2011年7月10日日曜日

デンデラ (2011/日)

監督:天願大介
出演:浅丘ルリ子 / 倍賞美津子 / 山本陽子 / 草笛光子 / 山口果林 / 白川和子 / 山口美也子 / 角替和枝 / 田根楽子 / 赤座美代子








70歳になったカユは村のしきたりにより山送り(山に捨てられる)になる
極楽浄土を夢見て雪山に倒れるカユであったが、目覚めると先に山送りにあった老婆たちの姿が目に入り…

人間の生と死を時代劇タッチのわびさびな感じで描いたヒューマンドラマ…とか、そんな甘っちょろい作品じゃねえし
いや、マジでそっち方向のしんみり悲哀系かと思って観たんですが、みごとに良い意味で裏切られました
なに、このサバイバルババアアクション、それでいてドラマ性もあって娯楽性が強いから楽しいこと楽しいこと
どこかちょっと神秘性をはらんだ日本の昔話といった感じですかね
描写じたいはリアルタッチだけど、内容はけっこうファンタジーっぽいところがあります

山に捨てられたカユは極楽浄土にいけると信じて死を待っていたが、目が覚めるとそこは同じ山送りにあった老婆たちが共同で暮らす小さな村「デンデラ」であった
デンデラを作った代表者メイはカユがきたことにより人員がそろったと、自分たちを捨てた村への復讐計画を決行しようとする
しかし極楽浄土を信じるカユはとうていその考えにすぐに賛成できるわけもなく、村に滞在することでかつての友人や知人、復讐計画反対派の人たちと出会い村での生活をはじめつつ考えをまとめていく
なんともパワフルでアグレッシブなババアどもだこと
デンデラでは理不尽なしきたりもないし、食べ物はすべて平等に分けて食べる
なんとも老婆だらけの理想郷みたいな雰囲気ですが、ただ一点、戦うための訓練をしてるってだけが異質です

デンデラでは自分たちを捨てた村を襲うことに賛成の意見とともに反対の意見もある
そんな中で新参者のカユはいろいろな人を見て、いろいろなことを体験しながら自分が正しいと思ったことを見つけていくわけですね
デンデラは理想的な村のようで、村人は全員女、しかも老婆であるのが実際問題できびしい要因になってます
結局、なにをどうしたところで、いろんな意味で未来がない
そこがポイントになってますね

また、カユの心が決まるまでの課程でふりかかるアクシデントがハンパない
思ったよりグロイ描写があるんで耐性がない人はキツイかもしれません
それをもたらすあるモノとの戦いをリアルなガチファイトと見る人と、寓話的な世界でのできごとと見る人によってこの作品の印象が大きく変わってくるかもしれません
個人的には最初はガチファイトとして見てたけど、途中でどこかファンタジックなものとして気持ちを切り替えたので抵抗はありませんでした
しょうじきガチファイトととらえたまま観てたら「あ?なにこれ、ありえねえし」と冷めた印象しかなかったかもしれません

じゃっかんラストに向けての戦いのシーンがまんねりで間延びがしてる気がする以外はホントにダイナミックでおもしろい一本でした

個人的評価:85点
オススメ度:最後のカユの問いがすべて




デンデラ 予告

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