2009年11月21日土曜日

2012 (2009/米)

監督:ローランド・エメリッヒ
出演:ジョン・キューザック / キウェテル・イジョフォー / アマンダ・ピート / オリヴァー・プラット / タンディ・ニュートン / ダニー・グローヴァー / ウディ・ハレルソン / ジョージ・シーガル / ジョン・ビリングスリー / モーガン・リリー / ジミ・ミストリー / パトリック・ボーショー / トーマス・マッカーシー


2009年、ある地質学者により地球の崩壊まで間がないと判明
そして2012年、離婚した妻の所から子供たちをあずかって週末旅行を楽しむジェイクは、政府が隠していた間近に迫った地球崩壊の事実を知る

いかにもハリウッドらしい、大作っぽい大作なデキ
いわゆる「普通にけっこうおもしろい」が似合う作品ですね
上映後のお客さんの反応を見ても「・・・うん、まあおもしろかったよね」と、ちょっと言葉を濁し気味な感じ
さんざん予告であおられた作品ゆえに期待が大きすぎたのもじゃっかんの物足らなさの要因のひとつかも

マヤ文明の予言とか宣伝してますが、序盤から普通に科学的な地球滅亡の危機が判明して、しょうじきマヤ文明うんぬんの要素は「昔の人は知ってたんだね。すごいね」ていどの扱い
序盤から地割れの描写とかけっこうリアルで、滅亡まで向かう様子とかもわりと丁寧に描かれてます
そしてなにより、すごいテンポがよくてよくある「崩壊が始まるのは映画クライマックスで!」という出し惜しみなく、けっこう序盤からクライマックスがきます
道が段列し、ビルが崩れ、日常だった風景が瞬く間に崩れゆく様子を描きながら主人公たちがとんでもアクション以上のカーアクションや飛行機によるアクションを展開
個人的にはこういう日常が非日常に変わっていくさまを、きちんと画で見せてくれるのは大好きで、しかもこの作品みたいにすさまじいまでに力を入れてくるともう大満足

主人公たちが地図を手に入れるくだりまではマジで神映画認定してもいいくらいに文句なしのおもしろさ
なんですが、中盤からちょっとパワーダウンがはじまります
それでもダレそうになると、喝を入れるようにズドンとくるシーンが入るのでぎりぎり飽きはしませんが
こういう終末ものって、ようするに殺人鬼ものと同じで「どんなシチュエーションで崩壊を描くか」が楽しみの大きなウエイトを占めると思うんですね
そんな描写が序盤で出し尽くしてる感じがあからさまにするのはいかがかと

そんなこんなで終盤のクライマックスが、下がり気味のテンションの底になってしまってますね
終盤の山場になる大きなアクシデントが主人公たちが起こしたことが原因ってのもあるけど、なんか主人公を素直に応援できない
それくらい引き起こされたアクシデントは多くの人に迷惑どころか、命を危険にさらしてるんですね
しかも画もアクションも地味
緊迫感も画と音で誤魔化してるけど、ぶっちゃけゆるゆる気味
いや、別に特別つまらないってことはないんですよ
あまりに序盤が神展開すぎて、終盤の盛り上がりがあまりに普通すぎる「普通のパニック映画」止まり

なにより人間讃歌だか知らないですが、こういうパニックもので出てくるキャラのほとんどが「話の分かる良い人」ってのはつまらない
「笑う警官」の唯一の名ゼリフ「葛藤のない正義はマンガだ」を使うなら「葛藤のない人間讃歌は茶番だ」と言わざるえない
極限状態の中、互いに衝突して結果としてさらなるアクシデントを招きながらも、最後は団結して乗り越えるとかそっち方向が見たかったですね
ラストもラストで「言うほどじゃなかったね」みたいにくくるのはどうなんだ、と
常にポジティブな方に話をもっていくのはいいけど、なんか微妙に死んでいった人たちの描き方が軽いというか、結末も逆に考えれば人類的に相当すさまじい悲惨さになってるわけで
さすがに手放しで「良い話だなあ」とは言えない

そんな感じで、結局この映画でやりたかったことは序盤の崩壊の課程だけだったんじゃないかと邪推してしまう、そんな一本でした

個人的評価:80点
おすすめ度:普通の大作




2012 予告

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