイン)

監督:J・A・バヨナ
出演:ナオミ・ワッツ / ユアン・マクレガー / トム・ホランド / ジェラルディン・チャップリン / サミュエル・ジョスリン / オークリー・ペンダーガスト

夫と3人の息子たちとともにタイの浜辺にあるリゾート地にきたマリア
一家がプールで楽しく過ごす中、突如として巨大な津波が襲いかかり・・・

なんの前触れもなく襲いかかってきた巨大な津波に引き裂かれる家族、そんな自然災害ものなんて今どきテレビの再現ドラマでもよくあるテーマ
だけど、そんなよくあるって部分をふまえた上でも上映中に「がんばれ」と心から応援する感情がわきあがってきます
個人的にこんなに感情移入して主人公を励ました作品はないかもしれん

クリスマス休暇でタイのリゾート地にきたマリアと夫、そして3人の息子たち
巨大津波の発生によりすべてを飲み込み、引き裂き、マリアと息子のルーカスを残し、家族は散り散りになってしまう
いつ再び襲いくるかもしれない災害におびえ、大けがをおし、幼い被災者に手をさしのべつつもマリアとルーカスは懸命に生き延びようと前に進む・・・
という導入がありつつ、最初こそサバイバルものかなって印象だったけど、あくまで自然災害に対するマリアたち家族の物語になってますね

序盤のこれでもか、ってくらいの悲痛な展開に「おいおい、これラストちゃんと救われてくれよな」とのっけから作品に感情をもっていかれました
たいがいこういう作品では自然災害の描写が妙にビジュアル的に美しい方向の凄まじい感じに描かれるけど、この映画ではホントに凄惨な印象しかない
加えて痛々しくてしかたないけど、スクリーンから目を離すことができない力強さもありましたね

自然災害の凶暴さ、現場の混乱による人災、そんな中にもある人の暖かさと、とにかくマリアたちにおこる出来事を中心に時に厳しく時に優しくドラマをつづっていくのが良い
救われない描写が続く中で一筋の光明みたいな感動的なシーンもあり、いい感じで感情的にも塞がりっぱなしにならないから助かります
難を言えばもうちょっとラストに露骨に泣きを誘う過剰さがあってもいいかな、と思えなくもないけどまあ、これはこれで過剰演出すぎない感じが良いのかもしれませんね

ネタバレ回避のためにマリアたちがどうなるかは語れませんが、もうラストは「こいよ!こいよ!」とずっと励ましっぱなしな一本でした

個人的評価:95点
オススメ度:家族の影にうもれてる人たちのことも忘れてない姿勢は好印象




インポッシブル 予告

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