2009年11月27日金曜日

ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない (2009/日)

監督:佐藤祐市
出演:小池徹平 / マイコ / 池田鉄洋 / 田中圭 / 品川祐 / 中村靖日 / 千葉雅子 / 須賀貴匡 / 朝加真由美 / 北見敏之 / 森本レオ / 田辺誠一


プログラマとして就職した新入社員の大根田
しかし、そこは残業当然、理不尽な指示、ありえない人間関係のいわゆるブラック企業だった

思ってた内容とじゃっかん違って、その違いが良い意味で働いていたので、かなり楽しめましたね
大作の部類ではないですが、観る価値は十分にあると言えます
就職先にいる先輩たちがとんでもキャラで、ドタバタしながらも弱小ブラック会社が、それなりな働きをする所へと成長していく・・・という単純な話でもないのがよかった
実際、観るまではそんな悪く言えば「ありがちな」ドタバタコメディと思ってたんですが、意外なほど芯があって普通に見応えもありました

入社データのタイプミスからマ男と呼ばれるようになった主人公が、仕事のできないリーダーからいきなりイロハも教わらないうちに仕事を投げつけられ、さらに仕事仲間のサポートもしながら残業して与えられた仕事をこなした、それが入社当日のこと
そんなこれから訪れる限界にいたるまでの出来事をマ男が当時を振り返りながら巨大掲示板にスレッドをたてて書き込んでいく、というのが本筋
その課程でとんでもないブラックすぎる会社の実情、とんでもキャラたちのエピソード、マ男の過去、そして就職した理由が語られていくんですね
コメディパート、シリアスパートのバランスがよく、それでいていい感じに融合されてる良質なコメディ作品な印象

社会人として働いている人なら、演出的な誇張表現はあるけど絶対に主人公に共感できる部分はあると思います
能なしの威張るだけのリーダー、そのご機嫌とりばかりしている同じく能なしなナンバー2、情緒不安定でいじめられ役な同僚、そんな中で仕事面でもメンタル面でも支えになってくれる先輩の藤田さんがナイスすぎる
掃き溜めのような職場に似つかわしくないあまりにできすぎな人物の藤田さん
怪しい、怪しすぎるぜ・・・と勘ぐらずにいられません
まあ、それも制作側の思うつぼな感じなんですけどね

タイトルやあらすじを見る限り、仕事的にやばいくらいに追いつめられる話かとも思ったんですが、実際に見進めていくと仕事以外にもいろいろな面で主人公が追いつめられていく様がおもしろい、というと不謹慎だけど、そこはそこで映画的な娯楽作品を見てるという意味でおもしろい
だがそれがいい反面、さすがにちょっとひとつひとつの逆境が薄く感じなくもない
特に両親関係のエピソードは、分かるけどじゃっかん薄味で、やりようによってはもっとグッとくる展開もできたきがしないでもない

あとはプログラマという職業における過剰労働っぷりがあまりよく伝わってこない気がしましたね
普通のプログラマがどんな仕事っぷりなのか分からないのに、さらにすさまじい仕事現場と言われてもピンとこないというかなんというか
ゆえに仕事に追い込まれてる状況の緊迫感がイマイチ
さらに三国志ネタをいきなり出してこられても、そっち系の知識がないから、なんとなく言わんとしてることはわかるけどよく分からないネタがありましたね
で、もっともダメだったかな、と思ったのが主人公の引きこもりニート演技があまりにステレオタイプでリアリティがないところ
最近、個人的に見ているドラマの「幼獣マメシバ」の主人公のリアルすぎるニートっぷりを見てるとどうしてももの足らないものが

そんなわけで、本当におもしろいし楽しめるけど、もう一歩ぬきんでるものが足りない気がする、そんな作品でしたね
いや、けっしてつまらないわけじゃない、どちらかといえばおもしろい部類なんですが、あとひと味ほしいというか
あと、最後の最後に「結局、あの人ってよくわからなかったよね」という人の本性が分かるので、エンディングロール途中で切るのはやめましょう

個人的評価:70点
おすすめ度:ブラックじゃない会社の方が都市伝説だろ




ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない 予告

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