2010年3月14日日曜日

シャーロック・ホームズ (2009/米)

監督:ガイ・リッチー
出演:ロバート・ダウニーJr. / ジュード・ロウ / レイチェル・マクアダムス / マーク・ストロング / ケリー・ライリー / ジェームズ・フォックス / エディ・マーサン / ジェラルディン・ジェームズ / ウィリアム・ヒューストン / ブロナー・ギャラガー / ハンス・マシソン / ロバート・マイレット / ウィリアム・ホープ / クライブ・ラッセル


イギリスの名探偵ホームとその助手で医者のワトソン
ふたりは巷を震撼させている、黒魔術の儀式によって連続殺人をおかしたブラックウッド卿を捕まえるのだった

スタイリッシュミステリーアクション
まさにそんな感じでかなりアクション要素に重きをおいて、堅苦しいイメージのホームズものをあっさりばっさりけれんみたっぷりで描いてます
とにもかくにもキャラたちの怪しさを楽しむ映画ですね

ブラックウッド卿が捕まり、いよいよもって死刑が執行されすべてかたがついたかと思ってた所に、ホームズが惚れ込んでいるビッチが人探しの依頼をもってくる
それと同時にブラックウッドが墓から抜け出して蘇ったと連絡がある、という筋
論理的な推理を得意とするホームズに魔術を体現してみせるブラックウッドという対決なんですが、そんな魔術とかそっち方面に話がいっちゃうのかと怪しみながら楽しめます

科学の実験が好きで、自分の世界に入り込み、洞察力と推理力が半端なく、それを応用して論理的格闘術に長け、基本ひきこもりなホームズさんが素敵すぎる
すごい所はものすごく、ダメな部分はとことんダメな人間として描く極端さがいいですね
ファッションとしてのダメ人間でホントはすごいんだぜ、って感じじゃなく、クズといってもいい部類のダメ人間かつ名探偵という風な描き方
そんなホームズとなんだかんだ言い争いながらも深い絆で結ばれた助手の常識人ワトソンとのやりとりもおもしろい

基本は謎解きしながらパワープレイで敵を追いつめたり窮地におちいったりした時にアクションで解決しつつ、ブラックウッドを追うという流れ
謎解きといっても華麗にトリックを説明するというより、とりあえず敵を追いつめて「こういう感じなんだろ?な?」みたいにミステリーの解決編の部分はわりとあっさり風味になってます
まあ、しょうじきトリック部分の種は金田一少年レベルなんで、メインは娯楽アクションかもしれません
そして、トリックとは別のストーリーの本筋部分があえて部分的な表現をちりばめるだけで、「実はああでこうでそうなんだよ」と丁寧に説明しないのは個人的には好印象でしたね
くどくど説明されるより、あえてまとめないことの方が観てる人自身に気づかせて「自分で理解した気持ちになれる」感をあたえてくれるんで

それでもやっぱりラストの「俺たちの戦いはこれからだ」という定番の流れはひどい
しかも終わりがけにちょっと話を出してきてそのままシャットアウトでエンドならまだしも、中途半端に引っ張って続きを期待させておきながら終わるのってどうよ
続編を作ってるのかどうか知らないですが、ブラックウッド編だけで気持ちよく終わってほしかった、としか言いようがない
まあ、ホームズ好きなら押さえておきたい展開といえばそうなんですが
あとは、作品全体的に抑揚がちょっと足りない気がしました
おもしろい、確かにおもしろい映画なんだけど、なんか微妙な退屈感があるんですよ
過激なアクションシーンも、ピンチにおちいってる時も、真相がわかった時も全部おなじテンションと味付けで、まるで刺身をおかずに寿司を食べてる感じ
おもしろさが均一的で、クライマックスがおとずれてもそんなに高揚感がないというかんというか

深く考えずに頭をからっぽにして観れるアクション主体のミステリー、なんか新しい気がしないでもないです
まあ、でもしょうじき多少スケールダウンしてもいいから、映画としてやるよりドラマでやった方がいいんじゃないのかな、と個人的に思える作品でした

個人的評価:80点
おすすめ度:ワトソンの男前イベントも素敵です




シャーロック・ホームズ 予告

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