2010年6月23日水曜日

あるいは裏切りという名の犬 (2004/仏)

監督:オリヴィエ・マルシャル
出演:ダニエル・オートゥイユ / ジェラール・ドパルデュー / アンドレ・デュソリエ / ヴァレリア・ゴリーノ / ロシュディ・ゼム / ダニエル・デュヴァル / ミレーヌ・ドモンジョ / フランシス・ルノー / カトリーヌ・マルシャル / オーロル・オートゥイユ / オリヴィエ・マルシャル / アラン・フィグラルツ





パリ警察で警視をつとめるレオとドニ
それぞれ反目し合いながらも巷をにぎわす強盗事件を追うのだが

観終わってはじめて実話をベースに作られたものだと知りましたが、リアルでこんなこと(に近いこと)があったのか…と
いや、話的にはそう特別なアレじゃないんですが、こんな映画みたいなことが実際にもあるんだなあって感じで
演出的にはあっさり、だけど中身はわりと濃ゆい作品でしたね

きわどい犯罪すれすれの捜査をする出世欲のないレオ、仕事をこなし出世することを第一に捜査をするドニのふたり
ともに実績は申し分ないが、出世欲のないレオに次期長官の話が出たことでドニが…
とかそんな感じの流れなんですが、ホントに色々とぽんぽん話が切り替わって進むんで、しょうじきどこまであらすじを書けばいいか困る
ネタバレにならない範囲でいうなら、単一な話ではないってことで

演出があっさりしているけどビシッときめてくれて、なにかアクシデントが起こると途中経過は最小限に結果だけバーンと描くテンポのよさ
それでいて説明不足にはならないていどのはしょりなんで、観てて小気味よささえ感じます
「○○の居所が分かったぞ!」→次にはもうそこに突入してるシーン…みたいなとにかく流れをだいじにしてるのが分かります
そんなあっさりでテンポのいいところが逆にいえば「ちょっとスカしてる」と思えなくもないですが、個人的にはこのくらいパッパと話が進んだ方が飽きなくていい

しかし、それにしてもこの作品の冒頭の入り方が微妙に分かりづらいと思ったのは私だけでしょうかね
どんな話がよくつかめないままに話が進むのはいいんですが、そこはほら、もっとレオとドニの関係を強調するような過去話とかそこらを描いてくれた方が話に入りやすいような気が
話が進んでいけば分かることは分かるんですが、もっと初めの方からふたりの確執みたいのを…とか思っちゃったりしちゃいました

とにかくレオのおっちゃんがカッコイイ
作風とかからも感じるけど、なんとなく北野映画みたいな臭いがしてきますね
そういう意味ではフランスとかあっちで北野武監督のバイオレンスものが受けるのも納得かも
熱いものを内に宿しながら、見た目はクールな感じで部下からの信望も厚い
でも必要とあらばちょっと犯罪めいたことも躊躇なくやっちゃう
そんなオヤジのかっこよさを楽しむ作品と言えなくもないかも

あとはラストとそこに繋がるクライマックス、ね
いやあ、まあ、なんというか個人的には思ってた終わり方と違って、そこがそれでまたおもしろかったですね
実話がベースってことでどこまでが考えて作ったとこなのか知らないですが、「どうせこうなるんだろ」と思ってたことがくつがえされる気持ちよさというかなんというか
まあ、最後、主人公がどういう結末を向かえるかは観てのお楽しみとか言っちゃっておきますね
深読みスキルがある人からすれば「ふーん」な感じかもしれないですが、個人的にそういうスキルがないのが幸いだったかもしれません

そんなかわいいワンちゃんがいっぱいでる他、愛くるしい猫ちゃんも多数出演するアニマルムービー「あるいは裏切りという名の犬」は、地味に楽しい一本でした

個人的評価:85点
オススメ度:ドニさん普通に小ものすぎるだろ




あるいは裏切りという名の犬 予告



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