2014年9月22日月曜日

柘榴坂の仇討 (2014/日)

監督:若松節朗
出演:中井貴一 / 阿部寛 / 広末涼子 / 中村吉右衛門 / 高嶋政宏 / 真飛聖 / 吉田栄作 / 堂珍嘉邦 / 近江陽一郎 / 木崎ゆりあ / 藤竜也

幕末の日本、生命を賭して護ると誓った主君をむざむざ殺されてしまった金吾
その責により生き恥をさらしながら逃亡した刺客を討つことを命じられる

時代劇、仇討、というキーワードおよび予告編から連想してたものと大きく異なる感情がそのラストでわきあがりました
内容も予告編から見て取れる部分だけの話でもなく、なんだかんだ単純なものを引き延ばして一本の作品にしたような安易さは感じられなかったですね
終着点がどうなるか、って部分は書かない方向として、とりあえずまっすぐな作品という印象を受けました

主君である井伊直弼を一命をかけて護ると誓いながら、わずかな少数の刺客に翻弄され暗殺まで許してしまった金吾
唯一の生き残りであった金吾は切腹を希望するが、命じられたのは逃亡した刺客を討てというものだった
という感じで生き恥をさらし、世の大きな変革の流れによる社会と人々の変容に苦労しながら、いっこうに足取りのつかめない刺客を追う、時代に取り残された侍のお話ですね

命を受ける相手が変わっても、みな洋服を着て新たな生活を生きても、藩そのものがなくなっても、頑なにちょんまげ袴姿で刀を携えて身も心も侍をつらぬく主人公が魅力的
けして侍として見た目がカッコイイわけでもなく、どこか情けなく儚いのに芯が強いのがいいですね
そんな意固地なまでに全身侍を貫く主人公と、新たな時代で新たな生き方を進む登場人物たちの関わりからくるドラマがおもしろい

仇討うんぬんという部分より、時代が流れていく中で関わりを持っていく人物たちとのやりとりの方に自然と関心がむきますね
変わるもの、変わらぬもの、変わらなくてはいけないもの、変えてはいけないもの、そこら辺が分かりやすく描かれてて賢くない私でもすんなり飲み込めました
作りも重く堅苦しい展開の中にも、ホッと一息つけるところが用意されているので疲れない一本でした

個人的評価:85点
オススメ度:ミサンガに懐かしさを感じるのはおっさんの証拠




柘榴坂の仇討 予告

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