2010年5月23日日曜日

鉄男 (1989/日)

監督:塚本晋也
出演:田口トモロヲ / 藤原京 / 叶岡伸 / 石橋蓮司 / 塚本晋也









ある日、男が髭を剃っていると、頬に金属の突起があることに気づく
そして、その日を境に奇妙な金属の体をもった人に襲われ、また自分の肉体もじょじょに金属化していくのだった

鉄男新作公開記念、鉄男祭り第1弾ということで初代「鉄男」です
今回、観たのは「完全鉄男」に入っていたファーストカットバージョン
ようするに映像特典なんかにあるカットされたシーンをつなぎあわせた、劇場公開用にぜいにくをとりのぞく前のバージョンですね
まあ、この作品じたいはもう何度となく観てるんでアレでナニですが、カットされたことには意味があるわけで、やっぱり正式公開版の方が流れ的に自然な気がしました

で、この鉄男は主人公が左手が金属な謎の女に襲われ、しかも自分もどんどん金属化が進んでいくうちに、その謎というかその辺がじょじょに見えてくるというお話
とにかくインパクトというか、こういう映画撮る人はどっか頭イカレてるんじゃなかろうかってくらいに強烈なものがあります
冒頭から「やつ」が足に金属を埋め込む→ウジがわく→もだえる主人公に切り替わり→それをバックにタイトル…もう最高だろブラザー
ここまでの流れで何も感じない人は観ても楽しめないでしょう
本当に面白いと感じる人は信者になっちゃうくらい崇拝の対象になる映画だけど、受け付けない人はもうクソ以下な評価を下す…そんな両極端な作品

鉄男シリーズ中で一番インパクトがあり、一番濃密で、一番エロスで、一番怖くて、一番分かりづらい内容
作品の半分以上は主役の田口トモロヲとライバル役の塚本晋也の存在感でできてるといっても過言ではないかと
とにかく主人公の普通だけどなんか怪しい、そんな魅力が素敵
最初に観たのは中学生の頃ですが、あまりの内容にガチで気分悪くなりながらも、けっして途中で再生を止められない不思議な惹きつけられる何かがありましたね
それから中二病の後押しもあって塚本信者になり、周りに布教したものの在宅ビジネスで躍起になって知人に押し売りする人を見るみたいな胡散臭いリアクションばかりでした
それでもなんとか観てくれるとこまで持ち込んでも、逆に観たがゆえに「おまえ、これが面白いって…」って完全に引かれる経験もしました
で、やっと「塚本晋也作品はかなり人を選ぶ」と気づいたわけで

しょうじきエンターテインメント性と分かりやすさは2の方が上ですが、何かズシンとくる重みは1が一番あるかもしれません
ゆえに人を選ぶ塚本作品の中でも一番万人受けしにくいタイトルと思います
個人的にB級映画を楽しめる体質になったきっかけでもある作品でした

個人的評価:90点
オススメ度:たいがいなことでは驚かないんだからね!




鉄男 予告



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