2010年8月8日日曜日

運動靴と赤い金魚 (1997/イラン)

監督:マジッド・マジディ
出演:ミル・ファロク・ハシェミアン / バハレ・セッデキ / モハマド・アミル・ナジ / フェレシュテ・サラバンディ / ダリウシュ・モクタリ / ナフィセ・ジャファール・モハマディ / モハマド・ハッサン・ホセイニアン / ダーウッド・シャムズ






貧しい家庭ながら一生懸命に生きる少年アリ
ある日、アリはおつかいの途中で妹の靴をなくしてしまうのだった

アリが妹の靴をなくしちゃったよ、どうしよう
っていうだけの映画
貧しいゆえに新しい靴を買うこともできず、それを親に話したところで怒られるだけで靴は買ってもらえないだろう
アリの家は家賃や食費も滞納しがちな貧しさで、そこで必需品である靴がうっかりによってなくしてしまったらどうなるのか、という設定

とにかくアリ少年のキャラがめちゃくちゃいい
いいお兄ちゃんなんだけど、良い子すぎることはなく怒られるのがいやだから親には靴のことを内緒にするし、自分のせいなのに妹に逆ギレもする
それでもギリギリクソガキっぽいところを回避してて、というかむしろ一生懸命に自力でなんとかしようとする様子がいじらしい
自分の靴を妹と交代で履くにしても学校の遅刻問題やらが生じてきて、ちょっとした不幸なできごとが常にアリ少年を悩ませます
もちろん良いこともおこりはしますが、結局は良いことと悪いことが繰り返しおきて観てて飽きがこない作りになってます

小さなできごとに立ち向かう少年の姿と家族愛、兄妹愛ってところが見所なのかもしれませんが、なんといってもアリ少年の泣き顔がひどく印象に残ります
大人からしてみればたいしたことないことでも、子供にとってはそれこそ天地を揺るがすほどの大事件なわけで、自分の子供の頃を思い出しながら観るとアリの心情がよく分かって楽しさが増します

そしてクライマックスからラストの流れがかなり秀逸
いつの間にか心からアリを応援してる自分がいて、がんばってがんばってがんばったけど…な感じが最高すぎる
そこにあの自転車からのぞくモノ、そして悲しいような終わり方ではあるけど「そうきたか」と思わざるえない
個人的にはかなりいいタイミングで終わってくれたといった感じですね
みなまで言わない、言わなくても分かるだろ的な演出が素敵です
振り返ってみればなんてことはない日常の1ページ、だけどそんな日々をこれからもアリは必死に走り続けるんでしょう
なんて自分でまとめておいて、ちょっと気持ち悪い言い回しにツッコミを入れられる前に自分で処理しておきます

個人的評価:80点
オススメ度:金魚は意外にメインではない気がしないでもない




運動靴と赤い金魚 予告



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