2009年11月29日日曜日

片腕カンフー対空とぶギロチン (1976/台湾)

監督:ジミー・ウォング
出演:ジミー・ウォング / クム・カン / ドリス・ロン / シャム・チンボー / ラウ・カーウィン / ロン・フェイ / ウォン・ウィンサン / ウォン・フェイルン


前王朝おかかえの武芸者を抹殺するために「空とぶギロチン」という特殊な武器を授かった武芸の達人である老人
ある日、二人の愛弟子が使命をまっとう中に片腕のカンフー使いに殺されたと聞き、その復讐に向かうのだった

なんでこの映画を観ようと思ったのか、賢明な人ならばこの作品のタイトルを見て頂ければ察しが付くと思います
まあ、アレですよ、こんな素敵なタイトルの作品を知って素通りできるわけないじゃない
片腕カンフーっておまえ、さらに空とぶギロチンて…微妙に分かりやすい対決のようでそうでもない抽象的なタイトルを気にならない方がおかしいでしょう

見始めてすぐに思うのが、その空とぶギロチンの形状ですね
外側と内側に鋭い刃がついたお盆、鎖みたいので結びつけてあってそれを振り回しつつ、相手の頭にお盆をかぶせて首ちょんぱ
あれ、これ、どっかで…?と思ってたら「片腕マシンガール」に出てきた敵の武器じゃないッスか
なにこのB級どうしのつながり、なにこの元ネタが発覚してもちっともうれしくない感
まあ、それはそれとして、この映画はだらだらとツッコミを入れながら見るのに最適な作品でしたね

特に中盤の武芸大会とか時代を先取りしすぎ
出てくる出場者が普通のカンフー使いだけじゃなく、三節棍、刀、ムエタイ、精神力で体を鋼鉄なみに堅くする、弁髪で首をしめる…くらいはわりと普通と言えなくもないですが、特に注目すべき猛者が二人
一人は日本から来た男、なんかじゃっかん勘違い気味の侍ファッションで、試合開始とともに普通にカンフーはじめたかと思いきや、実はメインの武器はトンファー
日本人の侍ならトンファー…ですよねー
さらにもう一人がインド人の男、こいつも普通に最初はカンフーアクションしてますが、その格闘スタイルが「ヨガ」ということで、「そのうち腕でも伸びるんちゃうんか?あ?」と思ってたら本当に腕が伸びました
ヨガなら腕が伸びても不思議じゃないですよねー

そんな中盤の尺かせぎも終わったところで、やっと宿敵同士の片腕カンフーと空とぶギロチン使いの対決が、武芸大会とかいっさい関係なくはじまります
しかし片腕カンフーさんは「あのギロチンをなんとかしないと…」と戦略的撤退をしながら考えます
さらにムエタイ野郎もギロチンさんと組んでカンフーさんを追い込みはじめるんですね
そこでカンフーさんは過酷な修行を開始して技を磨き、奥義的なものを身につけて戦いに挑もう…なんて考えはさらさらなく、敵を罠におびき寄せます
ガチバトルとか勝算のない、または低いことするのは愚かですよねー、って感じで知略っぽいものをめぐらせて戦いに挑む…なんかじゃっかん新しいカンフー映画のスタイルじゃね?
常に素足なムエタイ野郎を鉄板の床に改装した小屋におびき寄せ、周りに火を放っておいて自分は靴をちゃんとはいて戦うカンフーさんとか素敵です

さらにこんな知略風味のバトルはラストのギロチンさんとの戦いでも続いて、事前に仕掛けておいた斧を投擲する装置のある場所に誘導して、容赦なくその罠を使うカンフーさんマジで素敵すぎる
そんな斧の罠にまんまとひっかかり、斧をもろに体に受けながらもカンフーさんをガチバトルでは追い込むギロチンさんは半端ねえッス
しかも武器であるギロチンを失っても普通に優位なギロチンさんに、カンフーさんはあたりまえのように斧の罠を再び使ってギロチンさんの腹部に刺し、それに拳を突きつけて押し込む外道っぷり
まあ、なんというか、生き死にの勝負は勝てばいいってことですね

そんな一風変わったカンフー映画、あなたも見てみませんか
見ませんか、そうですか

個人的評価:70点
オススメ度:真の強者は勇敢さと賢さを合わせもつという




片腕カンフー対空とぶギロチン 予告

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