2012年6月3日日曜日

ジェーン・エア (2011/英・米)

監督:キャリー・ジョージ・フクナガ
出演:ミア・ワシコウスカ / マイケル・ファスベンダー / ジェイミー・ベル / ジュディ・デンチ / ホリデイ・グレインジャー / サリー・ホーキンス / タムジン・マーチャント / イモージェン・プーツ / アメリア・クラークソン / スー・エリオット / ジェイン・ワイズナー / フライア・ウィルソン / サイモン・マクバーニー / サンディ・マクデイド / ロージー・カヴァリエロ / ソフィー・ウォード / ハリー・ロイド / ネッド・デネヒー





行き倒れ同然である屋敷にたどりついた女性、ジェーン
彼女の歩んできた道のりは辛く過酷なものであった

時にまったくノーチェックだった作品がものすごくおもしろい映画で、すんごい得した気分になることがある
これがまさにそんな作品
時代背景については歴史に詳しくないんではっきりとは言えませんが、まあ、なんとなくシャーロック・ホームズとかいそうなそんな時代のイギリスの田舎っぽい感じなところが舞台
大人のための世界名作劇場みたいな内容で、助けられた現在のジェーンを描きつつ、同時に過去の生い立ちみたいのを語っていきじょじょに本編に入っていくタイプの展開ですね

幼い頃に両親を失い、しかも彼女のことを嫌っている叔母のもとで暮らしていたジェーン
叔母の息子からは嫌がらせを受け、しかも刃向かえば叔母にしかられる
そうこうしているうちに叔母の家も追い出され、人を人とも扱わないような学校に預けられ体罰と尊厳を踏みにじられる日々をおくる
それでも強く生きて大人になったジェーンは家庭教師としてある館に仕えることになり・・・っていうのが序盤の展開

とにかく画面に違和感がないのがいい
上辺だけの雰囲気を表現してるような軽い印象は皆無ですね
田舎貴族らしい服装、使用人らしい服装、その時代をうまく表現してる美術、その当時の情景を実際に見た経験があるわけじゃないですが、ホントにリアル・・・というかナチュラルに描いてます
様式だけそれっぽく見せてるんじゃない芯のある画面の力強さっていうんですかね、マジで見てるだけで作品に入り込めます

そしてなにより内容がいい
すごい重い展開も重くなすぎず、軽くなりすぎずな描き加減がたまらなくおもしろい
「うわあ、きっついなあ」と気分が落ちるんじゃなく、どこかしみじみとした感情がわいてくる感じ
ありきたりに言えばジェーン・エアという人間について描いた作品で、まさにこのタイトルがしっくりくる内容で、ジェーンの強さだけじゃないもろさや悲しさも丁寧に表現されてます
しょうじきいって、こういうロマンス系の作品でここまでシンプルにおもしろいと思った映画は初めてかもしれません

映画が終わりエンドロールが流れ始めた時に、言いようもないこみ上げてくる感情に酔ったのも久しぶりですね
ふだん上辺だけの作品やB級ばかり観てる身としては、心が洗われる感じで「映画っておもしろい」と再認識させてくれた一本でした

個人的評価:100点
オススメ度:とびぬけて器量よしじゃない、だけど人として魅力にあふれてるジェーンさん




ジェーン・エア 予告

※注意!! この予告はかなりネタバレを含んでます。本編より先に見ると楽しさを損なうかもしれません

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