2009年11月15日日曜日

ゼロの焦点 (2009/日)

監督:犬童一心
出演:広末涼子 / 中谷美紀 / 木村多江 / 杉本哲太 / 西島秀俊 / 崎本大海 / 鹿賀丈史 / 本田博太郎 / 黒田福美 / 野間口徹


巻一と結婚した禎子だったが、その夫が金沢で仕事の引継を終えて戻るはずの日に戻らない
不安になった禎子は金沢で夫の手がかりを探す中、巻一の過去からわきだした謎を追うのだった

原作未読で鑑賞
三大女優とか売り文句らしいですが、そんなんどうでもいい感じ・・・というか、佐知子以外の存在感が薄すぎな気が
こういうミステリーものではホントに感想は書きにくいんですが、とりあえず昭和な雰囲気はよく出てましたね
じゃっかん「別に映画じゃなくTVドラマでも」と思えなくもないですが、そこは「沈まぬ太陽」よりは映画っぽい作り

内容的には夫を探すうちに、禎子の知らない巻一の過去が露わになってきて、そこへちょっと引っかかりのある怪しい人物たちと接触しながら真相に近づいていく、って感じ
まあ、このてのミステリーの王道ではありますね
ただ、そんなちょっと怪しい人たちが出てくるのはいいんですが、もっと観てる側をミスリードさせる工夫があってもいいんじゃないのかなあ、と
あくまで主人公の禎子は真相に向けての一本道を進んでる感じで、「あれ?あいつちょっと怪しくね?でも、今はとりあえずおいとくか」みたいにわき道にぶれなさすぎ

そんな無視されたわき道の展開はというと、禎子抜きで勝手に完結していくオートサブシナリオっぷり
いや、むしろすべてが全自動的に話が進んでるといってもいいかもしれません
あるていど主人公が真相に近づいたかと思ったら、次からはいわゆる犯人が出てきて、禎子抜きで勝手に真相の解決編モードに入ります
実はこうだった、という展開がマジで主人公抜きで描かれるのはある意味で斬新
そして、すべて解明したあとに、主人公は「と、いうことだったのね!」的に真相の断片からみごとに超推理ですべてを見抜く全自動っぷり

しかも、そんな謎がすべて解けてからの展開がなんというか、一言でいえば「蛇足」でしかない
まあ、犯人の発狂はよかったけど、主人公と犯人のケリの付け方とか「え?はあ?」と言っても許されるレベル
ミステリーを観終わったあとのすっきり感は皆無
と、悪い点ばかり書いてますが、とりあえず「そうだったのか」感はそれなりに味わえますし、中谷美紀のちょっと大仰だけど力強い目力はひかれますね
ミステリー部分はアレな気がしないでもないですが、ドラマとしてみれば「ああ、あれ伏線だったのか」と思いながら楽しんで観られます

ミスリードで観てる側をだましてくれない物足らなさは別にして、本当に全自動で真相が語られる解決編までは普通に楽しめますし、だれません
それゆえにラストのどうでもよささが目立つ結果になってる気がしますが
そんな感じで、良くも悪くも古くさい、おもしろいけど大満足はできない、そんないわゆる「普通」の一本でしたね

個人的評価:70点
オススメ度:赤くて黒くて白い




ゼロの焦点 予告

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