2013年3月29日金曜日

灰とダイヤモンド (1958/ポーランド)

監督:アンジェイ・ワイダ
出演:ズビグニエフ・チブルスキー / エヴァ・クジジェフスカ / ヴァツワフ・ザストルジンスキ / アダム・パウリコフスキー / ボグミル・コビエラ

労働党書記シチュカの暗殺を実行するマチェクたちだったが、まったくの別人を殺してしまう
後のあるパーティ会場でシチュカ本人と出会ったことで、自分たちの任務が失敗したと知り…

古い映画を観ようじゃねえのシリーズ
で、今回はVHS版を引っ張り出してきて鑑賞したんですが、いつのまにかこの作品ってDVD化されてたんですね
けっこう昔の映画ってDVD化されてない名作が多くって、ちょっと前にビデオを何本か買ってたうちの一本がこの「灰とダイヤモンド」だったんですが…
まあ、DVD化はなにより嬉しいことで、このちょうしで他の作品ももっとDVD化を進めてほしいですね
できればモア・チープな感じで

そんなわけで内容ですが、色々と政治的な背景はあるけど要するに任務失敗した主人公が再度、標的の暗殺を試みるというお話
そんな中で無二の親友は早朝に旅立つってんで、それについていくため間に合うように任務を遂行しなくちゃならない状況に
同時にちょっかい出してた娘っ子が脈がないと思ってたら、まんざらでもない展開になる
んで、そんな状況の中で果たして任務は達成できるのか、という感じ

主人公の他に仲間として無二の親友であるアンジェイ、協力者である市長秘書フランクが出てくるわけですが、このふたりの存在が物語をおもしろくしてますね
いろいろと気持ちが揺れながらも組織と己に対する心根は貫くアンジェイ、生真面目で出世街道まっしぐらかと思いきや思わぬところで堕ちていくフランク
そんなふたりの間にある主人公のマチェクの気持ちの変化と生き様がみどころ
かっこいいけど惨めな存在である主人公がホントに魅力的で、その存在を追って観てるだけでもじゅうぶんおもしろい
俺は自分を貫いてるしかっこいい、と思いながら実は情けなくて惨めな自分に気づいてる男
それすなわち世間一般の男子にあてはまるわけで、自然と感情移入して魅力を感じるんでしょうね

ラストをふくめてかなり楽しめた作品ですが、内容うんぬんじゃなくてちょっと字幕の日本語訳がしっくりこないのが気になりました
これってビデオ版ゆえの古さからの仕様なのか、DVD版ではどうか分かりませんがちょこちょこ会話がぎくしゃくしてる所や「ん?」と引っかかる所がありました
話の流れにも影響する部分だけにもったいないな、と

とりあえず字幕関連以外では、陳腐な言い方ながら「今でも色あせることがない」という感想がしっくりくる一本でした

個人的評価:85点
オススメ度:書記という言葉って、あんまり偉そうに感じないんだよね




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