2013年2月5日火曜日

ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日 (2012/米)

監督:アン・リー
出演:スラージャ・シャルマ / イルファン・カーン / タブー / レイフ・スポール / ジェラール・ドパルデュー / アンドレア・ディ・ステファノ

インドの動物園で育った少年パイたち一家は、動物たちを売却するためにカナダへ船で向かう
その途中で船は沈没してしまい、パイはたったひとりで数匹の動物たちと救難ボートで大海原に投げ出され…

あれだろ?どう猛なトラと食うか食われるかって状況から、苦難を乗り越えるうちに友情が芽生えて協力プレイする感動ものなんだろ?
と、安易に思ってた自分がバカでしたね
圧倒的な映像美の中で描かれる残酷さ、ホントに「うっわ、キレイだなあ」という画面の中では過酷な状況が展開してるんですよ
そんな演出が非常におもしろい
ファンタジックだけどリアル、美しいけど残酷、まさに神様の物語って感じ

大人になったパイのもとを訪れた小説家に自身の生い立ちから話し始め、漂流していた時の話をメインに当時を振り返る形で話は展開します
当時を思い起こす、つまりはパイの記憶を相手に聞かせる形をとり、そんなパイの中の世界をみごとに映像化してますね
独特などことなくファンタジーというか、荘厳ともいえるこの映画の映像の宗教的なところはそんなパイの内面をあらわしてるからなのかな
ストーリー展開的にはめちゃくちゃ重い話だけど、そんな映像表現ゆえに重くなりすぎてない
かといって軽すぎないバランスは秀逸

最後まで観れば分かると思いますが、単純にトラと漂流した話ととるもよし、何かしらの寓話としてとるもよし、そこら辺は観た人に委ねられてます
個人的なあくまで個人的な印象として、なんとなく手塚治虫の作品に近いものを感じましたね
もちろん深く考えずにファンタジーアドベンチャーと観ても十分におもしろいし、トラさんは怖いしかわいいし、他の動物たちの動きもめちゃくちゃよくできてるし、もちろん主人公のパイもどことなくコミカルながら強くて優しい素敵キャラで親しめる

観てる間もすっごい楽しめる作品ですが、鑑賞後もよくよく思い返してみると色々と考えさせられる噛めば噛むほど味が出てくるそんな一本でしたね
なんというか観客の思考の誘導がうまくできてる内容で、自然と「あれ?俺、なんかめっちゃ知的なんじゃね?」と思わせてもくれます

個人的評価:100点
オススメ度:中国的日本表現はまあ仕方なしか




ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日 予告

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