2010年3月5日金曜日

リアリズムの宿 (2003/日)

監督:山下敦弘
出演:長塚圭史 / 山本浩司 / 尾野真千子 / サニー・フランシス / 康すおん / 山本剛史 / 山下敦弘


若手の映画監督と脚本家の木下と坪井は名前は知ってるていどの知り合い
共通の友人である舟木に誘われて田舎町にやってきたが、とうの舟木が遅刻してまだこないなか、ふたりはとりあえず宿へと向かうのだった

あらすじを見てもなにがおもしろいのか分からないと思いますが、これが本当に面白い
社交的ではあるけど実際に会うのは初めての相手にまで馴れ馴れしい態度はとれない舟木、やや内向的でへんに真面目かつ小心者の坪井、そんなふたりのぎこちない距離感と空気感が楽しくて楽しくてしかたない作品ですね
大笑いというより、しずかにくすくすと笑ってしまうタイプの良質コメディ

いわゆる「友だちの友だち」という微妙な立ち位置の二人が、土地勘もない田舎町の宿でいっしょの部屋に泊まることの気まずさがマジでリアル
個人的には小心者の木下の行動が分かりすぎて共感しまくり
で、話的には舟木と連絡がとれなくなって途方にくれてるところに、地元のいろんな人たちが絡んでくるという感じ
そんな絡んでくる人たちがいいキャラで困らない

SMものAVが大好きなタクシーの運ちゃん、金に汚い外国人のおっさん、あきらかに怪しいCDを売りさばく父子、死にかけ旦那の一家、そしてそこにふたりの前に唐突に現れるヒロインとの絡みがメインになってきます
そんな強烈なキャラたちとの絡み以上にやっぱり木下と坪井のなんともいえない、ぜったいにふたりで旅行するような仲じゃない距離感の付き合いしかない関係が楽しくて仕方ない
遠慮するような探るような、おもいっきりバカ話もできなく、腹が立ってもちょっと言い出しにくい…そういうあけっぴろげじゃない日本人気質どうしの絡みをうまく描いてますね

じゃっかんラストに向かっていくなかでインパクトが弱いシーンが続きますが、それでもそこまでに至る道のりがじゅうぶんすぎるほどにおもしろいので満足
「なんともいえない空気感」そんなのを味わいたい人にはオススメですね
最後の最後まで微妙な感じを楽しめます

個人的評価:90点
オススメ度:俺は童貞だが姉ちゃんのは見たことがある、ほぼ他人にそんな話ができる人間になりたい




リアリズムの宿 予告

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