2010年12月8日水曜日

武士の家計簿 (2010/日)

監督:森田芳光
出演:堺雅人 / 仲間由紀恵 / 松坂慶子 / 西村雅彦 / 草笛光子 / 伊藤祐輝 / 藤井美菜 / 大八木凱斗 / 嶋田久作 / 宮川一朗太 / 小木茂光 / 茂山千五郎 / 中村雅俊







加賀藩に仕える猪山直之は、そろばんをもちいて経理の仕事を担当していた
実直すぎるゆえに煙たがれる面もあったが、そのそろばんの腕は「そろばん侍」と称されるほどに達者なのだった

刀ではなく、そろばんを片手に徳川の世を生きた武士の話・・・ってことで、どこかほんわかしたホームドラマを想像してたんですが、実際はちょっと違った印象でした
いちお時代劇としてもきちんと作ろうとしてるゆえに、中途半端な空気が終始ただよってましたね
ホームドラマみたいな軽い笑いと温かさはあるんですが、同時に時代劇特有の低いテンションの落ち着いた雰囲気が流れていて、全体的になんか微妙な感じになってる気がしないでもない

物語の前半は直之のそろばんバカっぷりと、その能力の高さ、融通の利かない真面目すぎるキャラを丁寧に描いていてます
そんな真面目野郎な直之と家族、親族の温度差が楽しく、また真面目すぎるゆえに仕える藩の裏の事情に気づいた苦悩もいい
そこまでは普通におもしろいんですが、問題は後半、やっとこさ本題である家計簿をつけはじめてからがちょっとおかしくなります

なんの脈絡もなくいきなり「うちの家計マジやばいんですけどぉ」みたいな話が出て、家の中の経理を一手に直之がまかなうことになる
まあ、いきなりな貧乏エピソードはまあいいとして、そこからの倹約暮らしもいいんですが、なんというかもっと突拍子もないアイディアで金はなくても楽しく暮らせるよ、みたいなのが足りない
終盤の親子の確執みたいなシリアスな展開もいいんですが、その溝がなくなる様をみせる気持ちいい展開が最後までいっさいない

さらにラストが近づくにつれて話がなんかぶつ切りになっていき、説明不足で駆け足になって、結局はなんとなくな感じで終わってしまう
ジーンとくることもなければ、心が温かくなって微笑ましいわけでもないし、かといって切なくなるでもない
ホントに取って付けたような終わり方
いや、この題材ならもっと感動よりな話が作れたろうに、ここまで中途半端で形だけなラストは・・・ね

そんなわけでホントに観る前に予想していたイメージと違って、悪い意味で裏切られた一本でした

個人的評価:60点
オススメ度:タイジャタイジャー




武士の家計簿 予告

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