2010年9月26日日曜日

十三人の刺客 (2010/日)

監督:三池崇史
出演:役所広司 / 市村正親 / 山田孝之 / 伊勢谷友介 / 沢村一樹 / 古田新太 / 高岡蒼甫 / 六角精児 / 波岡一喜 / 近藤公園 / 石垣佑磨 / 吹石一恵 / 谷村美月 / 松方弘樹 / 伊原剛志 / 斎藤工 / 阿部進之介 / 光石研 / 内野聖陽 / 岸部一徳 / 松本幸四郎 / 平幹二朗 / 稲垣吾郎





徳川の将軍の弟をいいことに斉韶(なりつぐ)のやりたい放題が横行している中、老中はひとりの男・新左衛門を呼び寄せる
新左衛門は斉韶を討つため、ひそかに腕のたつ侍を集め始めるのだった

ちょっとアレな映画をとり続ける映画量産監督の三池さんの最新作ですね
なんか最近はみょうに有名監督っぽくなってきましたが、あいかわらずその作品のガッカリ度は健在です
それでもたまーに良作を生み出してくれるので油断できねえ、ってわけで鑑賞

ようするに権力を傘にやりたいほうだい許さないよ、と下の立場の人間たちが武力行使する話なんですが、思った以上に序盤から「時代劇的な重さ」があってビックリでしたね
よくある演技から空気感からすべて軽いイケメン時代劇とは違って、けっこうずっしりくる描写で「これは期待できる」とB級モードから一般作モードに脳を切り替えざるえませんでした
まあ、完全にイケメン時代劇の空気がないってわけではないですが、それでもふわっふわしてる軽い作品よりはいくぶんまし
個人的には「お盆には帰る」にしびれました

前半はホントに堅実に作られてる印象で、だるま女以外はそれほど三池臭がきつくないので、B級耐性がない人でも十分に楽しめると思います
十三人の同志の描き方も頭が混乱するような詳しい描写はなく、主要なメンツ以外はその他大勢あつかいなので、そんなに人物の把握に苦労はしません
斉韶も権力があるだけの小心者ではなく、マジもののキチっぷりでいいキャラになってます

しかし、すべて順調にいってたと思ってたら、旅パートに入ったとたんに急にだらだらしはじめます
作品が変わったんじゃないかというくらいライトな雰囲気になって、クライマックス前の息抜きというだけではすませられないくらい軽い展開に
特に十三人目が出てきたあたりからひどさが急上昇しますね
三池らしいしょうもないギャグや軽いノリがたまらなく苦痛
脳が一般作モードになってるからなお辛い
最初から後半のノリで始まってればB級作品として楽しめたかもしれませんが、途中で作風変えられるとキツい

肝心のクライマックスもCGの使い方がいちいち寒くて、しかも長い
おまえらいつまで戦ってるんだよ、ってくらい長い
そして今までろくに描写のなかった十三人の刺客たちが主張をはじめて死んでいくようすに「知らんがな」と
ラストもそうだけど、後半のとってつけたような深みのない「こういうシーン、あるよね」みたいな描写はもう、ね…
で、それ以上に十三人目を好き勝手描きすぎて、作品的にどうしようもないくらいダメっぷりを際だたせている気がしてなりません
あと牛もたいがいひどかったですが

戦を知らない世代の真剣殺し合いっていうおいしいテーマも、すべて十三人目ととってつけた演出によって台無しな作品でした

個人的評価:60点
オススメ度:原爆うんぬんの意味




十三人の刺客 予告

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