2009年11月8日日曜日

僕らのワンダフルデイズ (2009/日)

監督:星田良子
出演:竹中直人 / 宅麻伸 / 斉藤暁 / 稲垣潤一 / 段田安則 / 浅田美代子 / 紺野美沙子 / 貫地谷しほり / 塚本高史 / 田口浩正 / 賀来千香子 / 宇崎竜童 / 柏原収史 / 田中卓志 / 山根良顕 / 佐々木すみ江


病院で自分の受けた手術について担当医が話しているのを立ち聞きし、自分が末期ガンだと知った中年の男・藤岡徹
落ち込む日々の中、ふとしたきっかけで最期の願いとして学生時代に組んでいたバンドを再結成に走るのだが

ひとことで言えばぜひ観るべき作品でもないし、ダメってほどクソ映画でもない
観てる分には楽しめるけど、別にすごい充実するわけじゃない「普通」な作品
よくある死を目の前に駆け込みで充足した密度の高い日々を送ろうと奔走するドラマ
まあ、実際はちょっと違って、末期ガンってのは勘違いで主人公が勝手に落ち込んでしまい、それを見ていた家族が「退院してから、父ちゃんが鬱になった!」と必要以上に気を使い始めることで、ますます主人公のガン意識が強くなっていく感じ

で、死ぬ前に青春時代の思い出であるバンドを再結成したいとはじまるんですね
そこからもよくある話で、みんなバラバラに仕事や悩みを抱えて生きてるわけで、そこを「死ぬ間際のわがまま」パワーで説得してまわると
それはそれで王道的な展開でいいんですが、メンバーの中でも大出世してエリート仕事人間化した山本を誘った時に、案の定いちど断られる
ってとこまでは分かる
だけどそこから山本が自宅でしみじみとバンド時代に使ってたギターを引っ張りだして見つめるくだりから、ちょっとしたら簡単にバンドメンバーに復帰したのがどうも
いや、ラストに向けての展開を考えれば分からんでもないが、それでも唐突感は否めない
もうちょっと苦悩とかドラマを見せてくれてもなあ、と

それ以外にもドラマの演出にしても、コメディの見せ方にしてもかなりあっさりしたできですね
大笑いはできないし、別に感動もできない、ただポンポンとテンポよく話が優等生的に進む感じで
ほんとにつまらなくはないんだけど、引きつけられるものがあまりないのは確か
個人的にはそんなあっさり演出もいいと思いますけど
あとは出てくるキャラが、ちょっとしたすれ違いはあるもののみんな良い人で観てて肩がこりません
中でも日暮さんは良い味だしててよかった
かけたメンバーの補充要員とか微妙なポジションながら、けっこうポイントポイントで存在感がありましたね
さらにこの映画の主人公って山本じゃねえの、ってくらい存在感があった宅麻伸も良い人でかっこよすぎ
で、あいかわらず主人公である竹中直人はうっざいおっさんだなあ、と

おっさんと言えば、この作品はあきらかにおっさん向けで、しかもコメディをみれる耐性を持つ人・・・というかなりピンポイントな趣味の人を対象にしてるようにしかみえないのはどうなんですかね
しょうじき若い人や日頃コメディ見ない人はクソ映画認定しかねない、そんな内容ではあります
終盤の主人公が山本に謝るシーンとか、そこら辺が楽しめるか否かで評価が大きく変わるかもしれません
というか、興味ない人はそんな終盤までみてられないのも事実

ということで、おっさん向けなファンタジー映画コメディ風って感じの一本でした

個人的評価:60点
オススメ度:末期ガンなんてなかった。そうでもない




僕らのワンダフルデイズ 予告

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