2010年7月12日月曜日

二十日鼠と人間 (1992/米)

監督:ゲイリー・シニーズ
出演:ジョン・マルコヴィッチ / ゲイリー・シニーズ / レイ・ウォルストン / ケイシー・シーマズコ / シェリリン・フェン / ジョー・モートン








頭の弱いレニーと賢いジョージは、ある場所から逃走する
ふたりはささやかな夢を抱きつつ、新しい働き口のあてとしてソルダッドの牧場へやってくる

地味で飾りっ気のない作品
なのに、なんでこんなに見入ってしまうのか不思議な内容ですね
頭の弱い男が巻き起こすトラブルに辟易しながらも、けっして自分ひとりだけで楽な道はいかない賢い男との友情
新たな土地での牧場仕事の生活の中、ボスの息子とその嫁さんの危うい関係にまきこまれ、トラブルの火種は常にくすぶりながらも、日々を過ごしていくふたり
やがて牧童仲間ともうち解けはじめるのだが…みたいな牧場ライフストーリー

そんな牧場生活をただ描いてるだけなのに、なにか分からないが妙に作品に引き込まれるものがあるから困らない
牧場でのちょっとしたハプニングや各々のキャラのエピソード、そして徐々にレニーとジョージの間にあるものが描写されていくんですが、作品全体的にみて序盤から中盤に広がっていきラストでキチンとしめる展開は本当に観てて心地良い
描き方も泣きや笑い、友情、憎悪、感動の演出はさりげなく、「ここで泣け」という押しつけがましさがいっさいありません
それゆえに淡泊ではあるんですが、観終わった後に腹の底にずっしりと残るものがあるのも確か

ふたりのささやかな夢がむにゃむにゃっとなる流れでは、いっしょに「よかったなあ」「ええー」と観てて一喜一憂できます
そしてラストの描き方がもうたまらないわけですよ
最後がどうなるか観てる側に分からせた上で必要以上に引っぱらず、かといってうやむやにあっさり描くのでもなく、本当に絶妙なタイミングで終わりを向かえます
そこに至るまでの過程もきちんと伏線で描いてるし、必要な無駄はいっぱいあって必要のない無駄はいっさいないのがすごいなあ、と

ただ、まあ、なんというか、牧場主の息子の嫁さんがあんまりにも空気読めないビッチすぎたのが引っかかったといえば引っかかりましたが
そこら辺はささいなこととして、なんといったらいいか、こういう時にこの映画の良さをうまく表現できない自分が苛立たしいですね
観てて本当に面白い、けどそれを言葉にだせないもどかしさ
気になったら一度、暇な時にでも観ることをオススメします

個人的評価:90点
オススメ度:サノバビッチ




二十日鼠と人間 予告



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